出来るんだから逃げるな『2023.11.17』
ずっと隠していたアイデアを、ようやく文章にしようと思い立って二日。一日一万字のペースで書き進めている。
集中力を小分けにすることが出来ない話を、いつかの日記に書いた気がする。
だから毎日六時間くらいぶっ通しで書き続けている。
何時間やったら五分休憩。その後また再開する。そんな動きが出来る人って、人類にどれくらいいるんだろうか。
いつかの日記はここまでしか考えていなかったけれど、どうして自分が集中力が無いのか、集中しようと思って集中することが出来ないのかを考えることにした。
そして分かったのだ。
私は、「集中力出来ない」わけじゃなくて「集中から逃げている」のだ、と。
大学時代、秋口は卒業論文に追われていた。ゼミの先生は、落ちこぼれの私達の為に、論文の締切を五、六回設定していた。理由は「一発の提出でろくな物ができる訳無いから」。
今思えば全然信用されてない。でもその通りで、最終提出までに通らなければいけない関門を用意してくれていなくては、私達は卒業すら危うかったのだ。
だとしても執筆はギリギリ。0:00提出にも関わらず、23:59:56まで書いたりしていた。
どうしてそんなに締切に追われていたかというと、事前にこなせていないからだった。
机に向かってもやる気が出ない、書こうと思っても案が出てこない。その繰り返しで結局数時間しかやらない。大学時代だけではない。私の人生全てがギリギリだ。
そして今。好きなことの為にパソコンに向かっている。なのに手を付けられないという事態が起きた。
書きたいのに書けない。「思い付かない」と逃げ出して、気付けばスマホを掴んでいる。
これか。
そうか、ここだ。私は気付いた。
私はただ、考えることから逃げているだけだ。
ぼーっとしているだけでもアイデアが溢れていた社会人時代。早く書きたいと思いながら仕事を片付けていた頃を思い出す。
私はこの時、書きたくて書きたくて仕方がなかったというのに、この状態はなんだ。
私は逃げることに慣れてきた。
上には上がいると思うことにして、なんでもかんでも諦めてきた。それで良いと思った。
諦めたら何も出来なくなってしまうんだな。
二十三にして初めて気付かされた。
私はパソコンに向かい、執筆途中の文章を見つめた。
逃げるな。私なら絶対に思い付く。逃げるから思い付かないのであって、私は出来るんだから。
自然と手が動く。
キーボードをこれでもかと早く打つ。
私は出来る子なんだからと唱えた。
働いていた時の私が、本当に羨んでいたこの状態。好きなものを書きたい時に書けるこの環境。大切にしなければならない。
私は私から逃げない。そうすればきっと、見てくれる人がいるから。
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