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筋力トレーニングの持久力に対する効果①

おはこんばんにちは、NKDです!

私は今日、登別の地獄谷へドライブに行ってきました🚗

もう気温はかなり低く、紅葉もギリギリ持ち堪えていましたが、全て散る日も目前といった様でした🍂

さて、今回は文献についてまとめた記事の第一弾です!!!

僕の記事のモットーは"柔らかく"なので、堅苦しい文はなるべく避け、噛み砕いた表現で述べていきたいと思います。

※結論だけ気になる方は"4 結論"に飛んじゃっても良いと思います!(でもその後読み返したくなるはずです!笑)

今回の文献について

まずタイトルは、

「長時間サイクリング中の生理学的および筋力パラメータに及ぼす持久力および筋力トレーニングの効果」

です🚴‍♂️

これは2010年に、フランスにあるNational Institute of the Sport and Physical Education (INSEP)という行政法人の研究室が投稿した論文です。自身の研究等に先行研究を活かした経験がある人は"2010年は古いのでは?"と思うかもしれません。僕もそう思いましたが、この手の研究は似た様な内容でもそれぞれ着眼点が異なり、一概に古いからダメだとは言い切れないんですよね。この事についても、いつか記事にしようかな。

1 研究背景

さて、自転車競技や陸上等の持久系種目に取り組んでいれば、一度は耳にしたことのある以下の説。

筋トレ、持久力向上に寄与する説。

今回は、これの答えの1つを提唱する論文です。今までも、そして今でもこの答えを追求するための実験が世界中で行われています。今回はその中でも、"十分なトレーニング経験を持つものを対象に"をコンセプトとしたものです。

2 実験方法

今回の対象者は、トレーニング歴約8年で普段は週14〜20h練習に費やしているトライアスリート14名です。

※平均年齢30歳なのに練習量多くて尊敬・・・笑

まず、この14名を7名ずつの以下の二つのグループに分けました。

①E群: 大体SST強度のトレーニングプログラムを週11時間、5週間行う。
②ES群: 先述したプログラムに加え、【レッグエクステンション・レッグプレス・レッグカールを最大挙上重量の90%で3〜5回×5セット】というトレーニングを週3回行う。これを5週間続ける。

週3全部下肢のメニューって、なかなかキツそうですね😇

で、この5週間のプログラムの前後に(1)14名のVO2max等のペダリングパワーと(2)最大挙上量等の筋力という二つの要素についてデータを取りました。また、三つ目の要素として(3)2時間一定出力走((1)の結果から各々に目標値が課されている)のデータを取りました。

3 結果および考察

3-1 VO2max等のペダリングパワーに関する比較(値は平均値)

ずばり言うと、二つのグループに統計学的な差は見られなかった様です。ちなみに、そのデータの一部は以下の通りです。

(PmaxとはMAP値のことです、VO2maxやFTPがこの値から換算できます。余談ですが僕が2年前に測った時は405wでした、この人たちより体重軽かったとは言え絶対値は完敗ですね笑)

ところで、あれ???って思った人いませんか?

そうです、ES群ではVO2maxとPmaxが増加しており、この変化はE群では見られません。

いくら平均値で、かつ統計学的な差がなかったとは言え、被験者数が多くなればもしかしたら有意な差を生むかもしれませんね。

あくまでこの論文では、この差については考慮しませんでした。

3-2 最大強度に関する比較

筋力の変化はどうなったんじゃい?って話です。

筋電位等の数値だとイメージが湧きにくいと思うので、結果の例をあげると、以下の通りです。

ES群: 5週間のトレーニング後に1RMレッグプレスの最大強度が有意に向上した(+6.6 ± 3.9%)
E群: トレーニング期間後に最大強度が有意に低下した(4.1 ± 3.0%)

なんとなく、筋トレを行ったES群が筋力向上するといった結果はイメージできますよね。問題はもう一方。

なんと持久力トレーニングしか行わなかったE群では、たった5週間で有意に筋力が低下していたのです。

私的には、この結果が一番驚きました。今回の実験では、この筋力の低下に伴うペダリングパワーの減少は見られませんでした。しかし、これがより長い期間になると、影響が出ないとは言い切れませんよね。

もちろん自転車競技を行うみなさんはSST強度の他に、HIITやスプリントトレーニングを行うと思います。なので、"シーズン中に筋トレしなければ絶対筋力が下がる"と言う話ではありません👍

距離を淡々と乗り込む時期等に、筋力維持・向上のためのスパイスとして筋トレを組み込むと、アタックやスプリントのキレの落ちが防げるかもしれませんね💪

3-3 長時間サイクリングにおけるケイデンスの比較

今回、被験者には各々の実力に合わせた出力基準値を設け、一定出力のまま2時間エルゴメーターを漕いでもらいました。

僕はこの実験絶対やりたくないです😆笑

あくまで理論上は一定のケイデンスを保つのがエネルギー効率において優れています。しかし、先行研究では30分以上一定出力を保つ際には、時間の経過に伴うケイデンス減少が起こることがわかっています。

長時間サイクリングを行ったことがある人なら、実感したことあるかもしれませんね。

本研究においても、E群・ES群共に時間経過に伴うケイデンスの減少が確認されましたが、大きな違いがありました。

ES群では、中盤以降のケイデンス減少が抑制され、ケイデンスが安定したのです。

著者は、この2hサイクリングの前後に筋力測定を行っており、筋力の減少がES群で有意に少なかったことが関連していると述べています。また、ケイデンスの安定化と筋力低下の抑制はワーク時間が長くなればなるほど、パフォーマンスの違いを生む可能性が高いと考えられます。

4 結論

はい、では結局筋トレって(ロードのための)持久力に寄与すんの?筋トレすべきなの?って話ですよね。

端的に言います。

筋トレはするべきです。

なぜなら、筋トレによる持久力へのネガテイブな結果がほぼないからです。やって損のないものをやらない理由があるでしょうか。もし、時間が割けない、筋トレの環境がない方々には筋力の維持するためのメニューを、自転車の上で行いましょう(例: スプリント練)。

筋トレの懸念材料をあげるのであれば、体重の増加でしょうか。これはトレーニングの時期・量・メニューでコントロールできます。そちらにフォーカスした文献についてはまた別の記事で書こうと思います。

〜今後の予定〜

いかがでしたでしょうか?

ためになった人が一人でもいたら本当に嬉しいのですが・・・。笑

こんな感じのボリュームで、週1〜2回投稿したいと思います!

感想や意見等があれば、コメントしていただけると幸いです😋
あと、もしためになったという方はスキ(いいね的なやつ)くれるとモチベが爆上がりするのでお願いします😭

ではまた次回〜💪

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