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【詩】今回は、重量オーバーでした。

いくら言葉を並べたって
ギチギチに詰めて、丁寧に包んだって
届かないときがある そんなとき

仕方がないかな、って
1度持ち帰って、箱の入口を破って
文字の並びを手で直して
今度こそ届きますようにと祈るの

なんで届かない?分からない
きっと重量オーバーだったのかもしれない
膝で抱えた重さが 心にのっかって
普段出ないような声が出る

文字がボロボロになったらやだな
1ミリだって触らせたくない
1寸も変わらないように 加工した
美容師がまっすぐまっすぐ髪を切るように

息を吸って、吐いて
しゃんと背をのばしたとき
虹彩に届く太陽みたいに
まっすぐ君に届いて欲しい

そんなことを思いつつ
ぶつかって巨大化してく箱を
君にぶつけないように抱え込んで
がに股で支えてハニカミ笑いのポーズ

大丈夫 神様
私は自分が思ってるより
きっとうまくやれてるはず

巨大化したそれの
回収場所がまだ分からない

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