見出し画像

「干し柿」を読んで。

今日は、父の物品の片づけをしていた。
その中で、自分が小学校4年の時に書いた、読書感想文をご紹介したい。

 教室の学級文庫に数冊の課題図書が入りました。その中でもこの「干し柿」という本が気になって、すぐに借りて読み始めました。なぜならぼくは干し柿を食べた事がなかったからです。
 ぼくはこの本から、柿の変化の様子や作る時の苦労、そして自然と干し柿のつながりについて多くの発見をしました。
 しぶ柿は山の上の方に生えていて、寒い中で育つので、しぶくなるのだそうです。反対に里の方で育った柿は、甘くなるのだそうです。ぼくはこれまで一本の柿の木にしぶ柿と甘柿がまざっていると思っていました。食べた時に味のちがいが分かると思っていました。
 干し柿を作るには、まず皮をむきます。機械でむくと柿の形が悪くなってしまうので、一つ一つ手でむきます。なんでも機械にたよってしまう今の世の中から考えると、大変な作業だと思います。おどろいたのは、手でむいたほうが早いし、出来上がりの形がきれいだということです。ぼくは人間の手のすごさを感じました。
 また、むいた柿は縄でつるします。この縄もわらをよって、手作業で一本一本作っています。ここでもぼくは、手作業のすごさを感じました。
 なぜ干し柿が作られるようになったのかというと、昔は今のようにケーキやチョコレートもなかったので、なかなか甘い物が食べられなかったそうです。そこで干し柿をおやつ代わりに食べていたそうです。甘いおやつがかんたんに手に入る今でも、なつかしさから干し柿は食べられているんだそうです。
 縄やひもでつるされた干し柿は、家ののきしたに干されます。数多くの柿をつるす家では、1階から2階まで壁が柿色のじょうたいになっています。
 読み進めていくと、干し柿は人間の手作業だけではなく、太陽のちから、風のちから、いろいろな自然の力をうけて出来上がることを知りました。自然の下で干すことで、出来上がりの重さは干す前の5分の1くらいになっています。それだけ柿の中に水分やしぶみが入っていたんだと思いました。
 そんな干し柿を作る人がへっているんだそうです。きっと機械で簡単に作る事が出来ない、手作業で手間がかかる仕事だからだと思います。このままでは、干し柿がなくなってしまうのではないかと不安になりました。古くから伝えられてきた干し柿を、機械だらけの今の世界にもしっかりと残すことがぼくたちの役割かもしれません。
 たった1個の小さな干し柿ですが、柿をとるところから出来上がりまで、昔の人のちえがぎっしりつまっていることをこの本を読んで学びました。また、自然と人が一緒になってものを作ることの大切さについても学ぶ事が出来た一冊でした。

久々に読んで懐かしくなった。
書いていた当時のことを思い出す。
たしか、5時間目の自習のときで課題が、読書感想文だったと思う。
一番薄い本を読んで、すぐ終わらせようと思っていた当時だった。
この読書感想文が佳作を取ったときは驚いた。
人間は意外なところに才能があるものだと、いつもネガティブ思考の自分も少しだけ、ポジティブになれた、日曜日だった。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=13150

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?