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もしもヤフー/LINEやGAFAコンテンツ担当者なら? Content Landscape Designerの仕事

こんにちは、SmartNewsのコンテンツ担当をしている山口 亮です。普段はコンテンツ面からPdMをサポートしたり、社外の方とのパートナーシップを検討 / 推進したりしています。

前回は表題にもある「Content Landscape Designer」という役割についてさらっと紹介させていただきました。

コンテンツ運用担当者や、事業開発推進担当者とは別に、もしも Content Landscape Designer という職種があったとしたらどういうものだろうか、と。

運用担当、事業開発担当はそれぞれコンテンツを届けるためのチューニング、社外の方とのパートナーシップ推進やコミュニケーションを担います。一方の Content Landscape Designer は、もう少し企画寄りの視点で動きます。その役割は主には以下となります。

Content Landscape Designerの役割:
- どのようなコンテンツ獲得が事業 / プロダクトの成長機会につながるのか調査 / 定義し、その安定的な確保のためのエコシステムを構築する。

やること:
- 現状の市場でどのようなコンテンツ群が、どのようなユーザーになぜ支持されているのか、調査すること
- その市場において自社はどのようなポジションに機会を見出すべきか整理し、定義すること
- 成長につながるコンテンツ群をどのように獲得するのか、関係者と議論し中長期的なロードマップを計画すること
- 計画の実現を中心となって推進すること

もしもこういった職種がヤフーやGAFAのようなプラットフォーマーにいた場合に、具体的にどのような仕事をして"いそう"なのか、どういった状況下でこういった職種が活きそうなのか、どれくらいの経験値が必要とされそうなのか。

そんなことを(書くと論文になりそうなので)Podcastで話してみました。お相手は坪井遥さん

内容を一部ピックアップすると、だいたいこんなことを話しました。

==============

山口:メディアビジネス事業開発のコンテンツ職種で、そういった企画職の未来がなんかあるとしたら、どういうものになるだろうね? って適当に名前が挙がったのが"Content Landscape Designer"でした。コンテンツとかメディアに根ざしている企画職なんだけれども、技術的なバックグラウンドがあまりない / 薄い、という方がどういった役割を担うのか? みたいな。

編成をするというよりは、事業開発であったりパートナーシップを組むだけではなくて、この自社サービスに適切なコンテンツ / 我々が求めているものがどんどん生み出されていく、もしくは獲得させていくこのエコシステムそのものをデザインしていく仕事ってのは、何かあるんじゃないの? と。

そういった視点で生まれた造語みたいなものです。これが、今この時代もしかしたら必要とされる、もしくは役割が果たされるんじゃないかというような、そんな内容を書きました。

坪井:そうですね。業界の狭いところで話題沸騰っていう感じの記事になりましたね。

山口:めちゃくちゃ狭い。何か反応を見ていると、困ってるというか。何か、このあたり考えたいっていう人はやっぱり一定数居るんだろうなって気がしますね。

坪井:そうですね。困ってるっていうことにも何か3つくらい僕はあるかなと思っていて。

まずはこの領域っていうのが、何でも屋さんはみんな何となくやってるんだけども言語化できてないっていう問題が1つ。

もう1つは、その専任の人を置きたいんだけども置けないよね、っていうリソース配分の問題。だから欲しいよね、こういう話が必要だよねっていう。

あとはもうちょい実存的な問題として、自分たちがこの後、メディア業界でやっていくのにどういう専門性を高めていってたらいいかっていうのを分かってない人が多い。特に同世代以下に多いっていうのがあるかなと思っていて、そこのヒントになるんじゃないかっていうのをみんな直感的に思ったんじゃないかと思いますね。

山口:特にこういった、キャリアをどう見極めて開拓していくのかっていうのってあんまりオープンにならないじゃないですか。何か、そういった意味でもちょっと引っかかるというか、面白そうだなと感じられた方ってのは一定数いるんだろうなというふうに思います。

あと、定義先行でまずこの言葉が出てきたところがあるので、それぞれが描くこういったプランナーの1つの役割というか、この1つのあり方みたいだなってイメージされる具体的なところが結構みんな違うと思うんですね。

坪井:そうですね。具体的に何をすんのや、と。

山口:今日は坪井さんとその内容についてどういう仕事を実際していそうなのか、こういう仕事だったら界隈でも必要とされるんじゃないか、みたいなところを、具体的なところをキャッチボールしながら掘り進めていきたいなと思ってます。

で、次のnote書こうとしてたんですね。じゃあ、具体的に何してるのかと。前職ヤフーだったので話しやすいかなと思ってヤフーで書き始めたんですけど、生々しくなっちゃったのでやめたんですね(笑)。

坪井:それが読みたいんだけどなあ。

山口:ヤフーがメディア面で困ってることみたいな書き出したらマジな感じになっちゃったので、ダメだろうなと。

坪井:こういうところが足りないって言ってるのと同じですもんね、これ。だから言えないことがあるのはあると思いますよ。

山口:なんでほかの、LINEとかGoogle、Facebookみたいなところだったらどうなるのでしたっけって。1つのケーススタディとして考えられるだろうなと思ってます。

坪井:すでにLINEで書こうと思ってベースとしたのがあるんですね?

