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旅に出ても出なくても、人生は旅であるーー"私とコミュニティの話”連載Vol.1<日置ノリオさん>

「私とコミュニティの話」連載第一弾!

暮らしのサービスcircleでは、人と関わり合いながら暮らすことについてお話を伺う連載「私とコミュニティの話」をお届けしていきます。

今回は「旅」をテーマにラジオ番組のパーソナリティーをしている日置ノリオさんから、旅の経験や人との関りや、そもそも旅とは?というお話を伺いました。

今回お話を伺った方

日置 ノリオさん
「旅するようにいきる」を、日々実験しながら伝える人。"人生という旅" を楽しむ人とつながり、そんな人を増やしていくのが個人理念。

「人生という旅の“関係“案内所」をコンセプトした観光案内所「TRAVEL HUB MIX」の立ち上げを担当。現在は独立し、FM西東京で毎週金曜23:00~23:30放送『Another Scenery ~はたらく人の旅するラジオ~ 』の企画・メインパーソナリティーを担当。ラジオの他にも、山梨や長野など地域の企業と複業で関わっている。

「帰る家を旅先に」移動できなくても旅を体現

浅草橋のゲストハウス「Little Japan」

ーー観光案内所やラジオのテーマなど、人と旅に関することに携わってこられた日置さんですが、プライベートの中での「旅」も多かったんですか?

TRAVEL HUB MIXで支配人をしていた時は、「人生は旅である」と言いながら、毎日そこでイベント開催に立ち会っているため、自分が外に動けないというジレンマがあって…。いわゆる「旅」には出られなかったんです。

「旅に出られないなら、帰る家を旅先にしよう」と、週に2〜3回は浅草橋[
のゲストハウス「Little Japan」に帰るという生活をしてました。自分が物理的に遠くに行かなくても、旅人たちと交流して刺激を得られている感じがありました。旅の本質は移動をすることだけではないなという気づきもありましたね。

オンラインイベント「リモートトラベル」

コロナ禍でも、オンラインコミュニティに色々入って人と交流をするようにはしていました。自分でも仲間達と一緒に、旅に出たくても出られない旅人と宿泊施設をオンラインで繋くイベント「リモートトラベル」を企画して、オンラインでも人とつながって関わる、という取り組みは常にしていました。

その後、TRAVEL HUB MIXを離れたこともあり少し動けるようになって、月の半分から1/3くらいを色んなゲストハウスを巡って生活するということをしていました。

”まち”や”暮らし”の解像度が上がったゲストハウス生活

街歩きの風景

ーーゲストハウスを巡っていた際は、どういう生活だったんですか?

出社が必要な時もあったので、都内から関東圏のゲストハウスを中心に転々としながら生活をしていました。主には街の持つ雰囲気や文化に合わせたり、独自のコンセプトを体現したりしているゲストハウスを好んで滞在していました。

ずっと根無し草でゲストハウスをめぐる生活をしていると疲れてしまうかもしれないと思って、自宅ももちながらそこに帰るようにしていました。

ーー訪れた場所で印象に残っていることはありますか?

滞在してみると地域のことをよく知れるのがいいですよね。その街について知ってるようで知らなかったことを知れたり、全然知らない土地を「ここにこんな場所あるんだ!」って思いながら街歩きしたりと、”まち”や”暮らし”に対する解像度がすごく上がったのが楽しかったです。

色々な地域がありますが、例えばよく訪れていたのは東京の北品川エリアです。下町っぽい商店街のあるような場所が好きなんです。「ああ、ちゃんと住んでいる人がいるんだな」って感じがして。長く滞在したり何度も訪れると、顔なじみのご飯さんができたり、「ここで大体近所のおじいちゃんおばあちゃんが朝から新聞読みながらコーヒー飲んでるな」って覚えたりするのもいいですよね。

東京の大塚に滞在したときには街歩きレンジャーの人がいて、街をぐるぐる案内してたんですよ。早朝ツアーで朝から散策して、和菓子屋さんに行ったら「これあげるよ」ってどら焼きの皮だけもらったり。東京にも、下町情緒というか…その地に根付いている人情的なものがあると体感出来てよかったです。

人との出会いで、誰かの人生と自分の人生が交差する

ゲストハウス生活で出会った人々

ーーゲストハウスをめぐる中でよかったことは何ですか?

