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第七忘牛存人(ぼうぎゅうぞんにん)

法に二法無し、

牛を且(しばら)く宗と為す。

蹄兎(ていと)の異名に喩え、

筌魚(せんぎょ)の差別を顕わす。

金の鉱より出づるが如く、

月の雲を離るるに似たり。

一道の寒光、

威音(いおん)劫外(ごうげ)。

牛に騎(の)って已に家山に到ることを得たり。

牛も也(ま)た空(くう)じ人も也た閑(しずか)なり。

紅日三竿猶(なお)夢を作(な)す。  

鞭縄(べんじょう)空しく頓(さしお)く草堂の間。

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