見出し画像

自転車メッセVelo Frankfurtレポート(1日目/出展者編)

Velokonzept社がオーガナイズする自転車メッセ、ヴェロ・シリーズ。今年は4月のベルリン、5月のハンブルク、そして6月のフランクフルトと、予定の延期キャンセルもなくコロナ禍以前のスケジュールで無事開催。フランクフルトの会場は市内東部の氷上競技場。うちから5キロと最も近い自転車メッセに行かない理由はなかったが、コロナに感染してしまった自転車仲間の代打として出展者パスを授かり体験した2日間の内容をレポートしたい。

10時の開場前に無事カーゴバイクと到着
緑の出展者バンドとカーゴバイクにはオレンジバンドを巻いてもらい、いざスタンドへ
設営完了した交通系環境団体ドイツ交通クラブ(VCD)のヘッセン支部スタンド
乗ってきた手前の一台ともう一台を含めた無料カーゴバイクシェアシステムをVCDは運営

持続可能なモビリティ関連の市民活動をしたくてドイツに移住した私にとって、世界最大の自転車利用者のための組織であるドイツ自転車クラブ(ADFC)や、交通をヒト中心に取り戻し気候環境負荷の低いモビリティ転換を訴えるドイツ交通クラブ(VCD)の活動は親和性が高い(両NGOの会員です)。ネイティブかつコミュニケーション力の超高い元々来る予定だった人には劣るが、VCDスタンドでの1日目8時間の私の務めは、州民請求「交通シフト・ヘッセン」の署名集めとその署名活動のフィナーレとなる自転車デモの宣伝が主である。これを1日につき数人で数千人の来場者に対して行おうという格好だ。ちなみに真横ではフランクフルト市の自転車事務所ができたてほやほやの新版自転車マップを配り、そのさらに横ではADFCフランクフルト支部が同じく署名活動をし、その前は署名提出先であるヘッセン州の近距離モビリティ計画2030のスタンドという、自転車・モビリティ政策系の一角にVCDスタンドは位置している。

「交通シフト・ヘッセン」は徒歩、自転車、公共交通を優先した交通政策の州法整備を目指す
VCDやADFC、グリーンピースなど #交通シフト に重きを置く団体がいうならば母体
今年は「gesund leben(健康に暮らす)」という別メッセとの2本仕立て
講演イベントなども開催

自転車と健康いうライフスタイルが目当ての来場者相手の署名活動は当然しやすい。会場前でも署名集めをしている人がいるので「もう(署名)した」という返事に、8月28日の自転車デモについては「もう聞いた」と、こちらが配ろうとするフライヤーを逆に見せてくれるやり取りも少なくなかった。スタンド付近に来た人に声をかけ、ヘッセン州在住であれば皆署名してくれるという状態は、公園などで無作為に声を掛ける場合と全く異なる。カーゴバイクが引き寄せてくれる人には、まず無料カーゴバイクシステム「Main-Lastenrad」を紹介し「ところでもう署名した?」と机のほうに誘導することをくり返した。宣伝を始めてまもない8月28日の自転車デモはまだ詳細は確定していないが、どの州でもできないことが計画されている。ドイツ各地でアウトバーンをルートに含めた巨大な自転車デモに参加してきた私もちょっとビビってしまう内容である。絶賛ラストスパート中の署名集め隊、そして州都ヴィースバーデンで州交通大臣に1年かけて集めた署名を渡す自転車デモのオーガナイズ班の士気は高い。

スタンドにいると他のスタンドから配布用のフライヤーを分けてもらったり、接点のあるビジターからフライヤーをもらって会話ができるのがおもしろかった。訊かなくても情報が手に入るというのは出展者特典だなと。

歩行者交通、自転車交通を妨げる位置での乗り捨てが深刻なシェア型電動キックボード
視覚障害者団体が喚起のためにわざわざ作成した吊り下げ型のフライヤーはすぐになくなった
参加する自転車住民請求のSNSアカウントでシェアすると「1週間で50枚は必要」との反応も
オランダメーカーUrban Arrowはフランクフルト都市圏で見るカーゴバイクでシェアNo.1では?
同社Familyモデルに特化したラッピングをデザインする会社の人は他社仕様に興味津々だった

もちろん休憩したり他のスタンドの様子を見に行ったりもするのだが、非日常な立ちっぱなしは疲れた。最後1時間くらいは疲れのせいで会話がガタついてしまったが、それまでは自分ができることはできたと思う。来場者に対してはもう使い物ならないと気付いた後はヘッセン州のスタンドに行き、ぼやけた頭でゲームをして靴下をもらい色々お話しできたのもよかった。出展者という立場でメッセで人とコミュニケーションするというのは初めてだったが、ビジターとは別スイッチが入り、なかなか心地のよいものだった。2日目ビジター編に続きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?