吉本ばなな
吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですがTwitterに遊びに来て感想聞かせてくださいね。
よなよな、人生について意味なく語り合うばな子とまみ子。 全然違うタイプだからこそ、野生児まみ子の言うことを聞くとばな子こと小説家吉本ばななは、いつもはっとするのです。 それからまみ子はあるとき、彼女の書いていたすばらしいブログを全部削除してしまったので、あのすばらしい考え方をなんとしてもまだまだ読みたい私、ついにまみ子を再びひっぱりだしました。 私がなにかに気づくように、みなさんもばな子とまみ子の全然違うのに「自由」についてだけは一致している考え方や様子を見て、ヒントを得ることがあるかもしれません。 コメントもお受けします。みんなでそれを眺めながら意見をのんびり書き込んで、じんわりとイメージがふくらんだりするのもいいですね! ゆるゆるの不定期更新ですが、月に1回くらい、ゆっくりと自由についてみんなで考えてみるくらいがちょうどいいと思っています。
限りなく小説に近いエッセイと、短編〜中編小説のマガジンです。 全く規制はなく長さもまちまちですし、校正がかかってないので誤字脱字もあります(だからここでしか発表できない)。ライブな感じをお楽しみください。 コメントは受けつけていませんが(読む人それぞれの静かな時間を大切にしたいので)、Twitterにはいつでも遊びにきて感想を書いてくださいね。 曲のように一編ずつ買い切り。そしてそういうわけでひとり文芸誌。 そのうち本にまとまりますが、そのために書いているのではなく、単に自由にやりたくてやっています。 小さなお茶うけに、人生の謎をとくちょっとしたヒントに。 ほんとうに読みたいなと思ったタイミングで、気が向いたときに、好きな場所で。
既出のエッセイなどを仮置きするところ。
吉川ひなのちゃんは「観なくてもいいよ、ほんとうに観るの?」と警告してくれていたのに、「Dominion」というドキュメンタリーを観てしまったのです(あえてリンクは貼りません)。 これほどのホラー好きの私が、生涯観たホラーの中でいちばん怖い映画だったと断言できます。人間の心が悪魔に変わっているのだから。あんな人間が出現するこの社会も恐ろしい。 私は残酷な描写で人の心を動かす試みを忌み嫌ってきましたが、そもそも動物を愛する私にとって、この映画はそういうことで批判できるレベルを超え
✳︎今日のひとこと 群馬に行き、とてもいい温泉ホテルに泊まったのです。 宿の人はみな優しく、清潔で、お湯もよくて。しかし、むちゃくちゃむつかしいところがあったのです。 多分、坂道に建っている建物をどんどん増築して廊下でつながるようにしているうちに、巨大迷路のようなものができあがってしまったのではないだろうか。 私だって、伊勢丹メンズ館と本館は3階と地下でつながってます、とかならわかるんですよ。 しかしそこでは、ロビーが1階、風呂はその建物の3階、宿泊場所は3つめの建物、そ
✳︎今日のひとこと この年齢になって、初めての文化に生で触れるってすごいことです。 女性の自由(っていうか人間の自由)についてばかり書いている私はきっと一生行くことはないよね、と思っていた場所なのですが、青木潤太朗さんの「鍋に弾丸を受けながら」を読んで、「UAE、行ってみたいような気がする」とふと思ってしまったところに、ビジネスクラスで来ていいよ〜!というアブダビの国からの招待に、「うほ、今どき資金が潤沢」とほいほい乗った私。 ラクダと砂漠!的な、基本的にムスリムの人が多い
ばな子 なるべく小さく 人生って惑うことがいっぱいありますよね。 私は近年では、義理のお父さんが死ぬとき、あまりにも病院に行かないでなにも和らげないで人が死んでいくのを見るのが怖くて、少しは和らげてあげて!と自分も苦しんでいる夫にぶうぶう言ったのが、惑ったな〜、と思います。今でも放っておくことはできないなとは思うので後悔はしていなくて、私の視点がなかったら、夫はまだまだお父さんが生きる希望を持っちゃってたと思います。他人だから、もうすぐ死んじゃうってわかったのだから。 親
マガジン限定
✳︎今日のひとこと これを書いている段階で、私は字幕なしの英語で、機内の小さなスクリーンでおぼろになんとなく観ただけなので、もし全然違う話だったらごめんなさい!どうしよう。でも、そうだったら。もはやウケる〜。
✳︎今日のひとこと あまりにも変な天候の中、やっとめだかが卵を産みはじめました。 こんなあたりまえのことがずれていくなんて、気候変動恐るべし。そしてめだかたくましし! 近所に住む獣医さんに「めだか3匹あげようか」と言ったら、彼がプラスチックのぺこぺこのパックを持って手ぶらでやってきて、いいなあと思いましたし、その帰りに近所の王子様(と呼ばれる立派な青年)に会って、「めだか持ってますね、あ、吉本さんちからですか?」と言われたという、なんて平和な。 めだかのためにミドリムシを
