第十入鄽垂手(にってんすいしゅ)
序
柴門(さいもん)独り掩(おお)うて、千聖も知らず。
自己の風光を埋(うず)めて、前賢の途轍(とてつ)に負(そむ)く。
瓢(ひさご)を堤(さ)げて市に入り、杖を策(つ)いて家に還る。
酒肆(しゅし)魚行(ぎょこう)、化(け)して成仏せしむ。
頌
胸を露わし足を跣(はだし)にして鄽(てん)に入り来(きた)る。
土を抹(な)で灰を塗り笑い腮(あぎと)に満つ。
神仙を用いず真の秘訣
直(た)だ枯木をして花を放って開かしむ。
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