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涙を流して飯を食らえ【創作:読めるラジオ】

[この番組は、ひとりっ子のひーちゃんが視聴者の様々な悩み・愚痴・不安・期待を自分の事のように真剣に考える視聴者一体型ラジオです。]

[なお、ラジオ内容は全てフィクションです。特定の人物とは一切関係ありません。すべて作者の妄想です。]



皆さんこんばんは。
ひーちゃんの日常、始まりました。
皆さんのお相手を務めますのは、生まれてこの方ひとりっ子、ひーちゃんです。

この番組は、リスナーが抱えているモヤモヤをひーちゃんの主観100%でお話していきます。
もしかしたら、傷付く方も、救われる方もいるかもしれません。「こんな考えをする奴もいるもんだ」と軽い気持ちで捉えてくださいね。

それではさっそく参りましょう。
ラジオネーム[崖っぷちガール]さんからです。

[ひーちゃんこんにちは。私は中学を卒業し、4月から高校生になる15歳です。先日公立高校の合格発表がありました。結果は不合格。4月からは滑り止めで受けていた私立に通うことになります。必死に勉強してきた分、落ちた時はショックで、家に帰ってすぐに家族の前でボロボロ涙を流してしまいました。もうすぐ私立の説明会もあり、気持ちを切り替えないといけないのですが、どうしてもそんな気分になれません。私は立ち直ることは出来るでしょうか。ひーちゃんは挫折を味わった時、どうやって乗り越えていましたか?教えてください]

崖っぷちガールさん。メッセージありがとうございます。

まずはご卒業おめでとうございます。中学3年間、きちんと通えて素晴らしいです。これからも中学で得た経験を生かせると良いですね。
でも今は、そんな明るい気持ちにもなれないでしょう。そんな時にメッセージを送って頂いてありがとうございます。


3月のこの季節は、崖っぷちガールさん以外にもたくさんの方が「卒業」そして「入学・入社」「新しい場所へのステップアップ」をするのでしょうね。私の幼馴染も、4月から社会人2年目になり本所属先が決まったそうです。みんな踏み出していて偉いなと思います。


崖っぷちガールさん。
私は、今は無理して明るい気持ちにならなくても良いと思います。
大人になったら少しずつ分かってきますが、人が明るくしていなきゃいけない時は、金銭が発生している時だけです。それ以外は、人に迷惑を掛けないくらいには騒いだって何も言われません。それに、崖っぷちガールさんは家に着いた時に泣き出したと仰ってました。家族になら好きなだけ迷惑掛けて良いと思います。むしろこの経験に悔いが無いように、めちゃくちゃ泣いてやりましょう。

実は私は、あまり挫折経験がありません。
それは、何でも成功してきたというよりは、挑戦をしてこなかった人生だからです。

挫折というのは、今の自分では叶わないかもしれない、でも挑戦してみたいと努力する人だけが経験出来る特権だと思っています。私みたいな時の流れに身をまかせながら生きてきた人間は、高校に上がる時にはその経験はありませんでした。ギリギリいけるか、みたいな高校を受験してなんとなく受かってるだけです。

でも、崖っぷちガールさん含めた、この時期に何かしらの「挫折」を味わった皆さん。あなた方は、本当に特別な人達なんです。「挫折」を味わったということは、目標に真摯に向き合って、一生懸命努力したということです。そのためならどんなことでも頑張れると、自分を目標に捧げることが出来た人です。悔いのないように、目標に向かって真っすぐ突き進んだ人です。

おうちで流したその涙は、努力の結晶です。

今はまだ、それを誇りに思うくらいの余裕さは無いと思います。でもその経験がいつか、貴方を助けてくれるはずです。


私が貴方の立場、もしくは貴方の1番近くにいる大切な人なのであれば、まずご飯を食べます。

不合格だからとか、努力が足りなかったからとか、そういうの一旦良くて。何をしていてもお腹は減るし明日はやってくるから、それに備えて好きな物をたくさん食べるのです。焼肉?寿司?お菓子だって良い。好きな物をたらふく食べて、泣きたかったら泣けば良いんです。そしたら疲れて眠くなるから、満足するまで寝たら良い。

それを続けていると、なんだか生きてるだけで正解な気がしてきます。そうです、その通り。学生のうちは、生きてるだけで正解なんです。

その時に何も言わず隣にいて、同じように食べて同じように泣いて、同じように眠ってくれる人が、貴方が一生大事にするべき人のはずです。

ひーちゃんは、すぐ隣にはいれないけれど、ここでいつでも貴方を待っています。
食べ過ぎで太ったって、泣き過ぎて目が腫れてたって、行きたい高校に行けなくたって、貴方はそのままで十分素敵な人です。私が保障します。


改めて、卒業おめでとうございます。崖っぷちガールさんのこれからの人生が、素敵なものになりますように。


以上、ひとりっ子のひーちゃんでした。

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