【あとがき】君に会うことはできないけれど、サカナクションを聴く旅に出よう
サカナクションの記事、前編・後編をご覧いただきありがとうございました。
あとがきも兼ねて、個人的な思いをここに綴ります。あとがきを先に読んでから本編に移動しても大丈夫なように書きました。
Webの記事が出来上がる過程も、普通は語られることがないので、ライターとして発信できたらという希望も抱きつつです。
この記事に書きたかったこと
コロナによる自粛期間中の執筆だったので、その暮らしぶりを反映したいと考えました。のちに「あの期間はひたすらあの記事書いてたな」と思えるような。
願わくばですが、読者の方にもそんなことを思い返していただける記事になってくれたら嬉しいなと。
でも、コロナ体験記録みたいな重苦しい記事にはしたくなかったのです。情報を伝えるとかではなくて、今だからこそ制作に結びついたという記事。
Culture Cruiseらしく、この期間を自然に伝えられる方法はないものかと、考えていました。
ライブ配信などを通じて、この自粛期間にサカナクションが気になり出したという方がとても多いそうです。
そして最終的には、サカナクションが音楽業界や文化芸術を守るために精力的に動いてくれたことを心に刻みたいと感じ、テーマが結びつきました。
その意味を表すタイトルにしたかったので、
「君に会うことはできないけれど、サカナクションを聴く旅に出よう」
とすることで、外出自粛で実際には会えないこと、だからこそ旅をしたいという願望、音楽なら離れていても一緒に旅ができるよ、という3つをイメージしました。タイトルだけで悩み散らかしました。
なぜサカナクションの記事を書いたか
元々、サカナクションさんの記事は以前から書きたかったのですが、いざ挑戦すると筆が進まない状況の繰り返しでした。
平坦な文章になってしまい、うまく表現できなかったのです。
そんな中、構想を考え始めたのは、コロナで世間が騒ぎ始めた頃、サカナクションの夢を見たのがきっかけです。
誰もいない美術館で作品を鑑賞する自分。そこにはサカナクションの曲たちが並んでいます。フレームの中でひとつひとつの楽曲が、立体的に動いていました。
曲が形となって動くなど想像できませんが、とても芸術的で美しかったのです。
彼らは単なる楽曲という枠を超えた、受け手が自由に感じ取れるクリエイティブ作品を創っているのだと、目が覚めて思いました。
まぁ夢ですけど、リスナーをそんな世界にまで連れて行くバンドなのだなと。
でもこの時点ではなんとなく始めた企画で、公開するとしてもずっと先だなーくらいに考えていました。
そして最終的に今書こうと決めたのは、外出自粛が本格化し始めた頃です。
サカナクションがYouTubeでライブ映像を毎週配信してくれたり、文化レベルで芸術を守ろうとする一郎さんの姿を、ただぼーっと眺めていることはできなかった。
この記事を書いたって、永遠に何も起きないかもしれない。
でも、発信することは何かを変えるためだけにあるのではないし、Culture Cruiseにこの記事が存在することが大事なのではないかと。
そもそも私はライターで、たとえ誰にも読んでもらえなくても、書くことしかできない人間ではないのか。とにかく伝えようと考えました。
執筆スタート
Culture Cruiseでは、全体のルールはあえて設けていないので、記事ごとに違いが出るような構成で制作しています。
最初はおすすめ曲を紹介する構成で書いていましたが、普通すぎて何のひねりもない記事、何だこれはと。まったく納得がいきませんでした。
サカナクションだって膨大な時間と労力をかけて制作をしているのだ。それを取り上げる記事が簡単に書けるはずもない。
早く気付くべきでしたね。前編・後編合わせて12,000字くらい書いたところでやめるっていう。
マンガだったら原稿用紙丸めてポイするシーンですが、さすがに使える文章は残して、コピペで移動させました。
ただ、そうなると今度は編集作業が膨大な量になるのですが。
関係なし!彼らのように新たな価値観で臨むと決意。構成から練り直し。
Web記事には、検索上位に表示されやすい雛形やルールがあるのですが、一切無視で。SEOライティングほどつまらない文章はありません。
サカナクションの音楽を聴いた時に、聴き慣れない曲構成で「あれ?」と感じるように、読者に「普通の記事とテイストが違うな」と感じてもらえる内容にしたいと思いました。
①一人に対し一方的に話しかけるストーリーテリングで終始する構成
②最初の語りかけから、だんだん「あ、あの曲の話だな」と気付く楽しさを盛り込む
③「それでは聴いてください、サカナクションで〇〇」という、なぜ急にラジオ始まるんだっていう謎な展開で統一
個人的には③が気に入っています。
真面目な空気のまま変なこと言い出すとか、泣きと笑いが混ざっちゃうみたいなのが昔から好きで、一郎さんや宮藤官九郎さんのテイストをよく参考にさせていただいています。
ああいうテンションを、記事にも取り込めないかなーと考えてるんです。
出来上がり
そして出来上がったのが今回の記事。構想から後編公開まで約1ヶ月半。総文字数は13,000字程度です。長くてごめんなさい。
最後の5日間くらいは睡眠4時間で、毎日サカナクションの夢で目覚める現象が続きました。
夢と現実を行き来して「今起きなかったら永遠に夢から戻れない!」と焦って目覚めたりしました。あれは何だったのか。
締め切りもないのに、気になるんですよね。目が覚めると「あの部分はやっぱり修正しよう」とか、考えて眠れなくなるので起きます。
そして数時間書いてまた30分寝る、の繰り返しでした。私は一体何がしたいのでしょう。どこを目指しているのか。ここに時間を割けば割くほど赤字だ。でもこういう時こそちゃんとしたい気持ちもあるので。
本当はもっと選びたい曲もたくさんあったけど、さすがにコアすぎるわ!とか、選びたくてもMVがないのでやめたりもしました。「Aoi」とかね。
また書かせていただける機会があるのならば、サカナクションさんの記事書きたいです。
文字から熱は伝わりにくいですが、実際にはぐわんぐわん泣きながら書いてます。本当に大好きなバンドです!!
ということで、この期間に私が粛々と、しかし心は熱く、書き進めていた記事を公開しました。時々読みに来て下さったら幸いです。
▼話題騒然の本編はこちらから
▼後編も
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