見出し画像

第九返本還源(へんぽんげんげん)

本来清浄にして、一塵を受けず。

有相の栄枯を観じて、無為の凝寂(ぎょうじゃく)に処す。

幻化に同じからず、豈に修持を仮らんや。

水は緑に山は青うして、坐(いなが)らに成敗を観る。

本に返り源に還って

已(すで)に功を費やす。

争(いかで)か如(し)かん直下(じきげ)に

盲聾(もうろう)の若(ごと)くならんには。

庵中には庭前の物を見ず 。

水は自(おのずか)ら茫茫、

花は自ら紅なり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?