自分が見た事が無いものを作り、市場に問いを立て続ける
こんばんは。
2022年2月にMNTSQの1人目のフロントエンドエンジニアとして入社しました、安積(あづみ)です。
今まで色々やってきてどんな経緯でMNTSQ社にjoinすることになったのか、入社エントリの形で書いてみることにします。
これまでをざっくり
エンジニアになる前
エンジニアとしてこの業界に入る前は、アルバイトで食いつなぎながらギターを弾いてました。
音楽学校では割ときっちり音楽理論の勉強してたり、バンドコンテストでの優勝経験とかデビュー話とか、スタジオミュージシャンとして参加したアルバムが数枚メジャーで流通してたりして、割と本気でギターで飯を食おうと思ってました。
その後、大きな勘違いに気がついてお箸でご飯を食べる事にしたのですが。
今でも都内ライブハウスで、即興演奏のセッションを中心に月に数回演奏してます。
色んな方々との出逢いがあり、今のこの感じがとても気に入ってます。
IT業界に入ってからは
DTMで仕事をすることを目的にPCを持つようになったのですが、画像切り抜きとか簡単なコーディング等のお手伝いのアルバイトも結構ある中、きっかけはバンド仲間の「今度独立するんだけど手伝ってくれない?」というお誘いでした。
いわゆるHTMLのコーダーから始まり、ActionScript(FLASH), perl, Java, php, python, C#, と様々な経験を積む機会を頂けました。
1人で何もかもしなければならない事も多く、この中でサーバー構築とWebFrontEndの実績を積む事も出来ました。
周りに質問できる人があまりいなかった事から頻繁にエンジニアの勉強会に顔を出すようになり、特にphpとJavaScript、ブラウザ周りの勉強会では様々な出会いがあり、今でも自分の土台を作ったと思っています。
# MTNSQ社に興味を持って頂きつつ、エンジニアでない方は以下ブロックは読み飛ばしてOKです。
# 1行に要約するとフロントエンジニアとしても色々紆余曲折あったという話です。
今更ながら振り返ると色々やってきましたがそれぞれ同時に、というよりかはロールの変化に応じて順に取り組んできた感じです。
どれも始めてみると当然の様に奥行きがあって、面白いものが見つかっちゃうんですよね。
AWSを使い出す前には会社の開発環境向けに、自前でXenやVMwareでの仮想環境構築みたいなのもやっています。
後述しますがその後、ネイティブアプリのPjM、アナリティクスの経験も積む事が出来て結果的には
フルスタックエンジニア+アナリティクス&行動解析
みたいなスキルセットになっています。
この経験の中で、インフラ、データベース、サーバーサイドアプリケーション、ネットワーク、アプリやブラウザといった区切りよりも、データベースからブラウザやPOSレジまで含む全体を「一つのシステム」として捉える様になりました。
今までの経歴を振り返ると
境界線について独り言
さて、こうして全体を一つのシステムとして捉えた上で、その中には様々な「境界線」が存在します。
データベースのテーブルとテーブル
DBサーバーとAppサーバー
アプリケーションのロジックとプレゼンテーション
サービスとユーザー
サーバーとネットワークとブラウザ
ネイティブアプリとWebアプリ
その後視座が高くなった後には、
課題と解決法
デザイナーとエンジニア
エンジニアリングとマーケティング
ビジネスとシステム
クライアントと自社
サービスと法律、または国
国と国
工数と、サービスがもたらす価値
取り組むべき課題はこれらの境界線の上で生まれる事が多いと感じるようになりました。
また、価値が生まれるのもこの境界線上での事が多いのではないかと思っています。
業務の中でそれぞれの境界線上に立ち、エンジニアリングに携わる立場から選択肢を持ってそれぞれの言葉で話せるようになりたい、そうする事で境界線を跨いだチームプレイを実現出来れば、と思うようになりました。
あぁ、全然「ざっくり」ではないですね。長い。
MNTSQに入るまで
MNTSQに入る2社前から書きます。
2社前
2012年から7年間、ロケーションバリュー(現在は株式会社DearOne 、以下LV社)という会社に所属していました。
当初はバックエンドエンジニアとして、その後フロントエンドエンジニア、プロジェクトマネージャーと経験を積む事が出来ました。
入社当時のLV社の社員数は十数名、バックエンド担当としてはCTOとPMを除くと4人目の正社員のエンジニアだったと記憶しています。
入社後間もなく多数の店舗を展開する大企業向けにBtoBtoCのアプリを提供するModuleAppsというサービスを始めて、私もその第一号アプリから関わる事が出来ました。
LV社に入社後しばらくして、自分の中で「エンジニアとして営業活動をエンパワーできるようになろう」と考え、営業メンバーとの関係値から幾多の顧客対面の場に連れ出して頂けた事にも感謝しています。
