slow made

オールドスタイルのカスタムフォールディングナイフを製作しているナイフ職人(メーカー)。 カスタムナイフのメイキングに関してのノウハウなどを書いています。 http://www.ryu-customknife.com

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    How to make Slip joint & Lock back folding knives for PROFESSIONAL

    ナイフ・メイキングに関するHow to本は多くありますが、フォールディングナイフに関するものはなかなか少ないのが現状です。その中でも加工方法やそのテクニックに関する言及は多くありますが、設計について言及されているものはほとんどありませんでした。今回ご紹介するのは、その設計方法に関するノウハウ等をまとめたものです。・・・ですので、基本的な製作方法に関しては一切言及されていません。ある程度フォールディングナイフを製作する事が可能なナイフメーカーが、必ず一度はぶつかる問題点に焦点を

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      • BLADE SHOW 2023

        今年もブレードショーが米国アトランタで開催されました。 残念ながら現地へは行けませんでしたが、YouTubeでいろいろな映像が楽しめます。 日本からも何人か参加していたようですが、残念ながらYouTube映像は見つけられませんでした。 現時点では映像で見る限り、昨今の潮流はそのままなようです。 「今年のナイフのトレンド」的なトピックはとくには見つけることができませんでした。 しかし、これから個人ユーチューバーがどんどん映像をアップしていくと思います。新しい情報があるかもしれ

        • スタッグハンドルの取り付け方いろいろ

          Jess Horn tribute Muskrat SP Type : 2 blade slip joint folder Blade : RWL34 Bolster/Handle : Stainless steel / stag Blade length : 78mm Closed length : 100mm 今回はジェス・ホーンのマスクラットを製作しました。 元ネタは以下の画像です。 これは元々はRemingtonのマスクラットをアレンジしたものだと思われます。オリ

          • 自在バイス 新旧交代

            ナイフメーカー御用達(?)と言われていた自在バイスMUTOH FVA-40ですが・・・ついに壊れてしまった・・・ 20年以上ほぼ毎日使い続けた自在バイスMUTOH FVA-40がついに壊れてしまった・・・原因は長年の酷使によるものだと思われます。 具体的には、口金の角度を固定するためのバイスのベース部分のプレートとその上部にあるプレートの内部にあるボールを固定するための半球状の窪みが、長年の酷使で削られ変形したことだと思われます。 数年前からボール部分の固定が甘いなぁーと

            最近のハンドル材事情

            去年あたりのナイフオーダーから、ハンドル材のちょっとしたトレンドの変化がありました。 ここ10年くらい、とんとオーダーのなかったハンドル材が急にオーダーされるようになりました。これまでは数年に1本くらいのオーダーだったのが、去年あたりから、わずかな期間で数本のオーダーが入りました。 ・・・それはM.O.P(マザー・オブ・パール)です。 * 2000ゼロゼロ年代には非常にポピュラーな材料で、しばしばオーダーの入るハンドル材だったのですが、2010年代に入ると、全くと言ってよ

            ひも穴パイプのカシメ方

            Loveless tribute City Knife with lock back SP Type : 1 blade lock back folder Blade : RWL34 Bolster/Handle : Stainless steel / vintage rug micarta Blade Length : 2 9/16"(65mm) Closed Length : 3 3/4" (95mm) 今回はひも穴パイプのカシメ方に関してのご紹介です。 このひも穴

            ピンをカシメる順番

            Premium Trapper 2009(clip pint blade and wharncliffe blade) Type : 2 blade lock back & slip joint folder Blade : RWL34 Bolster/Handle : Stainless steel / stag Blade Length : 3" (76mm), Closed Length : 3 11/16" (94mm) 先日、NEMOTO KNIVES(http

            ブッシングに関する考察

            治具や材料をしまってある引き出しを整理していたら懐かしいパーツが出てきました。アマチュア時代に使用していたブッシングです。 ある時期からマルチブレードを多く作るようになり、このブッシングは使用しなくなりました。・・・ホィットラー等のセカンダリー・ブレードはとても小さく、ブレードタングが5mm四方くらいしかないので、残念ながらブッシングが入る余裕がありません。 その後はブッシング無しの直接ピボットピンの手法で現在に至ります。 * アマチュア時代は、このブッシングの効能や使

            刃打ちしないスペーサー・スプリング方式

            Jess Horn tribute Muskrat with double lock back Type : 2 blade lock back folder Blade : ATS-34 Bolster/Handle : Stainless steel / stag Blade Length : 3”(76mm) Closed Length : 4”(102mm) Jess Hornのマスクラット・ダブルロックバックを参考にして作ったナイフです。今回は2枚のバックスプリ

            ひねったグラインド(ねじれたグラインド)?

