見出し画像

詩「クラゲ」


そこに 私は居ました
瞼が引っ付きそうな教室の片隅で
膝下のスカートを揺らして漂っていました
閉ざされた小宇宙を

見ようとしたら見えるし
見ようとしなければ意味も無い
あなたの瞳には誰が映ってる?
乳白色のクラゲじゃないね
此処には光るアクアリウムも無い
(私は いつも舞台に立てない。)
時間は泡よりも早く消える

海水に同化していくクラゲの様に
私も教室の壁に擬態する
着飾りもしない
毒も持たない
何も主張しない正しさを纏って
同じ髪型をした仲間達の波に埋もれる

「今日も特に何もありませんでした。」

この記事が参加している募集

#スキしてみて

529,721件

#私の作品紹介

97,883件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?