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カルダモンの世界 《経済 研究編》

\音声を聴きながらお楽しみください/

【はじめに】
カレー三兄弟が自由研究として調べた範囲なので、誤った情報が含まれているかもしれませんし、いちいち諸説あるとかも言えなかったりもするかもしれないので、ぜひ広い心で読んで・聴いてください。ご指摘いただく場合は「優しく」お願いします!

【カルダモン経済研究】

■各国の嗜好品としてのカルダモン

・カルダモンロールが流行の兆しらしい
平野紗季子さんが「味な副音声」で言ってました。ちなみに余談ですが現在はシュガーバターだけでいただく「シンプルクレープ」がキテるらしい。

・カルダモンロールは北欧発祥
シナモンロールのアレンジとしてスウェーデンで生まれたようです。フィンランドでも有名ですが、やっぱり特にスウェーデン。ポピュラーな菓子パンでストックホルムのベーカリー・ペトリュスが人気店だとか。

↓ 長野にある「ユヌクレ」さんではオンラインショップで購入可能。美しいカルダモンロールちゃん…!!!

大阪の「パンカラト」というお店も美味しいそうです。


特徴的なのは細く切った生地を結んで作るノット型と言われる成形。
編んであるみたいな感じ。レシピを見たけど、莢(さや)をとって、種を出して粗く刻んで使うみたい。それで風味が損なわないのでしょうね。パウダーは熱に弱いです。

・カルダモンコーヒー文化
場所は変わって、中東・北アフリカ。
こちらではコーヒーのフレーバーに使われる文化がある。カルダモンコーヒーは特にインド、トルコ、そして、サウジアラビア。サウジアラビアでは、ガワ(Gawha/Qahwa)と呼ばれるカルダモンコーヒーを飲む習慣があるそうです。あと、ハルヴァね。油脂、小麦粉、果実、スパイスで作るもんですが、カルダモンが使われている傾向あります。

・チャイ、カレーには当たり前
インド、ネパール、スリランカでは、そりゃもう、チャイですね。もちろんカレーにも使います。

そういった各国の嗜好を考えて生産、輸入、輸出を見ていきましょう。

■生産国

まず、カルダモンのスパイスとしてのポジション。
サフラン・バニラ・カルダモンは、3大高価スパイスとされています。サフラン、バニラに比べるとそこまで高くない。世界的に見ると2020年調べではメースの方が少し値段が高いくらいだったみたい。その時は実質4位でした。でも2021年で上がったから、3位4位を行ったり来たりでしょう。
高価なスパイスであることは間違いナシ。

今回もデータの信憑性チェックに苦難しました。海外のサプライヤーサイトをチェックしてますが、国際連合のソースを参考にするとナツメグ、メースが一緒になってカウントされてしまっているので、トレーディングサイトを3社比較することにしました。
その中で信憑性がありそうっていうのは可能な限り擦り合わせて発表してますので、誤差が出る、間違っていることもあると思います。そこは do my bestなのでご容赦下さい。だって自由研究だから!

キーマンになる国が2つあります。ここが今回は面白かったので、ここを解き明かしていきましょう。

生産国ベスト10 (2022年)

  1. インド - 41万トン ※ケララの山が最高級品らしい。オーガニックで作るプロジェクトがある

  2.  インドネシア - 40.6万トン

  3. グアテマラ - 36.4万トン

  4. ネパール - 8.7万トン

  5. スリランカ - 4.3万トン

  6. ラオス - 3.1万トン

  7. ブータン - 1.7万トン

  8. タンザニア - 0.8万トン

  9. ホンジュラス - 0.6万トン

  10. グレナダ - 0.6万トン


輸出国ベスト10 (2022年)

  1. グアテマラ - 430百万ドル

  2. インド - 165百万ドル

  3. アラブ首長国連邦 - 102百万ドル

  4. インドネシア - 71.9百万ドル

  5. ネパール - 47.4百万ドル

  6. オランダ - 18.4百万ドル

  7. シンガポール - 8.8百万ドル

  8. ドイツ - 6.9百万ドル

  9. ベトナム - 4.9百万ドル

  10. ホンジュラス - 4.2百万ドル

ここで注目して欲しいのは、シェア率。
1位のグアテマラなんと47.8%、2位のインドは18.3%なんです。ここから言えることは、

・グアテマラは作って国内消費せずに殆ど輸出している。
・インドはそんなに輸出しないで、殆ど国内消費している。

一部ではインドのカルダモン国内消費は生産量の95%という情報もあるそうで、生産だけでなく消費としても世界一位です。

じゃあ、グアテマラはどこに売ってんだって話ですが、それは輸入ベスト10を見てみましょう。

あ、ちなみにインドネシアのカルダモンは〈ジャワカルダモン〉で、《グリーンカルダモン》じゃないっぽいので、自国、近隣国でも等級が落ちる扱いで輸出してるんではないか?


