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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉔

「こんなお身体でたいへんですね」


 長女と二人でお出かけができるようになりました。
愛犬たっちくんのお散歩も車で近くの公園まで行きます。
まず、車椅子の膝に娘を乗せて車まで連れていきます
チャイルドシートは座席が高すぎて一人では乗せられないので
使えませんでした。


代わりに、大きなポケットのついたエプロンのような形のシートを見つけました。
助手席にエプロンを付けて、穴が開いてるポケットに両足を通す感じですね
もちろんとても丈夫なナイロン製で、シートベルトのような物も付いていました(これはとっても使いやすく、かなり長い間、自分で乗れるようになってからも、重宝しました)
それから、たっちくんが自分で後部座席に乗り込み、大荷物
(マグマグのお水や、おやつ、おむつ等々とたっちくんのお散歩セット)
を運び込み
やっとこさ、私が運転席に乗り込み、さらに車椅子を後部座席に積み込みます。

「出発進行」
「なすのおしんこ」
「きゅうりのつけもの」
と、クレヨンしんちゃんの合言葉で出発です

いつもの公園で
娘を車椅子の膝に乗せ、
たっちくんのリードを持ってお散歩をして
さあ、帰ろうとまた、順番に車に乗せていたら
「大丈夫ですか」
と年配の男性が声をかけてくださいました。
「こんなお身体で大変ですね」
「気を付けて下さいよ」
と言いながらいろいろ手伝って乗せてくれましたが
小さな子供と犬を連れた車椅子のお母さん
そりゃ、知らん顔出来ませんよね
見ず知らずのいろいろな方に親切にしていただきました。
ありがとうございます。
 
普段は、よく実家へ行ってごろごろのんびりしていました
実家へ行けば何もせず、赤ちゃんの世話は母が喜んでしてくれます
つい帰りが遅くなって
あたりが薄暗くなってしまうと
さあ、大変です。
ベビーバスケットに寝かせて助手席に乗せて帰るのですが
「じゃあね、気をつけてね」
「うん、またね」
「ばいばい」
車を走らせますが
泣きどおしです
片道4~50分ずっと泣き続ける勢いです
仕方がないので途中でUターン、実家へ戻ります
「ただいま」
「どうしたの」
「なきやまないの」
「気になって、事故起こしそう」
「あらまあ」
「じゃ、ちょっと待ってて、お父さん呼んでくるから」
 
そして母が娘を抱いて(抱いていればおとなしいのです)助手席に座り
後ろからは父の運転する車が続いて
一緒に家まで送ってもらいます。
帰りが暗くなってしまうといつもこのパターンです。
わかっていながら、ついのんびりしてしまいます(実家最高)
ほんとに、両親には感謝です。
 


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