見出し画像

CURIO SCHOOL 学大教室 通塾生インタビュー #01 片岡詩和さん

CURIO SCHOOL 学大教室について

CURIO SCHOOL (キュリオスクール)学大教室では、小中学生対象に、様々なものづくり、ことづくりのプロジェクトを通じて、デザイン思考をベースとした創造的なマインドとスキルを育むプログラムを提供しています。

学大教室では2〜3ヶ月ごとのプロジェクトベースで実施します。個人でテーマに対して課題を設定し、課題が解決できるアイデアを考えます。プロトタイプをつくり、アイデアの価値をためすというサイクルを繰り返していきます。フィールドワークやデザイナーからフィードバック、外部コンテストへの出展など社会と接続しながら学びを深めていきます。

今回は毎年5-6月に実施しているキャンププロジェクトを紹介します。

キャンププロジェクト

デザイン思考のプロセスをベースとして新たなキャンプ道具をデザインします。実際にデイキャンプ(フィールドワーク)を行いながら、キャンプの様子さぐり、プロトタイプを作って課題が解決できているか試していきます。

第1回授業では、デイキャンプに行きフィールドワークを行います。火おこしやバーベキューなどを体験することを通じて課題を発見します。

第2-3回授業では、フィールドワークで見つけた課題から取り組みたいテーマを1つ決めてプロジェクトを進めていきます。課題を解決するアイデアを考え、形にして、課題が解決されているかを検証します。

第4回授業では中間発表を行い、プロのデザイナーさんからフィードバックをいただきます。

第5-7回授業では、いただいたフィードバックを受けてアイデアを改良します。プロトタイプを作り、アイデアを検証していきます。

第8回授業では、プロトタイプを見せながら改良したアイデアをデザイナーさんに発表します。

通塾生へのインタビュー

今回は小学校1年生から9年間通塾してくれている片岡詩和(ことな)さんにインタビューしました。ことなさんはCURIO SCHOOLがサポートしている中高生向けのイベントMONO-COTO INNOVATION 2023で入賞しました。(インタビューアーは弊社スタッフ角田)

インタビューに答える様子(中1)

角田 キュリオスクールにはいつから通っているんだっけ?

ことな よく覚えてないけど小1くらいかな?

角田 もう6〜7年前ぐらいか。入ったきっかけは覚えてる?

ことな お母さんに面白そうだから入ってみたらって言われて、体験に行ったかな。体験授業をやってみて、面白かったから入った。

角田 それで7年間続けるってすごいよね。

ことな 楽しかったから!

角田 キュリオでは、色々プロジェクトをやってきたと思うんだけど、楽しかったものや印象に残っているのとかある?

ことな 印象に残っているのはパラパラ漫画かな。低学年の時にやったやつ。主人公の名前は覚えてないんだけど、なんちゃらくんが大量の食べ物の山を見つけて、食べて持っちゃうってストーリー。全部自分でストーリーも考えた。それとオリジナルマップを作るプロジェクト。遊園地の地図を渡されて、自分でオリジナルの地図を作ったんだけど、最後までやりきれなくて…作品は今も残してあるんだけど、その度にこれは最後どうやってまとめたかったんだろう…って思い出すから印象に残ってる。でもキュリオスクールでやったプロジェクトは全部楽しかった!

地図を作るプロジェクトの様子(小3)

角田 それは何よりです。さっきからたくさん楽しいって言ってくれてるけど、特にどこが楽しい?

ことな 全部楽しいけど、自由なところ

角田 キュリオ以外は自由じゃないのかな。

ことな お絵描き教室とかは自由かな。 小学生は毎月テーマが決まっていだけど、中学生になってから自由に好きなものを描いてよくなった。自由に好きなことができるから最近楽しいかな。

角田 自分で自由に色々やれるものが好きなのね。

ことな あと今のアイデアすごい!と感じた時。すごいよくわかった!みたいなのがあると嬉しい。

角田 例えばどんな時?

ことな 自分でも思ってもみなかった発想した時かな。キャンププロジェクトでは、最初は全く考えてなかったアイデアが最終的にすごくよかった。

角田 どんなプロセスでアイデアを生み出したの?

ことな まずみんなでキャンプに行って、バーベキューしたり、遊んだり、とても満喫して楽しかった。ただデザートでマシュマロを食べる時、困りごとを発見して…すごく美味しかったんだけど、家に帰ってお風呂で髪を洗ってたら、髪の毛にマシュマロが付いているのに気付いたんだよね。それが本当に嫌で嫌で…マシュマロを食べた時に口の周りについてベタベタするのも嫌だったんだけど、夜まで髪の毛についてたのが更に嫌だった。だから髪の毛にマシュマロがつかないようにするアイデアを考えようと思った。

角田 最初は今とは違うアイデアだったよね?

