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#建築 まとめ

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建築ドローイングにおける飛行機のアンビバレンス

建築ドローイングにおける飛行機のアンビバレンス

今日昼、東京の青空をブルーインパルスのエアロバティック飛行による航跡雲が貫いた。医療関係者などエッセンシャルワーカーへの感謝と敬意を込めた飛行だったのだが、「そんなことにお金を使わず身になる支援を」とか、「元気と一体感をありがとう」とか、様々な意見が飛び交った。僕自身も、一言で語れない様々な感情が胸にたまった。

さて、その一件と関係あるのかないのかわからないが、ピクチャレスクな(見栄えする)もの

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"DIYデザイン"?

"DIYデザイン"?

DIYは常に建築家・デザイナーからも熱視線を浴びてきたトレンドだ。でも、いざDIYとデザインを掛け合わせようとすると、難しい問題が立ちはだかる。そもそもDIYは「プロフェッショナルなデザインとは違った価値を見出そう」というニュアンスを多分にふくむ言葉だからだ。

一見矛盾する言葉だが、「デザイナーズDIY」なるものがあるとすればどういった価値や意味を持つだろうか。そんな興味から今回、デザイナーによ

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建築の2つのスペシフィックさ(TOTOギャラリー・間 「増田信吾+大坪克亘展 それは本当に必要か。」評)

建築の2つのスペシフィックさ(TOTOギャラリー・間 「増田信吾+大坪克亘展 それは本当に必要か。」評)

TOTOギャラリー・間 「増田信吾+大坪克亘展 それは本当に必要か。」の3階展示室には、ほぼ白色に統一された大きな模型が台座なしで点在していた。この佇まいは、ドナルド・ジャッドなどのミニマリズムの作家による立体作品展示の風景を呼び起こさせる。この直感は何を意味しているだろうか。
本評ではまず本展覧会での模型表現の意図をミニマリズムの表現意図と類推することで解き明かし、その上で、彼らの建築作品自体の

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船と格納庫 -ポール・ルドルフと清家清の初期作品について-

船と格納庫 -ポール・ルドルフと清家清の初期作品について-

「コクーン・ハウス」はポール・ルドルフの設計により1951年にフロリダ州サラソタのシエスタ・キーのほとりに建てられた住宅です。このノートでは彼と同年生まれの日本の建築家である清家清が1952年に設計した住宅「斎藤助教授の家」を引き合いに出して、両住宅を比較してみます。なぜこの2つの住宅を比較しようと思ったかというと、単に年代を同じくするからというだけではなく、二人の年譜に共通する事項があるからです

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