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CSキャリア”インタビューリレー”第三弾

CS未経験からスタートした会社で、事業づくりのチャレンジをされている作井さん。
今回は、カスタマーサクセスと事業の両方を0→1で立ち上げる面白さや、作井さんならではの向き合い方をお聞きしました!


作井正太朗さん/Customer Success Manager/株式会社Stack

はじめに

-こんにちは。今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第三弾です。
 
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。


インタビュー内容 

【1】 カスタマーサクセス職に至るまでの経歴

-今回はカスタマーサクセスキャリアインタビュー第三弾ということで、作井さんにカスタマーサクセスのお仕事内容やキャリアについて聞いていきたいと思います。

早速ですが、作井さんは色々なご職業を経て、今はCS責任者をされていらっしゃいますよね。かなり珍しいご経歴かなとお見受けしていたのですが、まずは簡単に作井さんの方からご経歴をお話しいただいても良いでしょうか?
 
自分でも珍しい経歴だな…と思うのですが(笑)よろしくお願いします。
大学卒業後、カルチュア・コンビニエンス・クラブっていうTポイントとか蔦屋書店を運営する会社の親会社に就職して、蔦屋書店事業本部っていうところで「代官山蔦屋書店」の運営を行っていました。
 
そこでは新規事業で格安スマホの「TONEモバイル」の1号店目の店長をしていたり、あとオーディオや雑貨フロアの雑貨販売責任者だった時にはAirbnbさんやディズニー社との共催イベントを行ったりしていました。
 
当時自分は新卒だったんですけど、学生の頃からイベントとか好きだった背景もあって有名企業さんとコラボしてオリジナル製品とか作ったりしていましたね。実際にスターウォーズに出た方にも実際に商品を使ってもらってX(旧Twitter)で紹介していただいたりもして…正直、かなりおいしい経験をさせてもらいました。(笑)
 
その後、2社目は17kg(イチナナキログラム)っていうアパレルブランドに参画して、いくつかD2Cの立ち上げや経営企画の室長をしたあとに、最終的には執行役員CROとして働いていました。
 
そのあと、たまたま使っていたAppifyというモバイルアプリの開発元の社長とご縁があって。その方との繋がりから業務委託で入ったところが今の「株式会社Stack」という会社です。そこに第1号Bizメンバーとして参画して、現在に至る感じです。

今はCS責任者として、導入のオンボーディング~導入後のカスタマーサクセス支援まで担当しています。あとは、自分の事業者視点を失わない為にも空いたスキマ時間で副業で、ECサイト制作とか運用支援とか…色々なことをやっているって感じですね。
 
-就職・転職活動のときに会社を選ぶ基準や、やってみたい業種はあったんですか?
 
もともと僕は学生時代、団体を立ち上げ音楽フェスの主催をしていたりとイベント企画が好きで。1社目で入社した会社では社長のビジョンとして「企画会社」をうたっていたので、そういう会社なら何でも企画させてもらえるんじゃないかなと思って1社目を選びました。

最終的に7次面接ぐらいまであったんですけど、面接を受けていくうちに会社のことがどんどん好きになって入社したっていう感じですね。
それで大体3年ぐらい勤めて、その後イチナナキログラムで4年ぐらい勤めて、今の会社が大体2年半ぐらいって感じですね。
 
-会社を選ぶ上では、企画や立ち上げフェーズに惹かれたりするんですか?
 
そうですね。学生の時から自分で団体を作ったり企画を考えたり、協賛を集めるとかが好きだったので、1社目は企画ができるっていうところへ入って、2社目はCOOの方が僕の学生時代の出演アーティスト側の方だったんですけど、それでご縁があって入社しました。
今の会社も業務委託で入ってからすごく面白いフェーズだなって思って、正社員に登用していただきました。

【2】未経験からスタートした「カスタマーサクセス」の面白さ

-いろんな業種の会社に関わってこられた作井さんには、多分まだ語りきれないようなエピソードがたくさんがあるんだろうなと思っているので、この後いろいろ質問させてください。

これまでのご経歴を拝見すると、カスタマーサクセスとして関わっているのは、今の会社さんが初めてなんですか?
 
