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ソーシャル・グッドな企業・NPO・活動を支援し、ちょっとだけ今より良い社会を実現してい…

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ソーシャル・グッドな企業・NPO・活動を支援し、ちょっとだけ今より良い社会を実現していきたい中年会社員。 趣味:読書、映画鑑賞

最近の記事

【第14章】組織の知を引き出すのに必要なのは社内のブラブラおじさんだ

※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 本章では組織の循環プロセスの中の「知」の部分について説明をしていく。第12章でも少し触れたが、組織の記憶プロセスは「知の保存」と「知の引き出し」の2つに大別される。以下でそれぞれの詳細について概要を紹介する。 知の保存(retention) 獲得された知を組織に保存する方法は大まかに3つの手段がある。 1.個人の脳内への記憶 2.モノ・ツールへの保存(書類・ITシステム・製品・サービス等) 3.独自の行動習慣・決ま

    • 【第13章】「両利きの経営」の実践には戦略、組織、人材の見直しが必要

      ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 前章において「日本でイノベーションが求められているのは、多くの企業が知の深化に偏ってしまっているから」と説明をした。そのため、本章ではどうすれば知の探索を促し、両利きのバランスを取り戻すことが出来るか、を戦略レベル、組織レベル、個人レベルに分けて解説している。 戦略レベル:スタートアップ企業への投資を通じて認知を広げる まず戦略レベルとして必要なのは、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(以下CVC)投資だ。日本で

      • 【第12章】新しい知は常に「既存の知X既存の知」の組み合わせで生まれる

        ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら ここから15章まではイノベーションと組織学習についての内容になるため、そもそもイノベーションと組織学習の位置づけについての説明を最初に行う。経営学においてはイノベーションは広義の学習の一部であるしている。「何かを経験することで学習し、新しい知を得て、それを成果として反映させる」ことの本質は変わらず、イノベーションと組織学習の違いは程度の問題と言える。 組織学習・イノベーションについてはこれまでに膨大な研究がされてきてい

        • 【11章】経営理論は名経営者の発言の正しさを裏付けている

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 今の世界において経営をしていく上で最も注目されているのはイノベーションの創出や企業の変化・進化である。世界の経営学では、それらの多くは認知心理学をもとにしたまくろ心理学の理論でひも解かれるのだ。 本章では、認知心理学の出発点といえる「企業行動論」を解説するようになっている。企業行動理論や、知の探索・知の深化の理論を総称して、カーネギー学派と呼ぶ。 カーネギー学派の根底には、経済学への批判がある。批判内容の例としてゲーム

        【第14章】組織の知を引き出すのに必要なのは社内のブラブラおじさんだ

        • 【第13章】「両利きの経営」の実践には戦略、組織、人材の見直しが必要

        • 【第12章】新しい知は常に「既存の知X既存の知」の組み合わせで生まれる

        • 【11章】経営理論は名経営者の発言の正しさを裏付けている

          【第10章】不確実な社会を恐れず楽しむためのリアル・オプション

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら この章では経済学をテーマにした最終章として、リアルオプション理論を紹介する。リアル・オプションは、金融工学のオプション取引に起源がある。ファイナンス分野では、1970年代からオプション投資理論が発展してきた。その先駆けとなったのが「ブラック・ショールズ方程式」である。同方程式を開発したマイロン・ショールズとロバート・マートンは1997年にノーベル経済学賞を受賞している。 ※「ブラック・ショールズ方程式」とはざっくり説明

          【第10章】不確実な社会を恐れず楽しむためのリアル・オプション

          【第9章】相手を信じる行動も合理的に説明できる?

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 前章では、ゲーム理論について同時ゲーム・非協力ゲームの前提で話を進めたが、今回は野球の表裏のように交代に判断の順番がくる逐次ゲームの考えを説明し、ゲーム理論が実社会にどのように応用できるか説明してみたい。 どのような状況で先手必勝が有利になるのか 第8章で同時ゲームでは、合理的に考えると両者とも増産し、供給過剰で全体の利益を縮小させてしまう状況になると説明があった。それを回避するためにできる行動について逐次ゲームの

          【第9章】相手を信じる行動も合理的に説明できる?

          【第8章】ゲーム理論で分かるお互いに得しない価格競争にハマっていく理由

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 経済学に関連する色々な理論を本書の中で紹介しているが、この理論の背景には全てゲーム理論の存在がある。ゲーム理論はマーケティング研究にも応用されており、今や欧米のマーケティング分野の学者の多くがゲームを使う「経済学者」となっているそうだ。 それほど近代経済学におけるゲーム理論の存在は圧倒的であり、欧米の主要MBAプログラムでは軒並みゲーム理論を教える科目が並んでいる。そのため、この章においてもゲーム理論の競争戦略の応用例