山口:ちょっと書こうとしたんですよ。例えばLINEで考えてみると、課題がたぶん先行してあるだろうと。全社的なメディア面での課題設定みたいな。

1つは例えば動画化。1つがエンゲージメントで、これは具体的に滞在時間とかになってくると。で、もう1つが検索。例えばこういうのってこう課題感として挙げられやすいだろうなと。

動画化が、例えば会社としては広告収益における動画からの収益が全体の例えば 10% しかなかったりする。現在の潮流から言うともう全然少ない。これをこの値をもっと高めたい。動画広告をどんどんやってくぞみたいになって、分かりやすくあるだろうなと。

そのためにまずは動画を見に来る世界にするっていうのは、1つ課題としてありそうだねと。

例えばLINEの場合だと、メッセージ使う時にたまたま見に来るみたいな使い方じゃなくて、もっと選択的、能動的に使ってくれるようになりたいってのはあるだろうと。

結果的にそれはメディアの影響力であったり、収益力を高めるであったり、もっと日々を見てくれる、生み出してくれるとかそこら辺が入ってくると思うので、このTimeSpentをどう伸ばすのかってのはエンゲージメントとしてあるだろうなと。

あと、検索っていうのは去年とかにも出てたと思うんですけど。検索やるぞみたいな話が出つつも、単純な利用者数もリテンション的にもまだまだちょっと物足りないだろうなと。強すぎるのでーーーGoogleないしヤフーが。

敵が強すぎるんだけど下手に化けて伸びるとすごい。なんていうか、これはポテンシャルがすごい。もっと使ってほしいってのは検索はそもそもあるだろうと。

なんで、その動画とTimeSpentと検索っていうのはすごく全社視点でも挙げられるんじゃないかなと、ちょっと思ったところがあるんですね。この中で何かしらピックアップしてみて、その中で"Content Landscape Designer"をやるとしたらこういった仕事なんじゃないかみたいなものをなんか書こうとしてた。

坪井:分かりました。面白いですね。その3つの課題設定っていうのは結構中の人も当たってるって思うじゃないかと思うし、僕も聞いてて蓋然性高いなと思いました。

山口:TimeSpentとかは他のプラットフォーマー、ニュースアグリゲーターも考えてることで。これみんなの課題のような気はしますね。検索だけちょっと特異ですけど。

坪井:そうですね。検索だけ割と、例えば、あんまり現職の話できないでしょうけど、スマニューさんはない機能ですよね? 検索って。

山口:でも最近ニュース検索とか出てきたんですよ。

坪井:それはLINEの検索と同じような意図持ってるんですかね?

山口:いや違うんじゃないですか? スマニューのニュース検索はあくまでもニュースの検索ですから。LINEが目指している検索っていうのは、もっと広い指向型のものを指してる。もしくは、そうなりたいと思ってんじゃないかなとは思いますね。今は分からないですけど将来的には。

坪井:あとなんて言うのかな? 動画とTimeSpentに関してはプラットフォーム側からのプッシュがキーになってくるのかなと思っていて。こういう動画がありますよであったりとか。

TimeSpentにしても、こういうことに時間を使ってみませんか、みたいな提案はこっちからしてるところがあるのかなと思うんですけど、検索に関しては「こういう検索できますよ」っていうプッシュもあり得るのかもしれないけど、ユーザーが自発的に検索してみようって思ってもらうっていうのをいかに作るかっていう。

広く言えば「フック」なのかもしれないけど、いかにユーザーが能動的に触ってもらうかというところを設計しなければならない。ここでは、ちょっとその意味でもこの2つで色々違うという感じを、いま聞きながら思いましたけど。認識あってます?

山口:あってると思います。特に、検索がどういったシチュエーションの時にどういった想起を取るのかで圧倒的にプレゼンスが変わってくる領域だと思うので。ご飯を検索するならこれ、ある商品の評価を見る時はここで検索するよね、みたいな。

その第一想起に選ばれるかどうかで全然変わってきちゃうので。「にわとり・たまご」みたいな話かもしれませんけど、もうちょっとプル型という気はしてますね。

それぞれ動画 / TimeSpent / 検索、どれもコンテンツが関わってくると思うんですね。動画はもちろん、今ないからもっと欲しい。他のサービスと比べて、どういったものをうちの世界、うちのプロダクトの中で流通させていくのかみたいなデザインもそうでしょうし。

TimeSpentは機能的なものも多分にありますけど。もちろんコンテンツが影響してくるところもあるでしょうし。

検索は検索で、ほかと同じようなものを検索させるだったら、シェアは取れないだろうから、そこでコンテンツで何かできることありましたっけ、ってのはあるでしょうねと。

坪井:その辺で言うと、コンテンツの調達計画を立てるみたいな。若干、パートナーシップのやっていることに近くはなってくるのかもしれませんけど、そこをもうちょい引きで見ながら計画を立てていく。

それで、「ランドスケープ・デザイン」という言葉を使われてましたけど、デザインしていくっていう発想が必要になってくるのかなという気はします。

山口:まさに設計するっていうところがこの職種にあるべきことになるんじゃないかなと思います。これまで、そういった役割を担ってきた人たちってどういう人だったんでしたっけ? ってのは、1つあると思うんですね。

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