✳︎今日のひとこと タイトルは近田春夫大先生の名曲からお借りしました。佐藤公彦さんがサックス吹いてる!OTOさんもいる。いい時代〜! 来るところまで来た感のあるこの行き詰まりのなかで、元気いっぱいの人なんてなかなかいないと思います。 前も書きましたけど、そのひどい世界の中で若者たちが編み出した術、それが「身内だけで回す」です。 それで行き詰まったときだけ遠くの人に届ければいいので、ぜいたくしなくていいなら、回せますしね。そりゃわしみたいなじいさんは淋しいですけど、じいさん
✳︎今日のひとこと 今さらながら(これを書いているときちょうどアニメ化されてる)、「僕の心のヤバいやつ」。いいですよねえ〜! 山田さんのことを私まで好きになってしまいました。ギャグにはほんとうに笑っちゃいますし、どちらのご家族もいい感じですし。 「溺れるナイフ」や「おかえりアリス」みたいに、いくらでも性をこじれられるはずの世界をほのぼのと乗り切っていける、そんな人間に私はなりたい、と改めて思いました。 それは不可能ではないのです。少なくとも、作品にすることは決して。 いい人
ばな子 潮目の変化 ほんと、彼もいつまでもそのまま暮らしていこう!なんとかなる、って思ってくれたら、いちばんよかったのに。 大人にならなくちゃいけないんだ、って思ってしまったんだろう。 昭和の男道の圧の強さは、想像を絶するものなんだと私も夫を見ていて思います。あんなにも変わり者のはずれ者の夫でさえですから、すごいことですよ!おじいちゃんなんてかなり最後の方まで「国家資格を取りなさい、理学療法士になりなさい」って言ってたもの。 私にもそう思ってしまう時期はあったし(大人にな
✳︎今日のひとこと 下北沢も再開発でなかなかいづらい街になっているのですが、ここからだいたいどこの街に行こうが、たとえ地方に越しても、この「デカい商業施設にそこそこイケてるいろんな店が入っているのがいっぱいできる」波はゆっくり日本中を覆っていくと思うので、とりあえず生き残った路地裏のシミシミと小さい店たちで酒を飲むという今日この頃なのですが、たまに若者の店に行って、その塩味の濃さに衝撃を受けることがあります。 そういう時代なのだろうし、世代なのだろうし。味が濃いコンビニ弁当
✳︎今日のひとこと たいへん個人的な目標とか人生の話になるのですが、読まれる方はそれぞれの人生にあてはめて考えてみてください。ヒントになるかもしれません。自分が知らない何かの話を熱く語られるのがどんなにウザいか私もよく知っていますが(笑)、なるべく視点をずらして読みやすく書いております。
✳︎今日のひとこと 歯医者さんに行って、「先生がいつ引退されるか心配で、考えただけで泣けます。先生がいるうちに親知らずみんな抜こうかとさえ!」とほんとうに半泣きで言ったら、「まだまだ大丈夫!」と力強く言われてホッとしたものの、「歯が全て」の先生は私の言ったことをすっかり本気にしてしまい、レントゲンを出してきて、「あなたの親知らずは3本残っている。幸いなことに下の2本はふつうの歯と同じ形で曲がらずに生えている。だから、ちゃんと磨けていれば普通の歯と同じに考えてよい。ただし、口
ばな子 なお ないないシックスティーンじゃあ、もはやよなよなって言葉が入ってないじゃないじゃないですか(笑)!しかも69ですらないじゃないですか!
✳︎今日のひとこと これをみなさんが読む頃には跡形もなくなっているであろう話題ですが、政治家の方たちも国民の方たち(自分含む)も、ガーシーさんが除名されたこと以上に、あのような人がとにかく当選したという厳粛な事実!を、多くの人が「他に入れるよりこっちのほうがなんか変わりそう」とまで思っちゃった、そういう時代になってしまっていることを、重く受け止めたほうがいいんじゃないかなあ…と思います。
✳︎今日のひとこと 道を歩きながら、いっちゃんが言ったのです。「こんなふうに並んでしゃべりながら歩いてるって、すごく道が広いんですね!」 そうなのです、アーケード街がいっぱいあって、広々していて、けっこういろんなお店がちゃんと営業してにぎわっているのです。 前の晩、焼き鳥屋さんの場所がいまいちわからなくて、迷っていたら熟女パブの前に立っていた熟女が「迷ったの?見ようか?」と声をかけてくれたのです。 そして、「わかんないから案内所で聞こう!」と夜の街の案内所(焼き鳥屋さんを
✳︎今日のひとこと 近所の小学生の子どもたちがビラを作り、「切らないでください」と張り紙をし、いったん生きながらえた桜の古木が、その子どもたちが卒業したのかどうかわかりませんが、しばらくの間その一帯が幕に包まれて、幕が取れたら切られていました。 土地を持っている人が土地を売る、工事の人が切る。それはもうどうにもならないことです。桜だって持っている人のものなんでしょうから。 でも、また反対されるとめんどうくさいから知らないうちにやっちまえ臭は、そこにぷんぷんしていました。 そ