一番は人と繋がれたことですね。ユニークな人達とたくさん出会えました。旅に関わる仕事をしていたというのもありますが、ゲストハウスで交流してると「その人知ってるよ」「それ行ったことあるよ」とか、繋がるべくして繋がって行ったんだなと思うことが多かったです。逆に、全然知らないことをしている人と話して刺激をもらうことも多くて。自分が都内育ちということもあり、密に人と関わらずとも暮らしてこれましたけど、ゲストハウスで人と出会いながら過ごす日々はすごく楽しかったです。

ーー色んな人と一緒に交流しながら生活することの良さは何だと感じていますか?

単純に誰かと一緒にいることの楽しさがあると思います。例えば起きたら誰かとおはようって挨拶したり、自然な会話や交流が生まれたり。

ゲストハウス生活や共同生活をしていると、自分の人生と誰かの人生が混ざり合って、自分の中が新鮮になっていく感覚があるんです。この感覚が僕にとって「生きてる」っていう実感で、人と関わる喜びです。

相手のことを知ったり、会話をしていて新しい考え方が入ってきたり。そうやって、その人と出会う前の自分とは違うルートにお互い踏み出していく。こんな風に人生が交差する瞬間がすごく好きですね。

"旅"に出られない人にも"旅気分"を

ラジオ収録

ーー今はラジオパーソナリティーをされていますが、ラジオをやろうと思ったのはどんなきっかけだったんですか?

もともと人の話を聴くのが好きだったのもありますが、コロナ禍をきっかけに色々なオンラインでの活動をしていたことがきっかけです。リアルに比べて話しづらいイメージもありますが、やってみるとオンライン上でも誰かと個人的にしっかり話すっていうのが楽しかったんですよ。そこでの会話やストーリーを自分だけじゃなくて他の人にも聞いてもらいたいと思って、ラジオをやってみようと考えはじめました。

ラジオのコンセプトの根っこには、自分がこれまでの出会いやゲストハウス生活で感じた「人と関わっていく旅」というテーマがあります。ゲストハウス生活でも都内周辺が中心だったので、移動距離そのものは大したことはなかったんです。でもその中で、いつもと違う景色やいつもと違う人と出会い、自分の中で湧き上がってくるものや新鮮な感情がある。

なかなか普段は旅という旅に出られない働く人の方がきっと多いはずだから、普段は会わない人たちのストーリーや音楽を通じて、僕が感じたような旅気分を味わってもらいたいと考えて、「Another Scenery ~はたらく人の旅するラジオ~ 」というラジオ番組を始めました。

ーー今後の日置さんについてお聞かせください!

「ラジオ」を軸にしながら片足はピボットして色々と取り組んで、他の軸も作って…と、掴めるものはできるだけ掴んでいきたいです。あとは、地方での仕事は今後もしていきたいと思っています。地域で魅力的なことをやっている人たちと一緒に仕事をして、力になりたいですね。

今はアドレスホッパー的な生活は少し落ち着いて、メインの拠点を持ちつつ敵機的に色んな所を訪れる生活にシフトしています。せっかく会社員から独立して個人として活動していますし、時々好きなところに1週間滞在するようなワーケーションなどはしていきたいです。

メインの拠点は神奈川の「YADORESI」に移す予定なんです。"現代の長屋"のような場所で…。地域の賑わいを作っていこうという目的で、住むだけではなく、住人が思い思いの展示をできる道に面したスペースがあるんです。旅に関する本などこれまで自分が集めてきた本を並べて個人図書館を開いたり、ラジオも絡めて何かやっていきたいと考えています。

ーーいいですね!ぜひ訪れたいです!日置さん今日はお話し聞かせていただきありがとうございました!


日置さんのラジオやSNS

・ラジオTwitter:Another Scenery ~はたらく人の旅するラジオ~ (FM西東京にて毎週金曜23:00〜23:30)
・ラジオYoutube:@anotherscenery
・日置さんTwitter:@noriohioki
・日置さんnote:https://note.com/noritravel/

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