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フル電動自転車を運転するとき・・・・走行するための条件は?

前回は、「電動自転車」や「フル電動自転車」、「電動アシスト自転車」という名称は使っていても、いわゆる電動バイクに該当する製品が多いこと、WEBで販売されている製品については海外製が多く、日本の規格にあわない製品が多く、「原付」など運転免許を必要とする製品が多いことなどについて記載しました。

今回は、電動自転車やフル電動自転車といわれる製品を、公道(いわゆる道路)で運転することができるのか、また、その場合にどのような条件があるのかなどについて説明しますね。


|フル電動自転車が道路を走るための条件は?

さっそくですが、フル電動自転車等を公道(いわゆる「道路上」)で運転する場合の要件について書くと、次のような点を考慮しないとダメです。

①ナンバーをつける
一般的には市区町村に届け出をしてナンバーの交付を受けることになる。
その際には、販売証明書などにより、電動出力などが明示されている必要がある。

②強制保険(自賠責保険など)に加入する
原付バイクなどと同様であるので、強制保険に加入しなければならない。
強制保険とは、「自動車損害賠償保険」や「自動車共済保険(農協系が取り扱う)」といわれるもの。
できれば万が一の事故のことを考え任意保険にも加入する方がよい。

③保安基準に適合した装置が備わっていること
車両にはヘッドライト、ウィンカー等の構造及び装置について、道路運送車両の保安基準に適合していること。
日本の基準に適合しない商品は使えない!

④点検整備する
原付などと同様、ブレーキハンドルなどの装置の点検整備を行うこと。

⑤性能等に応じた運転免許を保有する
運転免許の必要性等は前回記載したとおり

少なくとも、上記の要件を満たす必要があります。
これを怠って運転すると、道路交通法などの法律に違反することになり、刑罰が科せられる可能性があります。https://neonavi.info/10991/

また、上記の条件を満たした上で、実際に運転する場合には、

○運転免許証を携帯する
運転免許保有者の当然の義務です。

○ヘルメットを着用する
原付以上の車両になるのでヘルメット着用義務があります。

○通行方法は原付等のルールに従う
電動の電源スイッチをオフにして自転車のように人力で走る場合でも、やはり「原付」等になることから、当然ですが、歩道や自転車専用道路などを通行できないので降りて手押しで移動する必要があります。
このことを間違わないようにしましょう。

|フル電動自転車を改造して日本の基準に適合させることができるか?

日本の基準に合わせるための車両の改造は極めて厳しいです。
この種は海外製品が多いことから部品の入手が難しく,改造しても車両の保安基準に適合しないことが多いです

|万が一の交通事故、発生させたらどうなる?

一般の交通事故と同様の扱いになります。
もちろん免許を保有し、強制保険に加入するなど、適切に車両の基準を満たして使用していればということが前提。

でも、これまで書いたように、運転免許を保有していない、強制保険に未加入、保安基準に適合しない製品などの場合には、交通事故の発生の有無にかかわらず道路交通法等の違反になりますし、万が一の事故などの場合にはとても大きなリスクを負うことになります。

|いわゆる「フル電動自転車」といわれる製品を使用中の検挙事例


①飲酒運転及び自賠責法違反などで検挙された例
飲食店経営の30代の男性が、「フル電動自転車」にナンバープレートや方向指示器をつけずに運転中に警察官から職務質問を受けたところ、自賠責保険に未加入だったほか、呼気からアルコールが検出された。
運転免許は所持していたが、警察は「自動車損害賠償保障法違反と道路交通法違反」の疑いで検挙(検察庁に「書類送致」)。出典:NHKニュース

無免許で運転中に交通事故を起こし逃げたひき逃げ事件の事例
K(26歳)がフル電動自転車を無免許で運転中に事故を起こし女性を負傷させた。
無免許であったことから自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致傷)の疑いでKは逮捕。
また、事故直後、無免許の発覚を隠すためにこのフル電動自転車を現場から持ち去って隠したとして、証拠隠滅の疑いで、同僚のY(22)も逮捕。出典:産経ニュース
本件は、無免許運転だったため、通常の人身事故より刑罰の重い無免許運転過失致死傷の罪に問われた事例。

③モベットを無免許で運転して事故を起こした事例
東京都新宿区の主要幹線道路をペダル付き原付、いわゆる「モペット」を運転中の男性が、信号のある交差点で自転車と衝突する事故。
当時男性は「無免許」、「信号無視」であったことから「危険運転致傷罪」の容疑で書類送致された。出典:読売ニュース

以上のようにフル電動自転車等は一定の要件を具備しないと公道(道路上)を運転することができないのだ。

|フル電動自転車はオフロードで使用可能

フル電動自転車は公道を走行することはできないが、オフロードや私有地内で使用することは可能です。
一般道路以外の場所では使用することがができます。|

フル電動自転車などを購入する前に、
なんのために使用したいのかをよく考えて、適切な商品を購入するようにしましょう。

運転免許不要で使用する場合には、
 電動アシスト自転車、特定原付
という区分の商品を選ぶと良いでしょう。

性能基準に適合している電動アシスト自転車や特定原付選ぶためには
○ 電動アシスト自転車は、TSマーク「黒色」の「型式認定番号標」
の貼付された製品を選ぶことです。 

(筆者撮影)

○ 特定原付は、「性能等確認済」シール又は「型式認定番号標」
の貼付されている製品を選ぶことです。

(筆者加工、国土交通省HP参照)

これらの表示は公的機関の性能審査を受け基準に適合した製品であることを示しています。

また、運転免許を保有していて電動力を使用したバイク(一般原付や二輪車)が欲しいのであれば、車両の保安基準に適合していることを示す
 「型式認定番号標」の貼付された製品
を購入することでリスクを回避できます。

(筆者撮影)

価格が安いからとか、三タイプの使い方ができるからなどと安易にWebで購入すると結果として大きなリスクを負う場合があります。

|おわりに

以上、フル電動自転車や電動自転車などといわれているタイプの製品について、法的な観点から説明しました。
これまでにも現に逮捕されたり、無免許運転や自賠責法違反として検挙、送致されている例がありますので、誤りのないようにしてください。

メルカリなどをみてみると結構いい加減な表現をして、安価に販売しているが、運転免許が必要なものが多いですね。
そもそも出品者が理解していないのかもしれません。

購入してしますとリスクが大きいですよ。
ルールの無知は免責にならず、本人の責任です。
販売業者は責任を持ちません。

161027kouhyou_1.pdf (caa.go.jp)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161027kouhyou_1.pdf

<追加>

自転車の区分で使える「普通自転車」、「電動アシスト自転車」を使用する場合には自転車保険に加入ヘルメットを着用を!
違法な電動アシスト自転車を使用して

https://www.jtsa.or.jp/

電動バイクに該当する製品の場合には、ナンバーの取得と強制保険(自賠責保険等)に加入る義務がある。
交通事故の際には、自賠責保険等の強制保険などで賠償することが可能になるので加入していないと大きなリスクを背負うことになる。


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