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平成最初の夏

昭和が終わり、平成となった1989年、社会人1年目、バブル絶頂の東京で働いていた。
前年は、晴れ間と激しい通り雨の繰り返しという冷たい夏だったが、この89年から夏の暑さのレベルが変わったのが記憶が残っている。
ビルに囲まれ、風が抜けず、クルマの排気ガス、エアコンの室外機からの熱風がこもった、暑い暑い東京から離れて、涼しい田舎へ行きたいなぁと思いながら、夏休みを待っていた。
実家から通っていたので、待っている人も、帰る田舎もなかったのだが、空想のふるさとの情景や、まだ空き地や遊び場がたくさんあった、子供の頃の情景を頭に浮かべて、この曲を聴いていた。
初夏に発売されたアルバムの最後に収録されていて、リミックスを施し、シングルカットされるのはまだ暑さの残る9月だった。

線路ぞい真夏の日ざしあびて
ひまわりが 風にゆれている
次の汽車できみは帰ってくるよ
新しい靴が少し痛い
消し忘れたままの伝言板
打ち水する若い駅員
まだ着いていないのにきみが見えるよ
逢えない淋しさのぶんだけ・・・

♪すき | 渡辺美里



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