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十牛図

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十牛図についての考察。徐々に記事の追加、適宜補足、追記します。
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記事一覧

第一尋牛(じんぎゅう)

序 従来失せず、何ぞ追尋を用いん。 背覚(はいかく)に由って、以って疎(そ)と成り、向塵…

第二見跡(けんせき)

序 経に依って義を解し、教えを閲(けみ)して跡を知る。 衆器の一金たることを明らめ、万物…

第三見牛(けんぎゅう)

序 声より得入し、見ろ処に源に逢う。 六根門、着着(じゃくじゃく)差(たが)うことなく、動用…

第四得牛(とくぎゅう)

序 久しく郊外に埋もれて、今日渠(かれ)に逢う。 境の勝(すぐ)れたるに由って、以って追…

第五牧牛(ぼくぎゅう)

序 前思纔(わず)かに起これば、後念相随う。 覚(さとり)に由るが故以(ゆえ)に真となり…

第六騎牛帰家(きぎゅうきか)

序 干戈(かんか)已(すで)に罷(や)み、 得失還(ま)た空ず。 樵子(しょうし)の村歌…

第七忘牛存人(ぼうぎゅうぞんにん)

序 法に二法無し、 牛を且(しばら)く宗と為す。 蹄兎(ていと)の異名に喩え、 筌魚(せんぎょ)の差別を顕わす。 金の鉱より出づるが如く、 月の雲を離るるに似たり。 一道の寒光、 威音(いおん)劫外(ごうげ)。 頌 牛に騎(の)って已に家山に到ることを得たり。 牛も也(ま)た空(くう)じ人も也た閑(しずか)なり。 紅日三竿猶(なお)夢を作(な)す。   鞭縄(べんじょう)空しく頓(さしお)く草堂の間。

第八人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)

序 凡情脱落し、 聖意皆な空ず。 有仏の処、 遨遊(ごうゆう)することを用いず、 無仏の…

第九返本還源(へんぽんげんげん)

序 本来清浄にして、一塵を受けず。 有相の栄枯を観じて、無為の凝寂(ぎょうじゃく)に処す…

第十入鄽垂手(にってんすいしゅ)

序 柴門(さいもん)独り掩(おお)うて、千聖も知らず。 自己の風光を埋(うず)めて、前賢…