            久しぶりに作ったRemington R4593タイプ、いわゆるMuskrat(マスクラット)と呼ばれるモデルです。同じパターンのブレードが2枚、前後についています。 これ、いろんな意味で作るのが面倒なナイフです。 ・・・まずは各部分の鋼材の厚みをどうするか?・・・ 今回作ったマスクラットのサイズは、ブレード長65mmを考慮して ブレード厚2.0mm、スリーブ厚1.5mm、シングル・バックスプリング厚3.5mm。この辺りがバランスが良いのではないかと思います。 ・・・もし

            一段低くなったピンのカシメ方?

            今回はあるフォロワーさんからの質問があったので、スタッグハンドルにおけるピンのカシメのご紹介です。 「スタッグハンドルの表面から一段低くなったピンのカシメ方が知りたい」とのこと。 ・・・一段低くなった??・・・最初は何の事かよく解らなかったのですが、たしかにスタッグ表面の凹凸の谷部分に密着させてカシメたピンは、一段低くなってるように見えるのかな・・・ スタッグの表面には模様と言うかボコボコした凹凸があり、その山と谷の部分のどこにピン穴がくるのかは、なかなか予想できないもの(

            ナイフメーカーあるある

            今回はナイフメーカーや製作時にありがちな、ちょっとしたお話。 ナイフメーカーあるある ナイフメーカーは指の皮が厚い!(面の皮じゃないです) ベルトサンダーで鋼材を削る際、かなりの高温になる。 熱くなると水につけて冷やしながら削っていくのだが、だんだんと手に耐性ができてくる。たびたび水で冷やしながら削るのが面倒になってきて、多少熱くてもそのまま削ってしまうからだ。 ・・・その結果、熟練のナイフメーカーは、居酒屋で注文したアツアツの熱燗のお銚子がすぐに持てるので重宝される!

            Blade Show 2021

            先週末(2021.6/4 - 6/6)アトランタでBlade Show 2021が開催された。 現地からの映像がYouTubeで数多くアップされていたので、ここ数日かなりハマって観ていた。 皆さんもBlade Show 2021でぜひ検索して観て欲しい。 * 第一印象は・・・かなりビツクリ! 会場内をカメラが回遊している映像を観ると、ものすごく活気がある!   そして99%の人達がマスクしてない!  ・・・間違って過去の映像観てるのか?と錯覚するほど。ときどきマスクをして

            ボルスタのフルーテッド

            アトランタのブレードショーに行ってた頃のこと。 アメリカ人のナイフメーカーはプロ、アマ問わず、フランクに質問してくる人が多かった。 「どうすれば、このアクション・フィールをだせるの?」 「このヘアラインとミラーのコンビネーション仕上げはどうやってるの?」 「キミは何歳からナイフメイキングしてるんだ?」等々。 その中で一番多くのナイフメーカーに質問されたのが、 「ボルスタの細いフルーテッドの中はミラーになってるけど、どうやったらミラーにできるんだい?」 ”フルーテッド”とは

            キレイなヘアライン

            最近のカスタム・フォルダーのブレードの表面仕上げは多様性があり、とても興味深く、見ていて楽しいですね! ・・・ゼロ年代のオールドスタイルのカスタム・フォルダーは、ヘアライン(ハンド・ラブド)仕上げが一般的・・・と言うか、これ一択というほど固定されていました。当時の伝統性やトレンドが大きく影響していたのでしょうね。 私も、フルタイムに転向したゼロ年代初頭、ある理由からブレードの仕上げをヘアライン(ハンド・ラブド)にするようになりました。 それまでのパートタイム時代は、ほとん

            追悼 Tony Bose

            先日、カスタムナイフ界のレジェンド・Tony Bose(トニー・ボーズ)氏がご逝去されました。享年74歳。 ご冥福をお祈りするとともに、心からの感謝を捧げます。 ご家族に心よりのお悔やみを申し上げます。 * 最初の訃報を受け取った時は「えっ、ウソでしょ?・・・」と思いました。 その後、トニーの友人にメールして本当に亡くなった事を確認し、愕然としました。 トニー・ボーズ・・・彼は私のヒーローでした。 彼に出会わなければ、現在の私は無かったでしょう。 * 今回はトニー