そうなんですよ!まったく初めてで。今の会社では当初営業まわりの社員がひとりもいなかったので、自分が営業周り含めて全般を担当してました。いまは営業の方がジョインされて、自分は導入オンボーディングから導入後のサポートとカスタマーサクセスを主に担当しています。でも、完全な初心者でしたね。(笑)
 
-現在の会社では、ご自身でカスタマーサクセスの部署を立ち上げてこられたんですね。
 
ベンチャー企業なのでまさに1からの立ち上げでしたね…。
僕が入社した時も社員7人ぐらいで、現在も13人ぐらいの少数精鋭の組織なんですけど。今やっと資金調達をして人が採用できたり、CSのサポートメンバーが採用できたりと、そういうフェーズにある会社ですね。
 
-今の会社では立ち上げのフェーズですし、これまでのご経験も踏まえ、作井さんは0からのスタートっていう部分に面白さを感じるんですか?
 
そうですね。自分のやりたいようにチャレンジできる点も楽しいっていうところもありますし、去年プレシリーズAで5.2億円ぐらいの資金調達もできた中で、どんどん新しいチャレンジができる環境にも面白さを感じています。

具体的に、今はShopify向けの事業と、基幹システム事業「SQ」の2軸で提供してるんですけど、そこで今まで関わってなかったような業界の方と関わることで自身の振り幅も広がってきているので、会社としてもフェーズとしてもすごく楽しめる時期かなと思っています。
一旦いまは0→1の立ち上げは終わったので、今はいろいろ楽しんで事業を拡大しているって感じですね。
 
-現在CS責任者をされているかと思うのですが、もともと作井さんはBizメンバー1人目ということで入社されたんですよね。
このポジションにたどり着くまでに、作井さんが意図してカスタマーサクセスをやりたい!と挙手したんでしょうか?
 
全然意図はしていませんでした…。流れに身を任せた結果です。(笑)
ただ、過去に色々チャレンジした中で自分はあまり押し売りのような営業が得意じゃないので、その性格とかをひっくるめてカスタマーサクセスが自分に合っているなとは思っていました。
 
あと、今サポートしてる会社さんが、例えばアパレルとか食品系とかの会社さんが多いんです。自分もサイトとか店舗運営をしてた経験があるので売る側の気持ちを汲み取れる部分が多くて、結果的に今はCS責任者をしているといった感じです。
代表からもCSの職種いいんじゃない?みたいな感じでポジションを提案してもらって自然とそうなっていった、っていう背景もありますが、ちょうどCS専属になったのは1年半くらい前からですね。

最初の1年ぐらいは営業~カスタマーサクセスまで全部自分でやってたんですけど、2年目からはCS責任者として導入のオンボーディングや、導入後のアダプションの部分、あとコンサルティングとかクロスセル提案みたいな部分までやっています。
 
最初の1年ぐらいは営業~カスタマーサクセスまで全部自分でやってたんですけど、2年目からはカスタマーサクセスの責任者として導入のオンボーディングや、導入後のアダプションの部分、あとコンサルティングとかクロスセル提案みたいな部分までやっています。
 
-カスタマーサクセスで関わるお客様はどういった業種の法人さんが多いんですか?
 
例えば日清食品さんとか、アパレルだとARC'TERYXさんだったり、MAISON SPECIALというサザビーリーグ系列の会社さん、あとはモバイルバッテリーのAnkerさんが顧客にいる感じです。

大体今200社ほどお取引いただいているのに加えて、月に約10社、取引ブランドが増えてきている状況なので、さすがに自分ひとりだと抱えきれなくなってきてしまって。お問い合わせ対応とかはメンバーや業務委託の方とかにも協力頂いている状況ですね。
 
-200社をおひとりで担当される期間もあったということですか!?驚きの数字ですね…!
 
いや、そうなんですかね。(笑)僕は忍耐力が普通の人よりあるってよく言われるんですけど。多分過去の経歴とかキャリアとか学生時代とかもひっくるめて、辛い環境が意外と好きみたいなところがあって、逆境の状況だと結構燃えたりしますね。

【3】カスタマーサクセス職ならではの「やりがい」と「大変さ」とは?

-先ほど逆境に強いとお伺いしましたが、カスタマーサクセスの部署を立ち上げてから、これは成功したなっていう事例や経験はありますか?
 
