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どくだみちゃん と ふしばな

吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですがTwitterに遊びに来て感想聞かせてく… もっと読む
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記事一覧

その瞬間

その瞬間

✳︎今日のひとこと

カフェ・ドゥマゴで、友だちとムール貝の汁大さじ1ほど残っているのをどうしても諦めきれなくて、下げようとするお店の人に「下げないでください!」と何回も言って、最終的にポテトでは吸いきれないとわかってバゲットを注文し、ていねいに汁を分け合っていたのです。
ふと、ほんとうにふと思ったのです。
ああ、ここでドゥマゴ賞をいただいて、あの角でスピーチしたなあ。選考してくださったのは、安野

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「違うこと」はやっぱりしないこと

「違うこと」はやっぱりしないこと

✳︎今日のひとこと

気ままに文章を書いて、それで食べていけるなんてすごいね〜、うらやましい、とたまにほんとうにのんきな人に言われるのですが、こんなにきつい仕事もなかなかないんですよ、24時間自己と向き合い続けて、小さな違和感に気づき続けて、しかも休憩時間はなし。
現実的にも、1年かけて全てをしぼりだした結果が100万ちょいだもん、と思います。
もちろんきついのはお金のことよりずっと、自己と向き合

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ひとりで

ひとりで

✳︎今日のひとこと

彼女については少し前に書いたことがありますが、テーマに添いつつ、もう少し詳しく書きます。本人には無断だから、怒るかな、きっと怒らないだろうな。

遠く離れて住んでいる人なので、直接会ったことはないのです。ビデオ通話とかはしたことがあるんだけれど。
セドナの近くのとんでもない幽霊ホテルがある街で、その街について調べていたら私の感じたことと同じような感想を書いていた彼女のブログに

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コロナか

コロナか

✳︎今日のひとこと

多分偽陰性だった1回目の教訓を得て、今回はすぐに電話をかけまくって、やっと検査できる病院を予約して(1回目は熱がある人の検査予約なんて電話がつながらなくて全く取れなかったので抗原検査を毎日2回して外出していた)、感染が発覚しました。
濃厚接触者の人たちには申し訳ないことをしました。お仕事もキャンセルになってしまったし。
でもその人たちが口々に、今はどこで誰がなってもしかたない

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成り立ち

成り立ち

✳︎今日のひとこと

カメが歳を取ってきて、最初のひとくちを介助しないと餌をなかなか食べてくれなくなってきました。そういう時期とそうでない時期(ひとりでもがつがつ食べる時期)があるので、気候や湿度の関係かもしれないし、そうやって信じられないくらいゆっくり、緩やかに弱っていってるだけかもしれません。
いずれにしてもいつも思うのは(鳥やめだかにも思うんだけれど)、こんなに小さい口で、ほとんど野菜ばかり

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グッド・ヴァイブレーション

グッド・ヴァイブレーション

✳︎今日のひとこと

今、私は信じられないくらい健康なのです。体にあった悪いものも熱と汗と咳で全部いっしょに出して、さらに回復のためのエネルギーを体が総動員して肺に送ってるのがわかります。
そこでたまたま、そうとう滲んでもともとちょっと線がゆがんでいたタトゥーを入れ直したので、瀉血的な効果もあったみたいで、その日からはますますバリバリに元気なのです。
良い子のみなさんは真似しないでくださいね(しや

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時代はめぐる

時代はめぐる

✳︎今日のひとこと

お仕事でやまじえびねさんにお会いしました。とてつもなく静謐な美しい絵を描く人で、これまでの作品をみんなリアルタイムで読んできた私だったので、不思議な感じがしました。やまじさんは、やっぱりあの絵を描く人だな、という感じの人で、強い意志と美しさを感じました。まだフェミニズムもLGBTQも話題になるずっと前に、女性同士の恋愛の自由や、レイプの恐ろしさや、女性の権限を描き続けてきた人

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生活教

生活教

✳︎今日のひとこと

小沢健二さんが家庭を持ってから、いや、きっともっと前からいつも静かにテーマにしていることは、毎日の生活の中から全てを発見する、ということだと思います。
奇しくもそれは私とまみちゃんの「よなよなの集い」の共通テーマでもありました。
そして私の父も日常において、そういう思想の持ち主でした。
少しだけ違うけれど、坂口恭平さんにも通じるものかもしれません。
手を動かしていれば、何かが

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ヒントだらけ

ヒントだらけ

✳︎今日のひとこと

たとえばなのですが、「とある一軒家で特殊能力を持つものすごい美女と、宇宙から来た記憶があるサイキックでイケメンの息子さんが仲良く暮らしている」とか、「13歳でストリートチルドレンになり、人生波乱万丈の超美女」とか(こちらは有名か!)、「ある日ある人のポスターの手のひらをずっと見ていたら何かが視えるようになり、以来ず〜っと手相を見ているが、いつも予約でいっぱい。しかもYMOのマ

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本を愛する

本を愛する

✳︎今日のひとこと

もしかしたら私にとって書籍はすでに贅沢品かも、と思うことがあります。
出れば嬉しくて宝物みたいなんですけれど。
たとえばこのメルマガ、1回の分量がだいたい3000から6000字。で、月額が400円。1年通しで読むとだいたい書籍1冊分。
ところがですよ、これを文庫にしたものをゲラ(刷りだしのこと)で読むと、ものすごく多くて重い。同じ人が書いてるからどことなくくどいし、ブログみた

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深く考えない

深く考えない

✳︎今日のひとこと

生きているといろんなことがあって、「これ、小説に書いたら、『こんなことあるわけねえだろ!』って言われるだろうな」っていうことを日々たくさん経験しています。
そういうことにある程度慣れると、不思議なことが起こってもあたりまえだし、人生ってどう考えてもその人にしか起きないことが起きるよな、とわかってきます。
ということは、自分に起きることは自分にしか起きないことなんだからこそ、対

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豊かな深み

豊かな深み

✳︎今日のひとこと

何回も引き合いに出してしまうのですが、村上春樹さんや、菊池成孔さんの持っているあまりにも幅広い音楽の知識。
どんな場所でも状況でも年代でも、常にとにかく音楽を愛して聴いてきた人たちのおめがねにかなった曲たちを、ラジオ番組や本であっという間に教えてもらえるありがたさ。
この深い豊かさを人がそれぞれ持っていたら戦争はないよな、と思うような。
でもそれはひょんなことから表に出なかっ

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混沌の中で

混沌の中で

✳︎今日のひとこと

いろいろな意味でものすごく差し障りがあるので、全く違う話に変えてありますが、ニュアンスは残しています。
あるとき、知人に呼び出されました。知人のレベルとしては、仕事のときにたまに会うくらいの歳下の女性。専門は語学で、明るくて人望がある感じ。お母さんは亡くなっているがお父さんと仲が良く、私もたまたまその人の実家のある県に寄ったとき、お父さんにお会いしています。
彼女は言いました

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己のことを言いたいのではなく、それぞれのそれを考える回

己のことを言いたいのではなく、それぞれのそれを考える回

✳︎今日のひとこと

いまさらながら「アラサーちゃん」の無修正版のほうをまとめ読みしていて、男性から見て性の対象になりやすい見た目で、かつ本人もそういう界隈を泳いで生きているということのたいへんさをかいま見、思い出すことは、私の父が「なぜ高校生が援助交際をするのはよくないのか」というその時代に論争がよくなされた質問に、「無意識が傷つくから」と答えていたことです。
そういう目で見ると、もっともっとこ

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