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現代長歌

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「現代長歌」
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2024年2月の記事一覧

覆された神論

画家でなく詩人であって少しこころが弱くてよかった タクシーを止める

陰謀説ならどれだけよかったか ありのままの自分を殺す年月をおもう

祈られるのがむずがゆくてあくびする 俺にはそんな価値すらもない

きっと幾つもの連絡と意向と独断と哀れみ 死ぬには易しと理由を並べる

死の谷のホームは閉ざされたぶん地上では自己肯定している

いいワイン開けてもいいか? ほらそうだ、地上に上る前だってのに

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ミドルバース

 このブログの読者は、かつて、ブログ主が、「ミドルバース」と言っていたことを覚えているだろうか。
 未来二月号「吠える」は、そのミドルバース宣言を作品化したものである。
 改めて、ミドルバースとは何か。と言えば、
 言葉遣いはライトバースのように軽いが、過去の作品を引用することで意味上の重さを出すことを意味していた。
 それで、だ。

 「吠える」の解説をしなければならない。
 まず、すぐ分かると

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