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ウェディングの顧客体験はできないから、のお話

結婚式を挙げる体験や経験は基本的には極めて少ないから、のお話です。

私たちはいろんなレストランや飲食店、バーやホテル、イベントやパーティを体験することで、良い体験をし、良いものを知ります。

それが、顧客体験です。

飲食に限らず、美術館やミュージカル、歌舞伎やアパレル、ファッションなど、日常に顧客体験は溢れていると思います。
今回のテーマにあるウェディングも、関わる要素は無限大のはずです。

あのサービスって良いなー、素敵だなー、あのお料理っておいしいな、あのプレゼンって良いな、
安易に流行りだから良い、ではなく、なぜそのサービスが喜ばれているのか、その商品が売れているのか、その本質を考えること。
そして、その本物、本質を還元体現することで、自分たちの商品やサービスを進化させ続ける。
顧客体験はそのために大事なことですよね。

サービスマンとしても、顧客体験をすることで
言葉選び(ドリンクやお料理の説明など)や仕草(グラスやボトルなどの持ち方、注ぎ方など)、サービスのタイミング在り方など、試行錯誤して進化するのだと思います。

お料理やドリンク、空間、デザイン、メニュー、カトラリー、インテリア、アピアランス、、、
顧客体験を通じて、メンバーが試行錯誤して会話して、意思決定してアクションしていく。
そんなお店や会場、企業が進化し続けて愛されるお店、会場になるんでしょう。

ここでタイトルに戻ります。
ウェディングは顧客体験は極めて少ない、だから、です。

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とくに新郎新婦としての顧客体験は、人生で何度もできるものではありません。
おふたりを祝福するゲストとしての顧客体験も、レストランやバー、ホテルでできる顧客体験と比べると極めて少ないでしょう。

だから一般的には、体験したウェディング、ご披露宴がベーシックなものとなるはずです。

それは式場側も同じだと思います、というか多いと思います。
自分たちのサービスがベーシックなものだと考え、だからこそ、進化させ続けている会場は少ないと思います。(体感)

わたしがウェディングに携わらせていただき、キャプテン(おふたりの先導、進行の判断、サービス責任者etc)をさせていただいていたときです。

おしぼりにはレモングラスの香りをつけて温かいおしぼりをご提供
(今はご時世的に、紙おしぼりが多いかも、おふたりがお打ち合わせで選べても嬉しいかもですね。香りのついたおしぼりは、ウェディングでいただいたことは無いかも)
一度使ったおしぼりは1品目のご提供後に、全て回収
(衛生的にも、見映え的にも良くないから)
パーティによっては、デザート前に温かいおしぼりをもう一度みなさまにお渡ししたことも。

おふたりのお席(高砂・メインテーブル)はキャプテンが担当ウェイターとして、常にテーブルクリーンを意識
(ビール瓶はできる限り回収、写真にきれいな装花とゲスト、おふたりが映って欲しいから。カトラリーやナフキンを整えたり、お料理を召し上がりやすい場所に移動したり、おふたりが居心地よく過ごして欲しいから。)

おふたりのご親族にもご披露宴中にご挨拶をさせていただき
ご中座がある際には、もう少しでおふたりがお色直しに進まれるので高砂でのお写真が今がチャンスであることをお伝えしたり、

おふたりに、もう少しでご中座のタイミングであることをお伝えして、スペシャリテのお料理を良かったら今のうちに、とお伝えしたり

ご中座後には新しいグラスに置き換え、(20 - 25分置きっぱなしのグラスなので特にビールグラスはビールが入ったままのこともあるので意識して新しいものに)、新しいおしぼりをお渡ししたり、
各卓写真(おふたりがゲストテーブルをラウンドしながらお写真を撮る)の途中でお飲み物をお渡ししたり、

ほかにもキャプテンとして、おふたりの担当ウェイターとして
どうすればおふたりやゲストが喜んでくださるのか、を考えて行動してました。と、自分では思いますw

おふたりのお選びになったお料理のコースのコンセプトを、各テーブルで担当ウェイターがゲストにお伝えするようにチームで共有したり

お料理に合わせてワインの産地を選べる新しいドリンクプランを開発したり

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これらは、自分たちの会場の料理や商品を、自分たちが愛していた(常に進化していた)からこそ生まれたアイディアでした。
(シロップとジュースを組み合わせただけの色味が映えるカクテルをオリジナルと呼んでご提供している会場も多いですよね。会場のコンセプトやターゲットも違うので、それが悪いとかではありませんが、誤解を恐れずに言うと、なんとなくその会場の方は、ウェディング以外の顧客体験がなかったり、進化させる意識が無いのかな、とも思ったりします。悪気は絶対無くて、喜んで欲しいという想いはあり、実際にゲストに喜んでいただいているから、変わっていない、だからこそウェディング業界は、それってどうなの?という商品やしきたりに対しての意見が今になって急に目立つようになったのだと思います。ジレンマがたくさんあることも分かります。難しいのは、決して今までの結婚式や挙げられたおふたりを否定していることではない、ということ、大事なことはおふたりやおふたりに関わる全てのヒトが結婚式を通じて、より感謝を伝えられる場になったり、力をもらえたり、人生の中であの結婚式があったから、とどんな時でも振り返られる時間になることで、そのための手段がいっぱいあるうちの一部分を挙げただけ、ということ。だから日本にある全ての式場は挙げられたおふたり、みんな幸せにしているはず。その上で業界同士でレストランみたいに顧客体験ができないから、だから何ができるかな、、、ということ、それは未来のおふたりやゲストのために)

