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私と世界の1時間『日記:2024.2.20』

起床時間を1時間早めて、就寝時間を1時間早めて1週間が経った。

仕事を辞めた時、友達に起床時間を伝えると「羨ましい」と言われたことがあった。
私も働いていた時は、早番だろうが遅番だろうが遠い職場に行くには家族の誰よりも早く起きて出発していた。だから友達の言うことがよく分かったし、普通に働いている人は、大体起きる時間が決まっていることに気付いた。

仕事をしていた時は異常な程早起きだったけど、私の夜型人間暮らしは治癒されることは無かった。休日は特に、遠い国への旅行で時差ボケで眠る時と同じように深く眠っていた。


母が夜型人間だった。子どもの時から誰よりも遅く寝て、誰よりも遅く起きる人間だった。
初詣は行かない、ラジオ体操も行かない。そんな親から産まれているのだから、私もそんな子になるのは必然だ。

でも、父は私より1時間早く起きて仕事に向かう。

父は朝型人間なので、休日でも朝には起きている。私が苦しみながらベッドから起き上がる時間に、父は車を回して雪道を走っているのだ。

起床時間を1時間早めているせいか、朝の情報番組を1時間長く観ることが出来ている。知らないコーナーやゲストがいることが何だか新鮮だった。
この時間に準備する人、寝坊で時間に追われている人、父のように既に外に出ている人、職場に着いている人。この1時間に、世の中のたくさんの人が動いていることが、情報番組の左上に飾られている時計から見受けられた。


私はその人達と見合った時間に起きて、何かを比べているのだろうか。
朝から必死に働いている人と同じ時間に起きることで、自分も社会に貢献している気でいるのか。

なんだか今日は、途轍も無く自己嫌悪に陥った。

朝の情報番組を見る間も無く出掛けた父や、既に始業している友達と、張り合おうとしてるのだろうか。

それはまた違って。
不安が押し寄せているのだと思う。


ただ、目覚めし時計を1時間早めただけだ。
ただ、寒がりながらもベッドから起き上がる時間を1時間早めただけだ。
ただ、朝食を食べる時間を1時間早めただけだ。

それなのに、それだけなのに、

私の時間が世間と同様に進んで行くのが怖いと思った。
世間と同じ時間を過ごしているだけだけど、周りと同じようなことは何も出来ていない。


何かから置いていかれている私が、今出来ることはなんだろうかと、一日中考えてしまった。

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