ことな 最初はメガフォンみたいなのを口の周りにつけて、マシュマロを食べるアイデア考えていたんだけど、プロトタイプテストの段階でダサいなって気付いて…半透明だったから見えづらかったしね。口の周りに何かつけるんじゃなくて、逆にマシュマロ自体に何かしようというアイデアに変更した。マシュマロにカバーをつけようと思って、エリザベスカラーみたいなのをつけた。そこからちょっとずつ変えていったかな。

オンラインで説明する様子(小6)

角田 試行錯誤して、納得できるアイデアを考えていたんだね。

ことな 困りごとの原因は風で髪の毛がなびいてしまうことだと思っていたから、風から髪を守るにはどうしららいいかを考えていた。でも風から髪を守るアイデアでも、口の周りにくっついちゃって、変わらずベタベタしてた。マシュマロを竹串に刺して焼いて食べたんだけど、食べようとするとマシュマロも落ちてくるのが、本当使いづらくて…マシュマロカラーは最初は普通に別売りにしようと思ってたんだけど、専用のものを持っていくのは面倒臭いなって気付いたからマシュマロの袋にくっつけることにした。納豆みたいに、パッケージの端が切り取れて、マシュマロ保護カバーになるようなアイデアを考えて試してみたら、これは楽だって気がついた。

オンラインで説明する様子(小6)

角田 なるほど。ことなさんは、困りごとを見つける時に、面倒くさいなから考えることが多いかなと思ったんだけどどう?

ことな かなりそう。面倒くさいなは重要。

角田 それから楽になるといいなと思って、アイデアを考えていくんだね。面倒くさいことを改善するのって難しく無い?

ことな 難しいね。でも私は面倒臭いなって思うと、やらないことが多くて…最近だと期末の課題なんかも面倒くさい。でも面倒くさいで放っておくとあとで地獄を見ることになるから、どうにかしたいと思ってる。だけどやらなきゃいけないから、ちょっとずつ頑張ってる。

角田 普段の生活で面倒臭いなを解決するために工夫していることとかある?

ことな 私は部屋とかロッカーとかよく汚くしちゃって…学校のロッカーにはファイルと教科書を一緒に入れてるんだけど、仕切りも何も無いからよく混ざっちゃうんだよね。ファイルの中に教科書が入り込んでしまう時があって、授業前に探しても全く見つからないの。その度に先生に教科書忘れましたっていうことが何回かあったから解決しなきゃって思った。そこでファイルの中に無印良品で買った仕切りを入れて、教科書と混ざらないようにした。それから、教科書が見つからなくなることは少なくなったかも。

簡単に片付けができるようになるアイデアをプレゼンする様子(中3)

角田 すごい!課題が解決して良かったね。キュリオでやったことで生活に生かしていることはある?

ことな 自分プロジェクトで作ったアイデアを使って、ゲーム制限はしている。課題をやらなきゃいけないのに、よくゲームで遊んじゃう。だからゲームを取り出すのが面倒くさくなるアイデアを考えて、自然にゲームをやらないようにした。まず、ゲームを棚に入れて、自転車の鍵をかけて開かないようにする。お兄ちゃんにパスワードを適当に設どこかに隠してもらう。家の中に隠したから、探せば見つかるけど、逆に探さないと見つからない。探さないといけないのが、私の中で面倒くさいことになった。探さなくちゃいけないなら、課題をやった方がいいなと思って課題に集中できるやるようになった。

角田 すごい自分の性格をよくわかってるね。面倒くさがりだからこそ、その特性を活かしたアイデアを考えたんだね。

ことな 面倒くさいだけじゃなくて、褒められると伸びるタイプだから褒められる仕組みを考えている。今は、課題が減ったのが目に見えるアイデアを作っている途中。叱られてやりなさいじゃなくて、褒められる方が私には合っていると思ったから、褒められたと感じられるようなアイデアを考えている。

角田 すごく自分の性格を理解してるね。

ことな 褒められるのが好きだから、どんなことでも報告して、褒めてって言うことはある。お母さんとかお兄ちゃんとかお父さんとかにも、私は褒められる たら伸びるタイプだから褒めてねってアピールしとく。

角田 家ではキュリオの話はするの?

ことな キュリオがある日は、考えたアイデアとか話すかな。新しい子が入ってきた話とか。褒めて欲しいから、すごいでしょ、褒めてって話す。

角田 ご家族のリアクションとしてはどんな感じ?

