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改・「60おっさんのタイからラオス・初めてのバックパッカー1人旅」 note版

〜大陸国境、地下通路を経て、通貨がKip(キープ)の国へ来てしまう
No.11


バスは国境に着き、出入国手続きに向かう。

荷物は載せたままで、バスは移動する。
この時、僕は何も考えておらず、普通に手続きが終わると、
この停まっているバスに戻るのかなと思っていた。

(でも、そんな事はないハズです。何しろ国を超えるんだから)

出国窓口に並び、順番が進むに連れて、

『バスは?荷物は?・・・ああ、そうだ、戻れないんだ!?
で、バスは何処に止まってるの??』

心がアタフタ、焦り出し、不安に襲われ乍らも、
乗客の皆んなが平然と手続きを済ませ、
何食わぬ顔でドンドン先に進んで行くのを見ると、
それに従って、私も先に進んで行ったらいいんだと、
落ち着かないまま、それに習う。

『でも、そうだ!今は、心強い、旅慣れた若き女性、AYさんと一緒だ。
またしても、頼もしい人がついているではないか』

出国手続き。
パスポート渡して、待つ。
・・・戻ってきた。
OK。
でも、空港でもらった半券、出国カードが無い!?
当たり前だ、タイから出国したんだから!
『あっ、そうか・・・』
僕の頭は空洞状態。

皆んなの後を、道順通り進んでいく。
地下に作られた通路。
映画で見るような、
左右をセンターのパイプで区切った仄明るい狭い道。

30mほど進んで階段を上ると、
眼光鋭い係官が迎え、
その目前には拡がる荒涼とした大地。
その前方200m先には、人々が群がる建物が見える。

辺りの様子を見ながら進む僕と旅慣れたAYさん。
しばらくするとAYさんが、
「アレ?ヤッタかな!バス居ない。大丈夫かな・・・?」
僕は、一瞬、自然に引き返そうとしてしまう。
が、NO!
眼光鋭い係官の両手が眼の前で拡がる。
「フフ・・・」

『!!そうだよな、入国したんや。そう、戻れるハズはない』

国境、境界線、言葉は知っているが、
実感の無い僕には、さっき居た所に戻ったらいいやん!
ってな感じである。

バスの居所を伺いながら黙って、AYさんと私は建物に向かって歩く。
情けないが、僕はこの時点で入国許可(イミグレーション)をしなきゃいけないなどと考えていなかった。
ただ、バスに乗り込んでそれでOKと思っていた。
興奮していたのか、ポッカリ抜けていた。

建物に群がっている人々。
順番らしい順番はなく、
思い思いにパスポートを窓口に差し出している。
入国証明が必要なのだ。
でないと不法侵入で捕まるのだ。

でも、この手続きをせずに先へ、
行こうと思えば難なく行けそうなのである。
厳重そうでもあるが、軽い感じもするシチュエーションだった。
人々はTHBを添え、パスポートを提出。

AYさんは、
「日本はお金取らないハズ」
とパスポートを渡すが、
係官が、
「100THB、100THB!」と叫んでいる。
仕方なしに支払うAYさん。
僕もそれに習って手続きを完了する。

僕、一人では絶対シドロモドロで迷いまくっていただろう。
返ってきたパスポートには新しい入出国カードが挟まれている。
次、ラオスからの出国とタイへの入国に必要なカードだ。

カードを改めて眺め、
『そういうことなんや、そのたんびやらんといけないんやなぁ・・・』と。
これでイミグレもOK!

でも、バスは・・・?
探しまわるが居ない!

僕とAYさん、2人。
「・・・唖然・・・」
居るはずが居ない!?

しばらく、ウロチョロ。
でも、一緒に乗っていた人たちの顔も辺りで見かける。
ということは・・・。

すると、
見たことのあるブルーラインの入ったバスが、のそのそとやって来る。
その横には、
『あの乗務員だ!ヒェー(安堵)』
ゆったり、気楽に歩いてる。

さて、もう一息だ。
目的地のパクセーまで。

乗り込んで、しばし車窓を眺める。
タイと違って素朴、床上の家屋をよく目にする。
ヤギ、水牛・・・動物たちもウロウロ。

1時間ほど揺られメコン川を渡る。
もうすぐだろう・・・。


バスはバスステーションらしからぬ所で停車し、
僕たちは降りた。
というか、
降ろされた感じだ。
「パクセー、パクセー」との叫び声と共に、
ソンテウ(ロコバス)に案内され流されるまま、乗り込む。

