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【Kis-My-Ft2と対立】「SHE!HER!HER!」MVから考える。

Kis-My-Ft2「SHE!HER!HER!」

今回はKis-My-Ft2の3rdシングルである「SHE!HER!HER!」MVを分析対象とする。

MV 概要

まずはMV全体の設定や世界観に触れておこうと思う。この楽曲は江崎グリコ株式会社が発売していたガム・ウォータリングキスミントのCMソングになっている。そのため、〈息・吐息〉〈キス〉がMV中でも多く演出されている(楽曲タイトルにもこの意識は表れているだろう)。
例えば、冒頭メンバーは布を被り、口元だけ見えるような状態で現れる。その後布を取ったメンバーの口元から発される息・吐息にはきらきらとしたエフェクトが付けらている。
ざっくりした設定・場面は以下の通りである。

意図やコンセプト:ガムのCMであることから息・その香りが意図されている(前提となるもの)
どこで・場所:牢屋のような空間
登場人物:メンバー、研究者(女性)、牢内の人々、男性

白一色の衣装を身に着け、機械類を扱う、バインダーに書き込むような場面があることからメンバーもまた研究者的な設定があることが推察される。牢屋の中にいる人々は黒いマスクを見に着けており、彼らが発する吐息には曇った色のエフェクトが付けられる。このことから、牢屋の人々は悪臭を放っており、良い香りの吐息を持つメンバーが調査しているというストーリーが考えられる。(余談だが、牢屋の人々はメンバーのダンスシーンの際に牢内で盛り上げている姿も見られる)
研究者の女性はそうした調査の過程で登場する。主に2番サビ前でその姿が見られる。
こうした設定やストーリーの中で、最後に残った登場人物・男性とメンバーの対峙に注目したい。

メンバー/敵的存在

見出しから分かる通りだが、登場人物の男性はメンバーにとって敵のような存在として登場する。彼が登場するのは4分ほどある楽曲の3分以降の後半にあたる部分である。

まず3:02、サビ終わりでメンバーが手を前に伸ばす。その後扉の映像が流れる。扉からは牢内の人々に付けられていた〈悪臭エフェクト〉が漏れ出ているように見える。ここからメンバーが手を伸ばす先にその扉があることを視聴者に想起させる。
何度かおびえる人々、扉が繰り返された後3:14で扉から男性が登場する。身長が高く、筋肉質で剛健な肉体(のように見える)を持つ男性は、下からのアングルで撮影されることにより一層威圧感を与える。3:20で息を周囲に振りまき、牢内にも関わらず遠ざかる人々。
そして3:23でメンバーとの明確な対立構図が映される。ダンスするメンバーの眼前で息を吐く男性。白い衣装のメンバーに対し、くすんだ暗い色の〈敵的存在〉は色彩的に見てもコントラストが強く、対立しているように感じられる。
続く3:30からの映像では、メンバーのダンスシーン・男性が迫るシーンが繰り返される。向かい合う、7人/男性の関係が導かれる。

最終的にはメンバーが退治する、といったストーリー展開でMVは終わりを迎える。

差異と対立

光のようにキラキラしたエフェクト/靄のような、色のくすんだエフェクト
白一色の衣装/暗く明度の低い衣装
繰り返し映されることで強調される対比。
これらによってもたらされる明確な差異。
メンバー7人はこのMV中で差別化と対立の演出、その渦中となっているのだ。

こうした中で疑問に思われたのが、何故こうした敵的存在が要請され、メンバーと対立する構図が作られたのか、ということである。
息を強調するなら、その世界全体をクリーンなものにすればよかったのではないか、と思えないこともない。

またこのような対立構造、Kis-My-Ft2/○○のような構造はこのMVに限ったものではない。この楽曲でエフェクトや色彩を用いて強調された対立関係は他の楽曲では異なる形で示される。
そのため、他のMVを見ながら、このような対立や存在、関係が要請される背景を探っていく。

「SHE!HER!HER!」MV メモ

反省

しれっと休んでいた。まずその点を反省。その間に共通点が降って湧いてきたように感じる。着眼は良いにしても設定のどこまでに言及するかなど、情報を整理する能力に欠けていると感じる。
今回読んでいく人にはぜひ前後でMVを見てほしいという勝手なる願い。
また、不明点や曖昧な箇所、分かりづらい箇所があればお伝え頂きたい。
よろしくお願いします。


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