この会社のサービスは必ず世の中を席巻する、と本気で思っていて、O2OからOMOという流れの中で大きく成長し、退職時には社員数も何倍かに、退職時までの累計DL数は3000万以上、ひょっとすると皆さんお持ちのスマートフォンでも私の書いたコードが動いているかも知れません。
今でもカフェチェーン店のレジ等で自分が設計したアプリが使われているのを目にすると、あの時あのメンバーと頑張れて良かったなぁ、と思います。
LV社はアプリを通じてマーケティング活動を行うプラットフォーマーという顔も持っていて、大量のアナリティクスのデータをエンジニアも見る事が出来ました。
タスクの合間に見るデータの海の中で次々と問いが自分の中で湧き上がり、潜れば何か見つかる、あのワクワクする感じからデータ解析にも手を出す様になりました。
本当にあんな経験が出来る会社はなかなか無い、と今でも思っています。
その後LV社は行動解析ソリューション、Amplitudeの日本代理店になった事からアクセス解析から行動解析へのパラダイムシフトも濃厚なトレーニングプログラムの中で学ぶことが出来ました。
それまでのアナリティクスツールの結果は「ページ」や「機能」を主語にした言葉で語られる事が多かったのに対して、行動解析は「利用者」が主語になると思っています。
Amplitudeのコンソールの操作は、自分で立てた問いと仮説からグラフや表を組み立てて仮説検証をする様になっていて、(有料機能はそこもすっ飛ばしていきなり答えが出るのですが )その中で「利用者の顔が見えるみたいだ!」と思った時の興奮は今でも忘れられません。
1社前
またコードを書きたいという気持ちからLV社を離れて、受託開発をしながら自社サービスを立ち上げている会社に移り、実際にバックエンドとフロントエンドのチームリーダーをしながら現場でコードを書き「あれ?自分まだコード書けるんじゃ?」という発見があり、加えてそれまで経験からの分析力を評価していただけて、暫くはtoCのアプリサービスでのAppsFlyer、FirebaseAnalytics、Googleデータポータルを駆使した分析に没頭する時間も得られました。
エンジニアとしてはかなり大事にして頂いていたと思ってるのですが幾つかの理由でずっとそのままそこで働き続けるというイメージを持てず。
平たく言葉にすると、「作る事での労力の対価をいただく」のでなく、「作ったもので届けられる価値の対価をいただく」方向を望んでいて、例えばサービスインは事業会社にとってはスタートラインなのに対して、開発会社としてはその後の検収完了が一つのゴールになってしまいかねないところとか。
運用を受託したとしても自分事として改善していくというのはクライアントとの関係性次第で不可能ではないものの、時には言いづらいこともあったりして。
コードを書こうと再び受託を含む開発の現場に戻ってみると、舵を切る根拠となる価値観のようなものが相当違っており、しかも利益を追求する企業としてはどちらにも理があると思ったわけです。
そんな気持ちを文章に起こし、本当にボトルメールを流す様な気持ちで転職サイト上にレジュメとしてupしました。
私から求人に応募してアプローチをする事はせずに気長に連絡を待つ事にしていたのですが、ここでも多数の反応を頂き様々な経営者の方とお話しさせて頂く機会を得ました。
ボトルメールを読んでくださった企業様の中でも、自分の思いを形に出来そうだと感じたMNTSQにジョインする事にしました。
何故MNTSQに入りたいと思ったのか
以前から私は「自分自身が見た事がないものをつくる」という事を目標にしています。
そして、継続する為に「市場に問いを立て続ける」事が重要である、と考えています。
そんな中、何故MNTSQか、というと
事業会社であること
技術力そのものがサービスの価値を左右するテックカンパニーである所
そしてその事業の影響範囲が計り知れない所
等あるのですが代表の板谷弁護士の熱量にヤラれてしまったというのも大きいです。
この会社はまだ誰も解を出していない領域でイノベーションを起こしつつあって、過去のイノベーションを紐解いても参考にできる話はそれほど無いと思います。
「イノベーションには再現性が無い」、という言葉をご存知の方もいらっしゃるかと思います。
では何が必要かと言えばそれはやはり情熱だと思っていて、MNTSQの採用面接の中でその情熱を、今までにない熱量で強く感じた事が決め手でした。
オファーレターには「まだ答えがない」事をやろうとしている旨書かれており、それは「見たことがないものを作りたい」という自分の気持とフィットするとも感じました。
(実はもう一つあるのですがそれは後述します)
