外へ向けて花を飾るドイツの文化
ドイツの街を眺めていると、日本とひと味違ったお花の鉢植えが見られる。
それが、これ ↓
花が外側へ向けて飾られている。
建物自体がちょっと山小屋風のレストランだから、特別な仕様になっているのでは?と思われるかもしれない。
でも、必ずしも特別な建物だけではない。普通の家でもこんな感じ ↓
ベランダだけではなく、家の門からして花で溢れている。そしてこれらの花は、家に住む人が自分に向けて飾っているわけではなく、街を歩く外の人たちに向けて飾っている。
こちらの写真は、ドイツの鉢植えを家のベランダ側から撮ったもの。ご覧のとおり、鉢植えを外に向けて飾る前提の構造になっている ↓
なぜ、自分たちが花を楽しむために飾るわけではなく、街を歩く人たちやご近所さんに向けて飾るのか。
それは、街自体を美しくしようとして飾っている、ということ。
ドイツでは「一人ひとりの住民が街を構成していて、自分もその街の一員として美しくて心地よい街づくりに貢献している」ことに意味を見い出す傾向がある。
だからそれと同じ文脈で、花を飾るときにも、家の所有者である自分たちが楽しむという目的ではなく、「街を美しくするために」という目的で飾る傾向がある。
そうそう、それで思い出したことが。
僕が日本に帰ってから、いくつかの街を歩き回ってみた。その目的は「どんな街だったら、僕にとって心地よくて住みたいと感じられる街なのか?」を考えるため。
少し歩けば、明確に答えが分かった。
それは、立派な建物が立ち並ぶ街ではなかった。たとえそれがお金のかかってそうな大きな建物がならぶ街並みであっても。そういった立派な建物だけの街並みに、僕は全く心動かされなかった。
僕が歩いていて心地よかった街。それは、花や木といった植物がたくさん植えられていて、丁寧に人の手が入っていることが感じられる家や庭がならぶ街並みだった。
まとめ
如何だったでしょうか。街を美しくするために、外へ向けて花を飾るドイツの文化。
もちろん家の立地や構造から、できないケースがあるのは当然。ただ、可能な場合については家が外から美しく見えるように一人ひとりが保てば、それが街を美しく保つことにつながって、住みよい街を実現できると思う。
最後に、一つドイツで撮った動画を。
この動画は山のレストランのもの。音楽が演奏され、人々の笑い声が聞こえる(音がかなり小さめだけど・・)。そして、生きた自然で家が囲まれている。つまり「生きたもの」で溢れかえっている。
このような活気ある雰囲気は、壁で囲まれて生き物の気配がしない白亜の豪邸の並ぶ街並みよりも、よっぽど豊かで贅沢だと僕は感じる。
by 世界の人に聞いてみた
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?