見出し画像

本帰国後の素直な気持ち

ドーバルデン!
駐妻カフェ運営メンバー・元ブルガリア在住のチカです。

私は5月に本帰国をしました。
4年弱過ごしたブルガリア・ソフィアから日本・東京に戻ってきて約半年。

改めて振り返ってみると
「あぁ。私、ブルガリアに行ってよかった」
としみじみ思います。

なぜそう思ったのか、
4年弱のブルガリア生活を振り返って、今の気持ち・考えをちょっとまとめてみます。

ブルガリアでの苦労

思い返せば、ブルガリアでの生活は正直苦労の連続でした。

  • 渡航前は、情報がなさすぎて不安で仕方がなかった

  • 渡航直後は、生活の立ち上げに必死で、忙しすぎてフラフラだった

  • 渡航後1年ぐらいは、英語もブルガリア語も分からず、日本人が少なくて孤独だった

  • インターナショナルスクールで心を許せるママ友に出会ったけど、英語が思ったように話せない自分が恥ずかしくて悔しかった

それでも語学に力を注ぎ、
ブルガリアのことを知ろうと努力を重ね、
少しのブルガリア語とある程度の英語が話せるようになった結果、
だんだんと生活が楽しくなりました。

「頑張った甲斐があった!
努力したらその分、報われるのかも!」

……と思った矢先、コロナで生活がガラッと変わりました。

ブルガリアでは、アジア人はマイノリティ。
ただでさえ目立っていた上に、パンデミック以降はより珍しくなり、
ショッピングモールや街中で指をさされたり、クスクスと笑われたりすることが増えました。
幸い、暴力を振るわれることなどはありませんでした。
でも、何となく見下されている感じ。

「私が一体何をしたっていうんだろう。
見知らぬ人に、理由もなく見下される筋合いなんてないのに!!」

そう思いつつ、やっぱりそんな反応をされると傷ついたりもしました。
元気がない時に差別的な態度を取られると

「日本にいたらこんなことないはずなのに…」
「早く帰りたい。」
「日本人が多い国に行きたい。」

と思いました。

友人たちの存在

でも、その時に力になってくれたのはブルガリアで出会った友人たち。

話を聞いて心を痛めてくれたり、一緒に怒ってくれたり。
遊び場でうちの子たちに失礼な態度を取る子がいたら、子どものお友達は
「やめろよ!」
と庇ってくれたりもしました。

日本人が少ない地域だったからこそ、
国境を越えた付き合いができたし、新しい考え方・価値観に触れる機会になりました。
現地で出会った日本人の方との助け合い・支え合いにも感謝しているし、戦友のような感覚です。

帰国前の寂しさ

我が家は駐在家庭ということで、いつかは日本に帰るものだと分かっていました。
分かっていたけれど、改めて帰国の日程が決まった時には涙が……。

住み慣れた日本に帰れるうれしさより、ブルガリアを離れる寂しさの方が大きかったです。
最初はあんなに苦労したし、嫌なこともあったけれど、
それをカバーしても余りあるほどに、ブルガリアを好きになっている自分に気づきました。

4歳・2歳でブルガリアに来た子どもたちが、幼馴染と離れるのがつらいと泣く姿をみるのもつらかったです。
(※帰国直前の忙しさや、メンタルの話はまたいつか書こうと思います。)

日本に帰ってきてすぐの幸せ

帰国前は寂しさと忙しさでいっぱいでしたが、帰国後は日本のよさを実感します。

ご飯が美味しい(口に合う)

言葉が通じる

サービスが丁寧

家族・昔からの友人との再会

道に穴が開いていない(ブルガリアの道路は穴が開いていたりガタガタだったり……)

買い物する時、どこに行けば何があるか分かる

コンビニと100均が便利すぎる

など、挙げはじめたらキリがないほど。
かゆい所にも手が届くサービスや便利さに感激しました。

徐々に感じ始めた違和感

帰国後1ヶ月程度経ち、子どもたちは学校に慣れたころ。
徐々に違和感を感じ始めました。

なんで信号機がない横断歩道で歩行者が待って、車がビュンビュン走ってるんだろう?
(ブルガリアでは歩行者優先が徹底されていた)

子どもだけで街中歩いているけど、大丈夫なのかな?!
(ブルガリアでは14歳以下は原則保護者の同伴が必要)

どうしてこんなに急いでいる人が多くて、忙しい感じがするんだろう?

日本で暮らしていた頃は、当たり前に感じていたことに疑問を持つようになりました。

私の価値観をガラっと変えた海外生活

このように、さまざまな経験の甲斐あって
日本に戻ってからの私は、渡航前の私とは別人のようです。

良くも悪くも、日本人らしい真面目なタイプだった私が、
ちょっとしたアクシデントにへこたれない強い心と、
無理そうに見えることにも向かっていくチャレンジ精神
を手に入れることができました。

ブルガリアでの生活を経て

・大人になってからも勉強することで得られる知識があること
・力になってくれる友人の大切さ
・マイノリティになることのつらさ
・日本のいいところ
・疑問を持ってみる視点

などを身をもって学び、気づくことができたと感じています。

でも、もう一度あの経験をやり直したいかと言われたら、正直悩みます。

「つらかったけど、全部がいい経験でした♪」
……なんて美談にできるほど、軽い苦労ではありませんでした
本気で「今すぐ日本に帰りたい」と思った時期もあったし、つらくて泣いた日もありました。

けれど、この苦労がなかったら大人になった私の価値観をガラッと変えるほどの衝撃はなかっただろうと思います。
なので、つらかったことも学びも友人関係も、全部ひっくるめて今の感想は
「ブルガリアに行ってよかった」
です。

国によって生活事情は違うかもしれませんし、それぞれが固有の経験をされることと思います。
が、経験の中身に違いがあるにせよ、海外生活を通して新たな視点を得た人はたくさんいると思います。
また、気がついていないだけで新しい価値観に生まれ変わっていることもあるでしょう。

海外生活は不安もあるしままならないこともたくさんあるけれど、
視点を変えれば、どんなことでも意味のある経験と捉えることもできるかもしれません。
不安や苦労をどんなチャンスに変えるかは、そこで暮らすあなた次第。

現在海外生活をしている方も、本帰国された方も、
異国での生活が皆さんひとりひとりにとって、何かしらの意味をもたらしてくれることを祈っています。


生き方はひとつではありません。

海外生活は、新しい経験ができる貴重な機会でもあります。

あなたの不安がひとつでも消え、前向きに生活できるよう、駐妻カフェメンバー一同願っています。

一緒に海外生活を楽しみましょう!

この記事が参加している募集

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?