引き続き分析に取り組みたいという気持ちもあったのですが、MNTSQが挑んでいるのはエンタープライズSaaSで、toCサービスとは異なりクローズドなサービスである事からアクセス数はtoCサービスに比べると少なく、アナリティクスに必要なデータの量、という観点ではハードルの高さがあります。
しかし、アクセス数が必要な理由は解析の主語がサービス側である事に因るのでは、と思っています。
この解析の主語をサービス側から利用者側に置き換える事で、クローズドなサービスでも定量的に評価して改善していけるのでは?という仮説を持っています。
自分だったらフロントエンドの開発をしながらこの仮説検証が出来るかも、というのもMNTSQを志した大きな理由となっています。
フルスタックエンジニアという言葉について
上で自分の事を「フルスタックエンジニア」と書きました。
この言葉、自分で書いておいてこんな事を言うのもどうかと思いますがあまり良い言葉ではない、と思っています。
何故なら、所謂「フルスタックエンジニア」を探している企業は、個々の技術的要素の難易度、市場価値、採用する理由等は深堀りせず、技術マネージメントをするつもりを感じられない事も少なくなく、結果として自分の技術力の向上と価値の向上をリンクさせる事が難しいかも、と感じているからなのです。
一人目のフロントエンドエンジニアという枠で、複数の領域に跨った経験を持ったエンジニアを求めているという説明も私の背中を押しました。
面接はどうだったか
さて、面接の話をします。
面接の時、経営者とお話出来る時には必ず
「御社のエンジニアの良い所を教えて下さい」
という質問をしています。
この質問、もちろん言葉通りに現場の方の雰囲気と自分がフィット出来るか、という意図からなのですが実はもう少し奥行きがあります。
この問いに対する答えは、
「どんなエンジニアが評価される組織なのか」という問いへの答えとほぼ一致すると思っています。
経営者が普段、開発の現場とどの様なコミュニケーションを取っているかも透けて見えます。
今まであちこちでこの質問をしてきたのですが答えは本当に様々でした。
「エンジニアと言っても色々な人がいますからねぇ」とか
「勉強熱心な所です」とかは良くありました。
会話の中で自社のエンジニアについてポジティブな話を続けられず、愚痴を聞く事も少なくありませんでした。
「ありません。それが今あなたと話している理由です」と言い切った方もいらっしゃって、それはそれで興味を持つ事さえありました。
実はこの質問に対する答えには正解に近いものがあると思っています。
そして答えるのが難しいのは、まず組織の課題に向き合い、採用に際しての適切なハードル設定ができていて、これまでの採用活動の中で成果が上がっており、なおかつ入社した方々が定着した上で文化の醸成に成功していないと答えられないからなのではないかと思っています。
LV社の面接でも、MNTSQの面接でも、この質問をさせて頂いています。
MNTSQの技術担当の安野取締役が少し考えて返して下さった答えは、10年前にLV社の当時の営業担当の常務、後に社長になった方が「これは自信を持って言えます」と前置いて返して下さった答えと全く同じものだったのです。
自分はこの会社に入らなければならない、と思ったのは実はこの技術面談の時です。
答えはここには書かない事にします。
カジュアル面談でお話できれば。
入社してどうか
早いもので入社して1ヶ月半が経ちました。
MNSTQ以前の環境でストレスに感じていた事柄はMNSTQではほぼ無いのですが、自分が望んだ環境が実現すると実はこんなに大変なのか、というのが本音です。
採用試験の中で「このハードルを超えた人達が集まっているなら、きっと凄いだろう」とは思っていたのですが、今までエンジニア同士の会話で技術的な前提が揃わない事に伴うストレスは皆無です。
解らない事、知らない事について質問しづらい雰囲気もありません。
「風通しの良さ」等で企業文化が語られる事はよくありますが、社内にはそもそも風を遮るものがありません。
何だったらボードメンバーやSales、コンサルタント等の対面チームに吹き付けている風そのものが共有されていると思います。
終わりに
長々と書いてしまいました。
ヘッダの画像はHubble Deep Fieldです。遠い所を見たい。
それなりにネタにまみれた人生だなぁと思っているのですが、そもそも自分も書き出すと止まらない所があって、書ける事だけに絞っても結構ありますね。
しかし、言葉にすることで個人的な発見もありました。
言葉はコミュニケーションの道具ですが、同時に思考の道具でもある、というのを実感しました。
最後に、入社後の日々のやり取りからは、MNTSQは「言葉の問題を言葉で解決する会社」である、と感じています。
こんな拷問のような長いテキストを読んだあなた、間違いなく適性あると思いますよ!
カジュアル面談でお待ちしております!
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