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考えたことの断片

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メモ/ソーシャリーエンゲージドアート、関係性の美学、社会の為の芸術、ポストモダンアートの流れの整理

メモ/ソーシャリーエンゲージドアート、関係性の美学、社会の為の芸術、ポストモダンアートの流れの整理

最近のソーシャリーエンゲージドアートという言葉の使われ方などに認識のズレがあることがわかったので、自分の認識している大まかな流れをメモとして書きます。微妙に間違いもあるかも。

「芸術の終わった後」

まず、80年代に入って全て出尽くした感じになった「芸術の終わった後」の時代が始まる。同時にHIP HOPのカルチャーから既存の物をサプリングして新しい物をつくる技法が開発され、この技法がアート界でも

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時間について

時間について

時間について

時間とは社会的なものである。同じテンポで数えらる30秒を共有し、その地域で定められ統一された時間を共有し、社会を回している。

しかし、同時に。
時間は個別に、別々に、存在しているものでもある。

ある日生まれ、ある日死ぬ。
「生まれる」と「死ぬ」の間にある時間。それは長く険しいものでもあるし、軽やかですぐに終わってしまうものでもある。会期ははじまり、会期は終わる。その間の時間に起

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アイデアを形に落とし込む=可能性を限定して確定させる=ローカライズ

アイデアを形に落とし込む=可能性を限定して確定させる=ローカライズ

制作段階やアイデア段階はまだ不確定な部分が多くあり、どういった形になるか確定しきっていない。例えば、1つのアイデアが絵画になる可能性もインスタレーションになる可能性もパフォーマンス作品になる可能性もそのパフォーマンスを撮影した映像作品になる可能性もある。もちろんそれを制作する作家のポテンシャルによって何が作れるか限定されてしまうのだけれど可能性は開かれている。

例えば、1つのアイデアを複数の可能

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メモ: 思いついたこと

何か思いついたこと

能動的観念生成の場合、観念はまず内部から大概の場合は言葉に当てはめて立ち上がってくる(頭の中で思いつく)このまま自分一人だけで使う観念として機能させることも出来るが、大概の場合はコミュニケーションという形で外部に流通させる。外部に流通させるということはつまり、文字や発話してマテリアル化することである。

受動的観念の場合は、誰が作った観念をコミュニケーションによって受け取り、

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「と」について

「と」について

「と」について

アキレスと亀、老人と海、砂糖と塩。

別々のものとの中間にある「と」。中間をつながぐ役割として機能しているにもかかわらずあたかも存在しないかのように扱われる「と」。

ホワイトキューブは作品をフラットに鑑賞する為に発明された空間である。その空間では作品に関するもの以外は存在しないように扱われる。誰もホワイトキューブのコンセントを鑑賞しない。

「と」を考えることとは、存在

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ポリリズムについて

ポリリズムについて

ポリリズムについて

別々のリズムが別々のままビートを刻みつつ、特定の周期でそれぞれのリズムが重なりあう。バラバラだけど要所要所でまとまる。それは単なるカオスではなくて、それぞれのリズムを尊重しながら共通のリズムもキープするバラバラの連帯。

バラバラの連帯は、一時的な、限定的な、つながり。コレクティブのような強いつながりではなく、かと言ってお互いに干渉し合わないような弱いものでもない。バラバラで

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メモ:遊びの空間

メモ:遊びの空間

遊びの空間では、ルールと判断基準が決まっていてプレイヤーたちはルールを守りながら良い物を作り出して他のプレイヤーと競い、高め合う。

その運動が機能している空間が遊びの空間てある。遊びの空間はプレイヤーを作り出すだけではなく同時にオーディオンスも作り出す。競技に参加しないけど、ルールと判断基準を理解して楽しむ人たちである。

プレイヤーとオーディエンスが生まれる遊びの空間こそが文化の生まれる環境で

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開発について/豊かさとは?

開発について/豊かさとは?

開発は、新しい物事をもたらし、同時にこれまでの物事を消し去る破壊と創造のプロセスである。

開発は街を豊かにする。同時に時代遅れになったもの、不要になったものを消し去る。

開発によって消え去った物が後になって良いものだったと気付くことがある。

便利になり使いやすくて、可能性に開かれる良さが開発の良さとすれば、「不便で使い辛いんだけど逆にそれがいい」みたいな良さもある。

後者の良さは、前者の良

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