実は、ここからパクセー中心街のホテルに行くまで、
まだ、かかるらしい。
喚く、運転手。
「運賃100THB!」

何がなんだか判らないまま、
走るソンテウの後方に去っていく景色を、ぼんやり眺める。

『日本車、結構、走ってるなぁ、活躍してるやん!
でも、ナンバープレートが無い車、走ってるやん。
何なんだ!・・・法律、ゆる〜いんかいな!?』

と、思っていたら、着いたみたい。

「ホテルです!」
と運転手。
AYさん、予約のホテルだ。
「で、僕のホテルは?」
「す、ぐ、そ、こ!!・・・行くかい?」

すると、AYさんが、
僕の事を案じて心配してくれていたのか、
「一緒について行くから。荷物を降ろしてすぐ来るから待ってて!」
と嬉しい、心使い。

「ちょっと、待ってて下さい」と、運転手に伝え、
僕は、丁度、
目の前のホテル両替所で事を済ませようとしている彼女に習って、
僕も両替を済ませ、ロビーに入って行く彼女を見送った。

さすがAYさん、臨機応変、
『まずはTHBからラオスの通貨、キープに変えとかな、ね!』

この時点でこの国の通貨がキープと知る。
『なんとも、まぁ・・・、キープ(Kip)か・・・』

運転手を待たした事になったが、文句を一言も云わず、
戻ってきた彼女をも再び載せ、
僕を目指すホテルに連れて行ってくれた。

ホント、あっという間、1、2分、目と鼻の先だった。

最初、強引に無理やり乗せられた感があったが、
今では、
『けっこう良心的な運転手やん!』
どうやら、日本のポン引き、強引な勧誘、詐欺的イメージを
抱いてしまった僕の間違いだ。
感激である。
で、記念に写真をパチリ。

で、僕の宿。

「フォレストホテル&レストラン」カタカナだ!

『ホンと、日本人、居るかな・・・』
とチェックイン。

若いアンちゃんが、
ニコニコして「OK」
「日本人、居ますか?」
宿を予約するときに、日本のおじさんが居ると書かれてあったので・・・。
「居ない!」
「えっ!」
「昨日いた、今日いない!」
「帰ったの?」
「居ない!」
ホントに昨日まで居たのか、
すでに、居なくなっていたのかは、
不明のまま。
でも、日本の食料品なども売ってるし、
日本料理メインのホテルなので、多分、経営者はそのおじさんなんだろう。

アンちゃん、解ってンのかなぁ・・・?
「ニホンゴ、スコシ、ワカリマスカ?」
「ワカラナイ、NO」
「えっ!?ホンマか・・・、少しも?でも、日本料理(のメニュー)見るんでしょ?」
「・・・!?」

立派なメニュー、
《とんかつ》《うどん》《ヤキソバ》《ラーメン》《手羽先》などなど、
写真付きメニューが飾ってある。

とんかつ 35000Kip(キープ)、
ヤキソバ 25000Kip、
うどん 25000Kip。

10000Kipが、およそ131円で、
ラオスのラオビール、大瓶1本の値段。

なので、円にすると、
とんかつ 460円、
ヤキソバ、うどん 330円。
結構、安いやン!
あとは味だね!

と、感心していると、アンちゃんが、
「朝食、付けますか?」と聞いてきたので、
内容を聞くとプラス15000Kip 200円でOKと、お得なので、
アンちゃんが好きだという鳥丼(親子丼)に決め、お願いした。
でも、ヤキソバ、カツ丼も捨て難かったけどね。

僕の横でフォローしてくれたAYさんは、
乗ってきたソンテウでホテルに送ってもらえるとのこと。
なんと、いい運転手さん。

僕は、
彼女と一時間後の昼食の約束を交わし、
お互い、一先ず小休止。

フリーWiFiのパスワードを聞き、若いアンちゃんに、
ドミの部屋とトイレ、なんと湯船があるという風呂を案内してもらう。

「ねぇ、風呂、湯船の水、お湯、ナッシング!?」
照れ笑いで、
「Oh!・・・ナッシング、フフ、フ、そう、ナッシング!」
ってな感じのアンちゃん。

『そうやなぁ、風呂なんか沸かしてたら、採算、合わんやろな』
で、無し。

荷物の整理をし、近場を散歩がてらAYさんのホテルへ向かう。


パクセーの一角をプラプラしながら・・・。





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