書きながら整理してますがw

会場の商品やロケーションが違うのは当たり前ですが
サービスの在り方はどこも同じであるべきだなーと思います。

新郎新婦という顧客体験ができないから、サービスの良し悪しも比べることができない。

もし自分が新郎として結婚式を挙げて
テーブルクリーンをしてくれなかったり、ビール瓶を下げてくれなかったり
中座後、時間がたったグラスを変えてくれなかったりしたら、残念です。
自分たちは良いかもしれないけど、大切なゲストにおもてなししてくれているのかな、と不安になります。

ただこの目線はウェディングのサービスをしていたから感じることができること。
そうじゃなければ、おしぼりが無くても、進行のお声掛けがなくても、
それがそういうものなのだ、となるから。

ここで発信したいことは

まずウェディングに関わるヒトたちで
じぶんたちはこんなことやってますよ!こんなことしたいと思ってます!
こんなことしたら喜んでくださりました!みたいな共有ができないかな、ということ。
*わたしが今はウェディングから離れているからこそ、そんなことが言えるのかもしれません><w

日本中の名だたるシェフがお料理のレシピを公開したように
ウェディングのサービスも顧客体験ができないからこそ、いろんな方に共有ができたら面白いと思います

専門用語になりますが、会場のドンデン(会場の準備、セッティング)の様子、バックヤードでの様子、ブリーフィング(スタート前のサービススタッフのミーティング)の様子
いろんな裏側を知ってもらう、逆に自信をもって発信できる会場は本物だと思います。
*自慢じゃないですが、わたしが以前キャプテンをしていた会場は、自信を持ってブリーフィングの様子を発信できますw
自分が式をあげるときには、会場のブリーフィングに参加して、サービススタッフの方に自分から、感謝や宜しくお願いします、の想いを伝えたいです^^
残念ながら、ドンデンやブリーフィングの様子を見せられる会場は多くはないでしょう。(経験談)

会場の紹介やお料理の紹介などをSNSを通じて発信している場面は山ほど見ますが、実際当日にどんな形でご提供されているか、お飲み物のプランはいっぱいあるけど、その魅力が当日のゲストに伝えられているのか、みたいなところは分からないです。
*先日Instagramである式場のサービススタッフの方が、卓上セットの様子をUPしているのを発見して、素敵だな!と思いました!

あとはなにより
おふたりが会場探しの際に、当日のサービスについて知ることができないということ、会場のロケーションやお料理、できる演出などは知ることができますが。

結婚式探しの際に、サービスについての項目?こんな方が、こんなチームがサービスしています!みたいなのがあったら良いかも、、、?

結婚式においてのサービスが注目されるフェーズが来ると信じています。
各結婚式会場、ラグジュアリーホテル、外資系ホテル、レストランウェディングetc が自社サービスなのか、外部委託なのか、派遣紹介なのか、
どれが良い悪いではなく、当日大切なゲストにおもてなしをしてくれるのはどんな人(法人)なのか、をおふたりが知りたくなる時代が必ず来るかと。
*会場の方たち(要は会場の企業が雇用しているスタッフ)がサービスをしている、とおふたりは考えられることが多いですが、各会場、ホテル等によって業態は様々です。

MCはこんな方、フローリストはこんな方、シェフはこんな方、DJはこんな方、
ウェディングの多様化によって各役割の方へのこだわりが高まっている中、
次はサービス、、、???

サービスはこんなコンセプトを大事にしているチームです
ウェディングサービスは学生が主体だからこそ、こんなアプローチをしています、当日はゲストにお料理のコンセプトをお伝えしています、おしぼりは香りがついていて、、、、とサービスについて語れるウェディングプランナーさんやディレクターさんがいらっしゃる会場は素敵ですよね。

かなりまとまりのない記事になりましたが。

新郎新婦としての顧客体験ができないから
わるくいうと、サービスはある程度できていたら良い、になっている
*昔から言われていることだと思いますが、今回はサービスについて。
*わたしの前職の会場はそうではないです!離れてみてよりそう感じます^^

そうじゃなくて、当日のサービスについて各会場ごとに発信ができて、
おふたりがサービス、についてフォーカスされるようになり、
良い意味で競争心や差別化意識が生まれたら、、、
そうしたら今のスタンダード、が変わる。

そして
当日のおふたりやお客様の満足度が、未来のご成約やご来館に繋がる

そのためのサービス力が発信できたり、見える化されることがウェディングサービスの更なるブラッシュアップにつながると思います。

今は、想いを書くだけ、しかできていませんが
レストランもバーもウェディングのサービスも好きだからこそ
できることをこれから体現していきたいと思います。

以上、顧客体験と進化、ウェディングサービスver.のお話でした

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