社会福祉法人 聖隷福祉事業団|インクルーシブデザインワークショップ実施レポート
この度、社会福祉法人 聖隷福祉事業団様と"病院での患者体験"をテーマにしたインクルーシブデザインワークショップを実施しました。
本ワークショップでは、地元地域の大学である静岡文化芸大学の学生の皆さんと共同でチームとなって約20名の方々と実施しました。多様な出席者と立場の交流もあいまって、様々なアイデアが飛び交う充実したワークショップとなりました。
今回のワークショップでは、「インクルーシブな社会」を深めるべく、健常者だけでなく、高齢者・障害者・外国人など多様な人々の視点から課題を発見し、アイデアを創出することを目的として開催いたしました。
今回のワークショップでは、3つのテーマに分かれて、インクルーシブな病院をテーマにアイデアを参加者の方々と共に考えました。
① 院内の売店で商品を買う
② 院内のレストランで食事する
③ リハビリを行う
どのテーマも多様性の視点を持つことで、見直すことができそうなテーマです。チームごとに、取り組みたいテーマについて意見を出しながら1つに決めました。
ワークショップの冒頭には、レゴを使ってウォームアップすることで聖隷福祉事業団の皆さんと学生の皆さんのチームワークが生まれました。終始コミュニケーションが活発で、賑やかな雰囲気でスタートいたしました。 ワークショップでは、フラットに意見を言い合える心理的安全性の情勢と環境づくりも、CULUMUでは大切にしていることのひとつです。
次に、さまざまなNPOの方々の声を集めた『インクルーシブペルソナカード』を使ったテーマの深堀りをチームで行います。「この人は病院で快適に過ごせるだろうか?」という問いをカードごとに繰り返しながら、チームで選択したテーマの理解を深めていきます。
青(容易に利用可能)、黄色(利用困難な場合がある)、赤(利用不可)の三段階でカードを分類し、テーブル上に敷かれたマップ上にカード(リードユーザー)を配置していきます。この手順で、カードが全て無くなるまで順番に引いてマッピングをしていきます。時折カードの裏面に記載されているより詳細な情報も見つつ、様々なリードユーザーの方々について考えます。どのチームもリードユーザーの気持ちになって、共感を出発点として考えている様子が伺えました。
今回はカードを使っていますが、インクルーシブデザインの取り組みでは、多様な方々にプロジェクトメンバーとして実際にご参画いただき、課題出しからアイデア創出・検証まで一心同体で取り組みます。
そして、参加者それぞれがテーマごとに、これまでの経験を踏まえつつ「こんな病院があれば良いのではないか」「こんなサービスを実現してみたい」といったインクルーシブなアイデアをHow might weという手法を活用しながら考案しました。
いよいよ、3時間のワークショップの醍醐味。それぞれのアイデアを全員でプレゼンテーションしました。どのアイデアも既存の病院の枠組みや当たり前から良い意味で外れた斬新なプレゼンテーションで、リードユーザーの視点を取り入れた素晴らしい提案ばかりでした。
最後に、弊社の川合からインクルーシブデザインに取り組む意義の一つに「Solve for one, extend to many(1人の課題を解決することで、より多くの人々にとって価値を作る)」という言葉をご紹介しました。
多様な人々の視点から特定のニーズに気づき課題を解決することで、結果として多くの人に価値提供される様なサービスや仕組みを創り出せることを説明しました。
参加者の声
ご参加いただいた聖隷福祉事業団、静岡文化芸術大学のみなさま、ありがとうございました!
インクルーシブデザインワークショップ事例
・カシオ計算機株式会社様
・株式会社Muture様
(丸井グループとGoodpatchのジョイントベンチャー)
CULUMU主催
「インクルーシブデザインワークショップ」
多様性の理解を起点として、共創型のデザインアプローチを体系的に学ぶプログラムです。→詳しくはこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?