知っているようで知らない「コリアンダー」の世界|#29-30
いろんなカレーレシピ本を見ても、だいたい入っている「コリアンダー」。
コリアンダーシードは「パクチーの種」なんですが、種にはパクチー特有の香りはありません。
1980年代に起きた”エスニックブーム”をきっかけに、日本での認知度が爆発的に向上した「パクチー = コリアンダー」について掘りました。
このページでは、podcastで伝えきれない写真などをまとめます。
\コリアンダー解説回はこちらから聴けます/
基礎情報
・名称
・分類
セリ科コエンドロ属の一年草
セリ、パセリ、セロリ、ミツバ、ニンジン、ウイキョウ(フェンネル)、などの仲間。
・原産地
地中海周辺(南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア、中東)
長男の栽培日記
① 種を撒く→ 1~2週間で発芽
② 発芽から2週間くらいで売る程にはならないけど、ちょっと摘んでカレーにパラパラできる量にはなる
たぶん八百屋に並ぶサイズになるのは発芽から1ヶ月とか1ヶ月半とか(種から2ヶ月とか) そこから花が咲く。
品種差や個体差があるけど、いわゆるパクチーの葉っぱができて何日か何週間か経つと 細かい尖った形状の葉っぱができてきて、その後に小さな白い花が咲く。(品種によってはピンクのもあるらしい)
花が咲くと茎とかも含めて固くなるので、特にプランターで育てながら葉っぱを食べたい場合は、まめにカレーを作り、花が咲かないように上の方から葉っぱを摘み取るのがいいと思う。
歴史
もっとも古い記録は、紀元前16世紀のエジプト。エジプトでも中東(ギルガメッシュ叙事詩の舞台)でも、ハーブとして料理に使ったと記録されている。エジプトのファラオが食べた料理のなかで「米と空豆とコリアンダーのサラダ」があった。
このことから生食していたことがわかる。
・日本
大陸経由で「こすい」と呼んでいたが、安土桃山~江戸時代にポルトガルから「コエントロ」という名前で入ってきて、日本での呼び方が、「コエンドロ」に入れ替わった。
戦後、米国から英語の「コリアンダー」という呼び名が入ってくる。
1980年代のエスニック料理ブームのあたりからタイ語名称の「パクチー」が使われるようになり、今では葉っぱのことを、インド料理店でさえタイ語の「パクチー」と呼んでいる異常事態である。
・インド
いつから入ってきたのか分からないが、スパイシー丸山さんが調査したなかでは、2000から3000年前のアーユルヴェーダの書物に、コリアンダーの種が登場していてカレーらしいもののレシピがあったそう。
実験:コリアンダーだけのカレーは美味しいのか?
実験用コリアンダーカレーのレシピ
使ったスパイスは根っこや葉っぱも使わず、「コリアンダーシード」のみ。
【 食べた感想 】
・鶏肉の香りが際立つ。
・コリアンダーの爽やかな香りがする。
・とにかく美味しい。
実験結果まとめ
番外編ゲスト
パクチーのことなら、この人しかいない。
世界のパクチー料理に精通し、日本のパクチー農家さんとのぶっといパイプをもつ、牛田うっしぃさんに根掘り葉掘り質問しました。
「旅するパクチー」の牛田うっしぃさん
旅好き食好きが高じ、世界の料理レシピや食に関する記事を寄稿し始めたことから「食」の 活動を始める。
パクチーブームを作ったと言われる「パクチーハウス東京」を経て、 大手メーカー様へのレシピ提供も多く、出張料理人・セミナー・イベントなどで活動中。
2019年より、農家さんと飲食店をつなぐパクチー卸販売「シェアパクチー」をスタート。
2023年はパクチーを使った和菓子のイベントも予定されているらしいので、イベント情報などは、Instagramをチェックしてください。
自治体別一人あたりのパクチー消費率は日本一なんじゃないかと言われている与那国島のパクチーは、「クシティ」と呼ばれています。
うっしぃさんのスマホケースはそのクシティ柄。(Podcastで話していたのは、このケース)
素人から見ると普通のパクチーとは見分けがつかないですが、収穫方法は根っこから収穫するパクチーとは異なり、1つの株から複数回収穫するんですって。
ところ変われば、呼び名も収穫方法も変わるパクチー。奥深すぎる。
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