事例の部分で言うと、最近「VIP」っていうサービスでお客様の会員プログラム設計のリニューアルがこの前ようやく終わりまして。今それが結果待ちの状況といった部分ですね。

成功実績って言われるとまだまだなんですけど、会社全体の売り上げが黒字化になったっていうところはプラスの要素ですし、目標予算に向けて達成圏内に入ってきているので、そこは一定数値的な成功と呼べる部分かなと思いますね。
 
-作井さんの目線だとお客様個々の実績というよりも、もう事業の実績が会社の売上に直結していますもんね。
 
そうですね。自分含め、Bizサイドのメンバーが一人でも欠けたら会社に影響が出る、そういうマインドで働いていますね。
まだまだ会社のフェーズとして急成長をしていくフェーズなので…いろいろ調整しないといけないみたいな部分はありますね。
 
-逆に、これは結構大変だったな、辛かったなっていうことはありましたか?
 
たしかに一人で担当してた時は物理的にちょっと業務量が多すぎたみたいなところはあるはあったんですが、自分の性格かもしれないですがこれは大変だったなってところはないんですよね。

強いて言えば、今カスタマーサクセスでハイタッチ向けのお客様に対して実績・分析・施策立案とかまでやらせて頂いているんですけど、まだ定量的な事例を作れてないっていうところが大変、というか個人的には課題なのかなと思っていますね。

あと、会社の8割ぐらいが開発チームなんですけど、開発チームにお客様からの要望やフィードバックを集約して、そこから汎用性がある機能とかを優先順位付けしてちゃんと伝えないといけないんですね。
開発チームとのコミュニケーションがこの会社に入って初めてなので、そこは大変といえばそうなのかもしれませんね。
 
-法人からの意見をフィードバックして、逆にプロダクトの方から改善案を出してもらったり、そういうところまで作井さんがされているんですね。
 
そうですね。開発要望とか改善案を毎週出しています。
そこでBizサイドなりの優先順位と、その機能がなんで必要なのかをロジカルに伝えないといけないので、そこはお客様にも協力してもらってます。
 
-具体的にはどんな風にお客様に協力してもらうんですか?
 
なぜその機能が必要なんですか?みたいな部分までお客様にも協力してもらって直接ヒアリングを深めていく感じですね。
たとえば、その機能があると御社にとってはどれぐらいの費用対効果をもたらしそうですか?とか、大体この機能があったら、月いくらくらいの売り上げやインパクトになりそうですか?とか。

そういった具体的な部分を持ち帰ってきたうえで、他の会社さんへの汎用的な相乗効果や実際の料金プラン状況などを加味し、Bizで要件定義して、PMに要望を上げる感じの流れになっていますね。
 
-日々の業務に加えてそういった開発の要件定義や他顧客への影響度まで考えてMTGをするとなると、かなりお忙しいですね…!
 
もちろんその場でお客様に聞いたことを忘れないためっていう部分もあるんですけど、業務中に思いついたり、これは急ぎだなって思うものはSlackで開発要望として上げたりもしてますね。
優先度が高いものと緊急度が高いものとかはすぐ連携できるので、そういった開発の連携部分がスムーズにできる環境は今の会社のいいところだなと思ってます。

-スピード感が求められる環境のなかで、おそらく作井さんだからこそ変化を楽しめるんでしょうね!

【4】業務の押し付けではなく「メンバーに伴走する」マネジメント

-少し質問の内容が変わるのですが、現在作井さんは責任者という立場でメンバーを増やしているフェーズだと思います。いまは具体的に何人くらいのマネジメントに携わっているんですか?

まだマネジメントというフェーズではない気もしますが、今は2人ですね。1人は利用ガイドのアップデートとか、お問い合わせの日々の対応とかやってもらってます。もう1人の方にはハイタッチのお客様向けに一緒に商談同席をして、分析資料の作成とか実行支援とかコンサル提案みたいなことまで一緒にやってもらっていますね。
 
-1人でやっている時と違いはありますか?
 
全然違いますね!やっぱ1人でやるより壁打ちの相手がいるっていうのはいいアイデアが浮かびますしね。

あとうちの会社の面白いところは、事業者出身のメンバーが多いところなんですよね。みんな「アパレル会社に勤めてました」とか「事業者側の責任者やってました」とか、事業者サイドのバックグラウンドを持っているので、お客様の目線を持って喋れるメンバーばかりで。そこはすごく魅力的だなと思っています。
 
-マネジメントって、決めたことを下ろして実行してもらうのか、それとも皆で議論したりとか業務の方針を決めていったりなどいろいろあると思うんですが、作井さんはどのようにメンバーの方のマネジメントをされているんでしょうか?
 
