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普通って『2023.10.3』

2023年10月3日。

今日は職務経歴書を買いに行った。
職場の服をクリーニングに出した。
学生時代のバイト先に行って、会社を辞めたことを伝えてきた。

全部徒歩圏内ではあるけれど、「久しぶりに自転車乗ってきたら?」と言われて、物置から自転車を出した。

休日に一度だけ乗った気もするが、仕事を初めてからはほぼ乗っていない。
高校の時は毎日登校に使い、大学の時は時間ギリギリまで寝て立ち漕ぎでバイトに行っていたというのに。

物置も自転車も、何も変わっていなかった。

6段階切り替えの自転車。
常に6にしているのは、「6で早く漕げばどの段階よりも早く進めるんだ」という母の謎理論を受け継いでいるからだ。

結構な力仕事が多く、走り回ることも多かった前職。運動不足は特に感じていなかったはずなのに、なんだか自転車が漕ぎづらい。

前職の運動は、運動とは言えなかったのか……

大人しく段階を下げた。

私の住む地域は、もうすでに冬が顔を出している。
ただ歩くだけでも寒いのに、自転車は風が直撃する。震えながら足を動かす。

でもこの感じが、懐かしい。
学生時代、いや、生まれてからずっとこの感覚で過ごしていた人間としては、これが普通なんだろう。

6段階目の自転車。
寒い秋。
体全面で受ける強い風。
変に凸凹な歩道。
点灯時間が少ない青信号。

私はこれらの当たり前に育てられて生きてきた。
それを失っていたことに、今気付く。

大切なものは失ってから大切なものだったと気付く。

今なら分かる気がする。

日常は、普通な暮らしがあるからこその日常で、新しい日常に変わると、あの時は良かったなと過去を振り返りたくなる。

どうせ振り返るのなら、戻りたいと思うのではなく、今から大切にしようと思えるようになりたい。
この日々は、いつまで続くから分からないけど、それまで、一つ一つの日常を大切にしていきたい。

私の日常は、生きてきた証だ。

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