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トンネル走行は細心の注意が必要

山間部の道路には長いトンネルが多い。
山を貫く高速道路などではトンネルが連続しており、トンネルの走行は危険が伴う。
そこで、トンネルを安全に走行するための留意点を、トンネル接近時・進入時、トンネル内、出口付近に分けてまとめてみました。


|トンネル走行時の心理

トンネルを走行する運転者は
・トンネル内は暗いうえに壁に閉ざされて圧迫感がある。
・他の車線を走行する車両との間隔が読みにくい。
・トンネルの出入り口付近ではハンドルがとられやすく、また天候の影響を受けやすい。
などから、トンネル走行に対して苦手意識を持つドライバーも多いという。

トンネルという閉鎖された環境が、運転者の目、耳、内心などに少なからず影響するようだ。

これらが影響するのかトンネル内やトンネルの出入口付近での事故は重大事故につながる危険性が高いといわれている。

|トンネルに接近時、進入時の注意点

トンネルの出入口付近は渋滞しやすく、現に渋滞が発生していることがある。
トンネルの出入り口付近では明暗状況や路面状況などの交通環境の変化に起因してブレーキをかけたり減速したりする傾向があることも影響しているのかもしれない。

前方にトンネルが見えてきたら、入口付近の交通状況をよく確認することが重要だ。
万一、渋滞が発生している場合には、早目にハザードランプをつけて後続車に自車が減速することや、停止することを伝えるとともに、早めにブレーキ操作を行い、ゆっくり減速して停止するとよい。

|トンネル入口の信号機や情報板などを確認

トンネル入り口に信号機や情報板が設置されているところでは、必ずそれを確認し、赤信号や進入禁止の表示されているときには絶対にトンネルに進入しないこと。

イメージ:トンネル入り口 (筆者撮影)

また、トンネル内の工事や故障車両のために車線規制などが行われていることもある。

したがって、トンネルに入る前に、トンネルに係る信号、情報板や標識、看板などにも注意力を傾注し、これらを見落とすことないようにし、表示内容に適切に対応することが肝要だ。

イメージ:トンネル内工事規制 (筆者撮影)

|トンネル進入時にヘッドライトを点灯

暗いトンネル内は危険の発見が遅れやすい。そのため道路交通法施行令第19条では、トンネルの中を走行するときは、昼間でもヘッドライトを点灯しなければならないことを定めている。

トンネルに進入するときは、必ずヘッドライトを点灯して視界の確保に努めることが大切だ。

|トンネル進入時の視力の低下に注意

昼間にトンネルに入ると、トンネル内外の明るさの差により、トンネル内の暗さに目が慣れず、しばらく周囲がよ<見えなくなることがある。これを「暗順応」という。

交通の教則」においても、「高速でトンネルに入ると、視力が急激に低下するので、あらかじめ手前で速度を落とし十分注意して運転しましょう」と注意を呼び掛けている。

トンネルに進入するときは、手前で速度を落とすとともに、前を走行する車の急な減速も予測して車間距離を長めにとることも安全のためには大切なことである。

イメージ:暗順応 筆者撮影

|トンネル内走行時の注意点

車線内の走行位置、車線に注意すること。
トンネル内は壁が近接しているため、道路幅員が同じであっても車線が狭く感じたり、圧迫感を感じることから無意識のうちに壁から離れようとする心理が働くという。

車両通行帯が2つ以上あるトンネルの場合、走行車線側の車は右に、追越車線側(最右側)の車は左に寄りがちに、並進している場合は車両同士の間隔が狭く感じるという。

また、片側1車線の対面通行のトンネルでは、自車も対向車もセンターラインに寄りがちになるともいわれている。
そのため、カーブしているトンネルでは車線をはみ出すおそれが指摘されている。

ドアミラーを活用するなどして車線内の走行位置がずれていないか確認しながら走行するとよい。
また、隣接車線の車との並進はできるだけ避けることが望ましい。

|トンネル内は追い越し禁止

トンネル内は法定の追い越し禁止である。
車両通行帯がない片側1車線のトンネルではもちろんだが、複数車線のある道路(車両通行帯があるトンネル)でも追い越しは禁止である。

ただし進路変更することなく、トンネル内の車線をキープしたまま走行し追い抜く行為は禁止されていない。
しかし、追越しや進路変更はハンドル操作ミスを招くおそれがあるなど大きな危険要素を含んでいるので避けるべきだ。

トンネル内・追越禁止・進路変更禁止規制(筆者撮影)

|トンネル出口付近の注意点

昼間に暗いトンネルから出ると、明る過ぎて目の調整が追い付かずまぶしくてよく見えないことがある。
また、前を走る車が白っぽい色の場合、出口の明るさに溶け込んで消えたように見えたりもする。
これを「明順応」というが、そのようなとき、あわててブレーキを踏んだりするのは危険なのだ。

イメージ:トンネル出口(明順応)(筆者撮影)

しばらくすれば回復して見えるようになるので、落ち着いて運転することだ。

まずはアクセルから足を離し、ハンドルをしっかり握り前方に対する注意力を保つ、必要によりポンピングをして後続車に知らせることも必要だ。
なお、暗順応の場合は、明順応に比べて順応する時間がかかるので特に注意が必要だ。

イメージ:トンネル出口(明順応)(筆者撮影)

|トンネル出口の天候やその先の道路形状に注意

日本は山間部を通る高速道路等が多く、山間部などの長いトンネルでは、入口と出口で天候や路面状況が変わることがある。

入口では晴れていても出口では大雨や雪というケ-スなども。
そのため、トンネル内の路面は乾燥していても出口付近では湿潤や凍結していたりすることもある。

また、トンネルの出口は横風を受けやすい場所でもあるのだ。横風注意の看板などが掲出されているので見落とさないことだ。

さらに、出口の先の道路が急カーブになっていたり、急な下り坂になっていることもある。
トンネルの出口に近づくと、早く出たい心理から速度を上げる傾向があるが、出口付近での加速は危険。

天候やその先の道路形状を見極め、状況に応じて速度を落とす、ハンドルをしっかり握るなどの慎重な運転を心がけましょう。

イメージ:トンネル出口(筆者撮影)

|まとめ

トンネルを走行する際には、速度に注意、周りの車両に注意、そして出入り口の交通環境に注意することが求められる。

自分の走行位置をしっかり保ちながら進路変更や追い越し等の行為を避け、安全に走行しましょう。


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