          【第8章】ゲーム理論で分かるお互いに得しない価格競争にハマっていく理由

          【第7章】置かれた市場環境によって企業の在り方も変化していく

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 「情報の経済学」「エージェンシー理論」に続いて、この章では取引費用理論(Transaction cost theory:以下TCE)の紹介する。TCEは、RBVと並び近代経営学に影響力を持つ理論と言えるらしい。同理論を紹介した実証検証は膨大な数に及び、応用できるテーマも多岐にわたる。この分野で特に有名な研究者はシカゴ大学のロナルド・コース教授とカリフォルニア大学バークレー校のオリバー・ウィリアムソン教授の2名だ。 TC

          【第7章】置かれた市場環境によって企業の在り方も変化していく

          【第6章】人が合理的だからこそ、組織の問題は起こるべくして起こる

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 5章に引き続き、「情報の経済学」について読んで理解したことを自分なりにまとめてみる。5章は取引が成立する前のことに焦点が当てていたが、第6章は成立後のことに焦点を当てて書いている。 説明するのはエージェンシー理論についてだが、まず最初に概要を理解してもらうため、自動車保険の事例と使って説明する。 【自動車保険に加入したAさんのとる具体的な行動】 これまで自動車保険に入ってなかったAさんは事故を起こさないように慎重に運

          【第6章】人が合理的だからこそ、組織の問題は起こるべくして起こる

          【第5章】正直者が馬鹿を見てしまう構造とそうならないための仕組みづくり

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 5章からは「組織の経済学」にテーマが変わる。現在の経営学を学ぶ上で、組織の経済学が必要と書かれているが、最初は全く理解出来なかった。ただ、組織が抱える構造問題の本質(組織・個人がビジネス取引で直面する課題、そもそも企業組織はなぜ存在するか)に迫る内容という頭出しには興味を惹かれ読み進めた。もともと、ゲーム理論をきっかけに研究が進んだということで数学の難しい式が出てくるのではと想像したが、そんなことはなく具体的を含めた分

          【第5章】正直者が馬鹿を見てしまう構造とそうならないための仕組みづくり

          【第4章】経営戦略に正解はなく、環境によって求められることは変化する

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 第1章から第3章まででSCP理論とRBVの考え方が紹介されてきたが、理論が色々と出てくると「どれが一番大事なの?」という質問が必ず出てくる。2001年にDHBR(ハーバードビジネスレビュー)でもそのような特集が組まれていたようだが、本の中で書かれている結論は「SCPもRBVも、両方大事」というものだ。 その理由は前提としている競争の型が異なり、どっちが求められるかは競争環境によって異なるため、である。それはどういうこと

          【第4章】経営戦略に正解はなく、環境によって求められることは変化する

          「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ

          最近、Noteを使い始めたばかりで使い方として正しいか分かりませんが、本で読んだことをアウトプットする場が欲しくて、ここにメモさせてもらいます。 人によっては、「本の内容を端折って書いてるだけじゃん」という印象を受ける方もいると思いますが、本当にその通りであり返す言葉もないので、個人的なメモとして目を瞑ってもらえると助かります。 経営について全く知らない人にとっては「経営するにはこんなことを考える必要があるんだ」と知っていただく機会になるかもしれません。もしメモが何か役に立

          「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ

          【第3章】RBV(リソース・ベースド・ビュー)って何?どう使えるの?

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 「世界標準の経営理論」の第3章「バーニーの理論をようやく使えるものにしたのは誰か」、RBVについて成立過程から実務にどう使えるのかまでを丁寧に紐解いた章である。自分がこの内容を正確に伝えるのは難しいと思いつつ、超訳で考え方の触りだけでも伝えられたらと思う。 RBVとはそもそも何か? MBAの授業において説明があるSCPと並んで必ず学ぶRBV(Resource based view)。日本では「資源ベース理論」とも呼

          【第3章】RBV(リソース・ベースド・ビュー)って何?どう使えるの?

          【第2章】儲かるかどうかは産業の構造によって決まる、はもう古い?

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 「世界標準の経営理論」の第1章に関して「儲かるかどうかは産業の構造によって決まる」をテーマに投稿したが、第2章では今はこんなことはないという発表も多数出てきているということで(先に調べておくべき情報と思いつつ・・)追加で紹介する。 儲かるかどうかは産業構造によって決まる考えへの反論 第1章で産業構造について分析する上で便利なフレームワークとして、マイケル・ポーター教授が考えたファイブ・フォースがある。これは5つの観

          【第2章】儲かるかどうかは産業の構造によって決まる、はもう古い?

          【第1章】儲かるかどうかは産業の構造によって決まる

          ※「世界標準の経営理論」で学んだことのメモ一覧はこちら 最近、世界標準の経営理論」(著入山章栄さん)を(ずっと積読だったが)読み始めた。その内容が、本当に分かりやすくて面白いので記憶に残したいと思い、ブログに投稿してみることにした。自分が面白いと思ったことを拙いメモとして書いているので、内容は正確さについては目をつぶってもらい、読んだ人にとって何か少しでも気づきに繋がることがあれば嬉しく思う。 SCP理論とは? 本編を読み始めて一行目で行き詰った「SCP理論」ってなんだ

          【第1章】儲かるかどうかは産業の構造によって決まる