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インド人による幸せ講義

【2019年春ごろにインド人から聞いた話】

友人のドイツ在住のインド人が、『幸せとは何か』をテーマに語ってくれた(*自分もドイツに住んでいます)。彼は普段からよくこの手の話をしてくれていて、この時は集大成的な内容だった。

インド人
「人間の魂が幸せになるには、3つの要素が必要なんだ。
自由(Freedom)、幸福(Happiness)、多幸感(Euphoria)。
この3つの要素は、それぞれが関係し合っている」

まずは『自由(Freedom)』について

インド人
「最初に理解しないといけないのが、僕たちは『魂』と『肉体』を、それぞれ別のものとして考えないといけない。そして自由とは、自分の『魂』と『肉体』をきっちり切り離すことができた状態のこと。何を言ってるかというと、自分の肉体が『おなかが空いた』『暑い、寒い』『あれが欲しい、これを買いたい』とか何を要求しようとも、それによって魂(自分のこころ)が左右されない精神状態にならなければいけない。そのような『魂が自由な状態』が、幸せには不可欠だ。

もちろん、体の要求を満たすこと自体は悪いことではないよ。でも、自分のこころが、その欲求を満たすことでいっぱいになってしまってはいけない。あくまで肉体は魂の入れ物にすぎないから、魂が肉体をコントロールしないと。魂が肉体の奴隷になってはいけない」

今の自分は『自由』か

という話を聞いて、今の自分はどうだろうか?と考えた。ドイツで生活していると、日本のように物や情報が溢れているわけではない。例えば街の中で目にするお店や広告は、日本と比べると遥かに少ない。テレビも見ない。ここでの生活は自分の心が乱されるような誘惑が少なく、心穏やかに過ごしやすい。そういう意味で、ドイツでの生活はこころの『自由』を得やすいかも。

次に『幸福(Happiness)』について

インド人
幸福とは、自分が興味あることや好きなことによって感じる感覚のこと。幸福は増したり減ったり、変動する。魂は人それぞれによって違っていて、何によって幸福を得られるかも人によって違う。だから自分にとっての幸福』につながるものは何なのかを見つけなければいけない」

今の自分は『幸福』か

僕にとっては、何よりもいろんな異文化の話を聞くことが、興味深いとか楽しいとかを感じる時。つまりこれが自分が『幸福』を感じるとき。自分にとっては、異文化で溢れているドイツで生活していると、日本にいる時よりもはるかに多くの『幸福』を感じられる環境にある。まあ、ヨーロッパで生活することが当面の自分の目標だったから、それが実現できている環境が幸福なのは当然といえば当然だけど。

最後に『多幸感(Euphoria)』について

インド人
「これは、『不幸せの要素がない状態』のこと。『状態』なので、基本的に安定して継続する。さっき言った『幸福』は、これとは違って『感覚』だから、現れたり消えたりするもの」

今の自分は『多幸感』があるか

自分は休日の多くの時間を、ドイツの山や湖など自然の中で過ごしている。また平日の通勤途中やお昼休みの時間であっても、日本では考えられないほど豊かな自然に囲まれた時間を過ごすことができる。そうやって豊かな自然の中にいることは、自分にとって極めて快適な状態で、不幸せを感じる要素がない。つまり『多幸感』の状態になっているはず。

幸せの3つの要素

ということで、これら3つの要素はいずれも不可欠で、かつそれぞれが互いに影響し合いながら、人の幸せ度合いが決まるとのこと。

そして上記のように、自分に当てはめて考えてみると、ドイツでの生活は自分にとって『幸せになる要素』がとてもよく揃っていると改めて思った。


そして次に、人はどうやって幸せに近づいていくかについて、話が及んだ。

自分にとっての幸せを探す旅

インド人
「人は、いろいろと経験を増やして、あれもこれもやってみようとする。けれども、人生は経験を広げること自体が目的ではない。あくまで経験を積む目的は、『自分が何をすれば幸せになれるか』を見つけ出すこと。何をすれば幸せを感じるかは人それぞれで違っていて、最初から分かっているわけではない。でも色々と経験していくと、それが理解できるようになる。そうなると、最初は例えば100の経験をして20の幸せを得ていた人が、50の経験で50の幸せを得ることができるようになる」

「最終的に望ましい状態は、あらゆる欲求(自己実現の欲求、社会的欲求等も含む)から解放されて魂が自由になった状態で、『自分の魂(こころ)が好むか好まないか』を基準にして判断できるようになれば、全ては正しい判断になる。きみの幸せにもつながる。例えば、きみの魂は人を傷つけたいと思っているか?悪いことをして嬉しいか?それはきみの魂がやりたいことではないでしょ。

そうやって、きみが自分の魂の幸せを追求する旅、それがきみ自身の人生なんだ

というように人生について教えてくれたインド人は、僕よりも一回り以上若い。でもホントよく考えている人やね、尊敬するわ。

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by 世界の人に聞いてみた

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