『荒地』を愛でる 8
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Frisch weht der Wind
Der Heimat zu,
Mein Irisch Kind,
Wo weilest du?
"You gave me hyacinths first a year ago;
"They called me the hyacinth girl."
—Yet when we came back, late, from the Hyacinth garden,
Your arms full, and your hair wet, I could not
Speak, and my eyes failed, I was neither
Living nor dead, and I knew nothing,
Looking into the heart of light, the silence.
Od' und leer das Meer.
さわやかに風が吹き抜けてゆく
故郷へ
アイルランドの少女よ 君は
いまどこにいますか?
「一年前 あなたが最初に下さったのはヒヤシンスでしたね
「あのとき以来 ヒヤシンス嬢と呼ばれています」
ヒヤシンス園から ふたりで遅く帰ってきたとき
君は髪を濡らして 両手いっぱいに花を抱いていた 私はなにも
言えなかった 視界はかすんしまって 生きているのか
死んでいるのか なにも分からず ただ静けさのなかで
こころのなかの淡く光る一点を見つめていた
鈍色の空虚な海よ
また、外国語を用いる。
ヨーロッパの文化の厚みを感じさせる。
ago、girl、gardenと「G」で押韻しているのだろう。
neither、nothing、で押韻しているのだろう。
came、armsあたりもたぶんそうだろう。
日本文化にも共通するだろうが、雨や朝露には
やはり性愛を感じざるを得ない。
私とヒヤシンス嬢の間の関係性は
よろしいものではない気がする。
最後も外国語で書かれている。
私は個人的に村上春樹の性描写は好きな方である。
あのどうでもよさそうに仕方なくそうなった感を出すのは
文章を書く人なら難しいのが分かるはずだ。
あまりに現実的でないからかえって
小説のリアル(写実的という意味ではない)を
書いているように思う。
エリオットはもっと直接的に表現している箇所がある。
『荒地』「火の説教」。
明日にはきっといい報告ができるので
明日もよろしく。
短歌やろー
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