ことな 本当に聞いてくれているかわからないけど、へーとかそうなんだとか反応は返ってくる。特にお父さんはデザインの仕事をしているから、アイデアの話をすると「どうしてこのアイデアにしたの」って聞かれることは多い。ただ聞かれたら聞かれたらで、若干面倒くささを感じてしまうから、返事が適当になってしまうこともあるかな。ありがたいんだけどね。

オリジナルのボードゲームのテストプレイをする様子(中2)

角田 7年間通った中で変化を感じることはある?

ことな 考え方。前より深く色々考えるようなって、アイデアが豊富になった。4年生か5年生でやったコンビニプロジェクトで、ポップコーンのアイデアを考えた時は1つのアイデアしか出てこなかった。最近改めて考えてみると、 いろんなアイデアが浮かんでくる。例えば、ポップコーンの袋を小さくしたら食べやすくなるんじゃないか、とか。あとポテチの残りカスを美味しく食べるアイデアとか。最後の食べかすって美味しいけどあんまり食べられない。だからあえて砕いて食べるアイデアは面白いかもって思うことはある。これはポップコーンにも応用できそうだなとか。

角田 いい変化だね。他にはある?

ことな いろんなプロジェクトでアイデアを考えるから、応用しているかな。この間、パッて出てきたアイデアは、前のプロジェクトで出てきたアイデアを参考に考えた。逆もあって、今回のプロジェクトではちょっと失敗だったけど、 これ前のプロジェクトだったら使えたなみたいな。

角田 今までのプロジェクトが積み重なってるんだね。では、これからキュリオに入るか悩んでいる人がいたらどうする?

ことな 考えるのが楽しくなるから入りましょうって誘う。キュリオで考えることは楽しい。国語の問題みたいになんかよくわかんない問題じゃなくて、問題が身近なことだから楽しい。

角田 確かに。ポップコーンの問題を解きましょうか、なんて学校でやらないよね。

ことな 学校の文章題はちょっと面倒くさいけど、キュリオでは自由に問題解決できる。それに答えがないから好きなように答えられるのがいいところかも。

保護者の方へのインタビュー

ことなさんのお母様へインタビューを行いました。

Q. キュリオスクールへ通い始めたきっかけはなんですか。

キュリオスクールへは、娘が小学1年生の時に入会しました。小学校入学時に学童保育に通うことは決めてたんですけど、昔から学童は何もしてくれないよと言われてたので、学童の時間にできるお稽古を探していました。色々探していたら、たまたま学芸大にキュリオスクールがオープンしますという告知をみて、おっ、まさにと思いました。しかも当時は学校に迎えに来てくださるっていう素敵な制度があって、娘が通っていた学童にまで迎えに行ってくださいました。私がフルタイムで仕事しており、連れていきたいんだけど連れていけないことがあったので、迎えにきてくださることはとてもありがたかったです。それに娘もキュリオに行く道でファシリテーターの方とお話しできることが楽しかったようで、よく話をしてくれました。なので最初はデザイン思考を身に付けされたいとかではなく、お稽古の一つで、なんか面白そうだぞ、学童の時間で建設的なことをさせてくれそうだと思ったのがきっかけです。お勉強ではないことをさせたかったというのはあります。

フィールドワークでインタビューする様子(小6)

Q. どうして勉強以外のことをさせたかったのですか。

当時から娘はお絵かき教室とバレエ入っていて、小学校入学を機に英語の学童にも行っていました。ただ次第に英語の学童はもう行かないと言い出して…ただそれでもキュリオは絶対やめないと言っていました。なので、好きなことをやったらいいんじゃないかと見守っていました。中学受験の時期になるとお友達がパラパラと習い事を辞め始めたので、ああ来たなと思っていたんです。私たちは勉強させたいわけではなく、これから自分の道を見つけるきっかけを作って欲しいと思っていました。ただ小学1〜2年生は課外活動に参加したくてもできないことが多いです。だからキュリオスクールへは仲間と一緒に何かする良さを学び、将来に繋がる経験をさせてくれることを期待していました。

Q.娘さんが続けた理由はなんでしょう?