輸入国ベスト10 (2022年)

  1. サウジアラビア - 137百万ドル

  2. アラブ首長国連邦 - 130.4百万ドル

  3. 中国 - 85.6百万ドル

  4. インド - 61.4百万ドル 

  5. バングラデシュ - 55.3百万ドル

  6. エジプト - 32.1百万ドル

  7. アメリカ合衆国 - 30.1百万ドル

  8. ヨルダン - 28百万ドル

  9. パキスタン - 23.5百万ドル

  10. クウェート - 16.3百万ドル

サウジアラビアにはガワ(Gawha/Qahwa)と呼ばれるカルダモンコーヒーを飲む習慣があって、カルダモンを30~60%入れるもんで、これがサウジアラビアにおける大量のカルダモン消費につながっているんだって。あんな高価なカルダモンを…。

2位がアラブ首長国連邦。これは輸出では3位でした。つまりUAEは中東各国にカルダモンの中間貿易をしています。

国連貿易開発会議UNCTADによると、カルダモンの総消費量の50%は中東で発生しているっぽい。

冒頭で言ったキーマンの2国というのは、グアテマラとサウジアラビアです。

だから、グアテマラの主要顧客はこの辺りの中東になるわけなんです。で、振り返り。グアテマラはコーヒーの生産地でした。現在は世界で10位のコーヒー生産地。

グアテマラにカルダモンが伝わったのが、1914年。ドイツ人のコーヒー栽培者オスカー・マジャス・クロフェールによってグアテマラの人々に伝わった。

〜ここからは予想〜
たぶん、このドイツ人にめちゃくちゃ商才があった。中東に16世紀初頭にコーヒーが伝わって、カルダモンをコーヒーに入れる文化が生まれてた。そこに目をつけてグアテマラでカルダモン作ったら売れる!って思ったんだと思う。これが正解。勢いづいて21世紀になっていっときはカルダモンの生産高が、インドより高かったらしい。これが今も続いてコーヒーと並ぶ主要産業になってるの、すごいと思う。


■気になるトピックス

・カルダモンロールが〜と言いながら、北欧がランキングにない。
でも国内の一人当たりのカルダモン消費量はスウェーデンはインドとほぼ一緒らしいです。ランキングに入ってこないのは単純に人口の問題。だから北欧の人はカルダモン好き。それ以上にサウジ一人当たりの消費がスウェーデンの20倍とかの可能性があるそうなので異常。

・コロナ禍は値段が爆上がりしたけど、少し戻ってきたようです。2020年〜2021年がピークで今はそのレート価格は半額近くまで下がった?

・中国、ベトナム、ラオスの山岳地帯でも作られるように。タイを通じて輸出してるそう。

考察まとめ

「カルダモン=インド」ってイメージだけど、インドは基本的に地産地消。グローバルで見ると中東がカルダモンのビジネスフィールド。特にサウジアラビア。それに気づいてたドイツ人がグアテマラのカルダモンマーケットを作ったっぽい。イケてる。


酒好きは注目。カルダモン焼酎

\この回で話している「カルダモン焼酎」のラベルはこちら/

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スパイスを使ったカレーに合う焼酎を、というリクエストに応え、7回の試作を重ねて誕生した、米焼酎ベースのスパイスリキュールです。専用の米焼酎と、スパイスの王様カルダモンをふんだんに使用し、爽快なカルダモンの香りと米の甘やかさを感じる味わいに仕上げました。ラベルには、完成の前夜にタンクの横に現れた幸運の使い・白く輝く蛇を描きました。

豊永酒造 HPより引用 


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カルダモンの世界 《歴史 研究編》はこちら

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