必要であればショートミーティング10分ぐらいで会話したりもするんですけど。
最近は時間をかけるべきだなと思った時には1時間とかしっかり時間取って、今後のカスタマーサクセスの方針とかを話し合ったりもしてますね。
 
でも、自分にはあまりマネジメントっていう概念がないんですよね。
同僚と同じ目線で仕事をしたいなって思ってるので、業務をお願いするときにも「やらされてる感」を持たれないような伝え方をしたいなと思ってます。
 
-なるほど。それはどうしてでしょう?
 
自分もやらされ感のあることというかルーティンな業務が嫌いで。まずは自分で考えて行動したいっていうタイプなんですよね。
今いるメンバーとか社員も、無理に業務を押し付けられている感があると嫌という人たちが多いんだろうなと思ってます。

なので相手のタイプとか適性に合わせて業務の指示をさせて頂いたり、一緒に伴走していくっていうのは自分のマネジメントにおいて大事にしていることですね。
 
-フェーズとしては今、チームが成熟してきたぞ、という感じですか?それとも今からどんどん立ち上げていくところですか?
 
今のチームはまだ3人なので、今から立ち上げていくぞって感じです。
会社としては今年中にさらに社員/業務委託が増えていく想定なので、CSチームはこの先数年で大体5人ぐらいのチームになるかなって思ってるんですよね。
少数精鋭の考えは変わらないので、今後はチームで効率良く役割分担していこうかなと考えている感じですね。
 
-作井さんの持たれている業務の管轄範囲ってすごく広そうだなと思いつつ、これからはメンバーに合わせた個別のコミュニケーションの取り方もどんどん増えてきそうですね。
 
そうですね。もちろんコミュニケーションは増えるんですが、業務をチームのメンバーに渡せたことで自分のリソースが浮いた部分もあるので、そこは何か別の売り上げ創出などに時間を割いていけたらいいなと思ってます。
 
-ありがとうございます!
ここからはまた作井さんご自身へのご質問になるんですが、今の業務で過去の経歴を活かせているなと思う部分だったり、これは自分に合っているなと思う部分はどんなところですか?
 
自分はアパレルブランドのブランド側にいたので、やっぱりアパレル方面の知識とかは業務で活かせているなと思いますね。僕個人が今ショップ制作や運用支援とかの副業をやっているんですが、そこで得た知見も存分に生かして提案ができているなと感じてますね。

あとはこれからのフェーズで、2社目で経験したマネジメントスキルとか採用の経験が活きてくるのかなって思っていますね。
前職では80名くらいマネジメントさせて頂いたこともあるので、マネジメントの部分に関しては自分はまだこの会社でバリューを発揮しきれていないのかなと。
なので、マネジメントに関してはこれから経験を活かしていける部分かなと思っています。
 

【5】今後チャレンジしていきたいこと、目指す姿

これから作井さん自身がやっていきたいことや、チャレンジしていきたいことってありますか?

現状はまずCS責任者として成功事例を作り、ちゃんと組織化したうえで、今の会社の売り上げを伸ばし続け1→10、10→100まで持っていきたいなと思っています。

そのうえで最終的なキャリアとしては、どちらかというと経営サイドや越境支援の勉強をしたいと思っていて。カスタマーサクセスで培った経験とか知識を活かして、第2のキャリア・第3のキャリアにチャレンジしていってみたいなと思っています。
 
-なるほど!今後もチャレンジングな場所を探し続けるということですね。
 
3年後ぐらいには今とまた全然違うことを言ってると思います。(笑)でも3年後にはだいぶ会社の売り上げ・規模も拡大して、より良いサービスになってるのかなとは思いますね。
 
-今回はカスタマーサクセス目線でのお話が中心になりましたが、作井さんのように事業者目線で働いている立場から見た別の目線でもお話を聞けて良かったです。
また、作井さんのコミュニケーションの滑らかさやお話を受け入れてもらえる安心感は、さすがカスタマーサクセスの責任者の方だな…と感じました。
本日はお忙しいなか、インタビューに答えてくださりありがとうございました!
 
はい、ありがとうございました!

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