居心地が良かったのはないでしょうか。現在もですが、昔からファシリテーターの方は優しいです。当時夏休みに、自由研究を一緒にやってくださるプロジェクトがありました。小学1・2年の頃ですかね。娘はじゃんけんで、どれをだすと勝率が上がるかというテーマで自由研究でやりました。プロジェクトでは最後にプレゼンテーションがあったのですが、娘は全然話さなかったんです。いつもあんなに喋っているのにもじもじしているし、親としては正直この子なんかやる気あるわけ?と思っていました。ただファシリテーターの方々は「全然大丈夫ですよ〜」と言ってくださって、その場で怒っているのは私だけだったんですね。娘はあの夏休みがとっても楽しかったみたいで、今でもその時の話をしています。

Q.学大校教室に通塾してからの変化はありますか。

正直小学3年生ぐらいまでは本当にキュリオがあるときにしかやらないし、期待しているほど、何かが上達しているとか、目に見える成長はありませんでした。プロジェクトをやっても、週1限定だし、発表聞いててもすごい適当にやっている気がしていました。娘の取り組み方には思うところはありましたが、ここまで口出さないようにしようと、我慢していました。ただ小学4年生くらいから、他の先生より私の方が長い、他の友達より私の方が長くいるんだというのが自信につながっていきました。私は、人間長く居座っているだけじゃだめなのよ、と思っていたのですが、娘はちょっとずつそれを自信に変えていきました。それから最終プレゼンでちゃんと発表したり、MCIの特別枠で小学生のうちから大勢の前で発表したりするようになりました。MCIでちょっと歳上の人たちが頑張っているのを見たことも影響がしているかもしれません。またキュリオのプログラムも少しずつ変化しており、2020年頃からデザイナーさんからフィードバックをいただける機会が増えてきました。個人活動が増えたから、前よりもっとやらなきゃいけないみたいな意識が向いてきたように感じます。中学受験でやめるのはもったいない、このまま頑張ろうと思って、今までやらせていました。

Q.昨年の夏休みはMONO-COTO INNOVATION 2023(以下、MCI)
に参加いただきましたが、変化はありましたか?

課外活動というか、MCIが終わってからもプロジェクトを進めているようです。受賞はしたけど、1位ではなかったみたいなので、自分たちのアイデアを企業に持っていきたいと考えているようです。地方のお友達が東京に来る時に、一緒に視察に行っています。最初、事情を言わないで土曜日に「週末遊びにいっていい?」と聞かれたのでどこに行くか聞きました。娘から「言えないけど繁華街」と言われて、思わず「いけません!出せません!」と静止してしまいました。他の日にも金曜日の夜に新宿にいきたいと言われたので理由を聞くと、ようやくMCIでのアイデアを企業にプレゼンしたいというのを教えてくれました。それからどうぞ行ってくださいと送り出しました。中2の夜に週末に繁華街と行くとかどうしたの?とか思うじゃないですか。でも言ってくれたらちゃんと応援します。それに自分たちで自発的に行動することが増えていきたのが私も主人も嬉しい限りです

MCIでのグループワークの様子(当時中2)

Q.どうして嬉しかったのでしょうか。

ずっと何かに一生懸命になってほしかったんです。小学校1年生の時から求め続けていたんですけど、週1の授業でしか集中力は続かず、Youtubeに負け続けてきました。ただこの夏、MCIにで集中してやったというのが良かったと思います。娘が初めて何かに頑張り始めたなと感じました。もちろん今まで頑張っていたことはありますが、すごく嬉しかったです。親から見ていると、娘はみんなの前で一生懸命集中している風が得意です。家でいつもやっていますと言いますが、こっちから見ていると本当に授業の時間しかやらない。終わると片付けないですぐにYouTube見始めることもありました。思うことがあってもグッと堪えて、言わなかったですけどね。なので、MCIに参加してから娘の変化を実感し始めたのかなあとも思います。中学生は頑張っているのが恥ずかしいとか、かっこわるいとか、ちょっと遊んでみたいとか、楽したいとか、考える時期だと思います。ただその時期にいいお友達に出会えて、一生懸命に何かに打ち込んでいいんだって思えてもらったのが、私としてはすごく嬉しくて安心しています。本当楽しそうにやっていますね。キュリオのファシリテーターの方たちが、教室以外でも助けて下さっているのもありがたいです。前は夜にインタビューに答えていただいたようです。親では受け入れてもらえないので、そういう存在の人たちがありがたいです。娘は結構責任感はあるので、これはあなたがやってくださいっていうとやる性格です。ただ、そこに行くまではちょろまかすので、家族以外の第三者が見守ってくれる環境は嬉しいです代表の西山さん(も記事に書いていましたが(https://toyokeizai.net/articles/-/711063)、中学生からの変化が目覚ましいです。ちょうどやりたいこととできることが合致するなと、娘を見て実感しました。1つのことに没頭したり、仲間と一緒にやりはじめる姿を見て、ようやくなんか何も気にせず、頑張ってと言えるようになりました

(インタビュー・文章:角田・田中)

学大校教室やインタビューの詳細は、弊社担当までお問い合わせください。
CURIO SCHOOL学大教室
Instagram
Facebook
担当 j-tanaka@curioschool.com(田中)


この記事が参加している募集

探究学習がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?