CSキャリア”インタビューリレー”第六弾
採用人事というキャリアからCS職に転身された谷さん。人事を経験したからこそお客様に寄り添ったハイタッチなフォローができると話してくれた谷さんに、仕事の面白さ・やりがいに感じている点をお聞きしてきました!
はじめに
-こんにちは。今回は、株式会社KOMMONSが企画する”CSキャリアインタビューリレー”の第六弾です。
株式会社KOMMONSは、カスタマーサクセスに特化したサービスを提供する会社です。企業向けのカスタマーサクセス支援サービスやカスタマーサクセスを職業とする方たちのコミュニティを運営しながら、カスタマーサクセスの方たちが自信を持って働ける世界を目指しています。
インタビュー内容
【1】 これまでの職歴
本日はキャリアインタビュー六弾として、谷航貴さんにお話を伺っていきたいと思います!よろしくお願いします!
まずは谷さんの簡単な今までの経歴を教えてください。
本日はよろしくお願いします!
2017年にパーソルキャリア株式会社に入社して、1年目から新卒採用の人事をやっていました。当初は自社の選考に進む学生さんの担当としてキャリア面談や面接対策を行ったり、自社に入社してもらう社員との面談をアテンドするなどのリクルーター業務をメインに行っていました。
その後企画・マーケティング職に配属できるようなビジネス感度の高い優秀層の採用プロジェクトがスタートして、その延長でエンジニアやデータサイエンティスト等の技術職採用の立ち上げもスタートしたので、人事キャリアの後半はほぼエンジニア採用の立ち上げに従事していました。
とはいえ自分は文系でエンジニアの業務がわからない部分があったので、独学で簡単なプログラミングを理解できるように勉強したりしながら業務への理解を深めていきましたね。
そこである程度立ち上げも経験させてもらって人事としてひとりで業務ができるくらいになったかなという自信もついたので、違うキャリアをスタートしてみようかなと考え始めました。
当時パーソルではダブルジョブという部署をまたいで業務を兼務できる制度があったので、その制度を利用して10人もいないようなSaaSの立ち上げをやっている部署に入らせてもらいました。
兼務していた部署ではカスタマーサクセスの商談同席をしたり、エンジニアとのプロダクト開発のMTGに入らせてもらったりしていたんですが、エンジニアとコミュニケーションをしながら何かを作ることって面白いなと思いました。あとは自分が新卒から人事だったのでフロントの経験を積んでみたいなと思う部分もあって、それが両立できるCSってポジションがすごく魅力的だなと感じました。その経験から社内で異動という選択肢もあったんですが、シンプルにCSというポジションでどこか他の会社に転職したいなと考え始めましたね。
1社目から携わっている人材・HR業界は自分の中で意義があるし面白いなと思っていたので、HRテックのSaaS、職種はCSという軸で転職先を検討し、最終的には「人々の自己実現の支援」を本気で目指していることに惹かれ、現在の株式会社リーディングマークにCS職として入社しました。
現在はミキワメ適性検査と、ミキワメウェルビーイングサーベイという2種類のプロダクトのCSを担当しています。ホリゾンタルSaaSなので業界特化ではなく、規模も業種もさまざまなお客様を担当しています。
現在の会社には2年半在籍しているのですが、入社当初はプレイヤーとして80社程度のお客様を担当したのち約1年半マネージャーをやっています。これまでの業務としては、ハイタッチのCSを行いながらユーザー会やウェビナーを開催したり、コンテンツ動画を作ったりなど幅広く対応していました。ここ1年半はCSの目標や戦略の設計、およびマネジメントがメインの業務となります。
経歴としてはこんな感じです。
【2】谷さんが感じるHR業界の面白さ
HR業界に特化してキャリアを積まれているんですね!
谷さんが感じている、HR業界の面白さってどんな部分なんでしょうか?
人って仕事をしている時間が人生で一番長いと思うので、その仕事の時間を楽しんだり幸せにできる可能性があるという点で、人生の幸福度に直結するビジネスだなと思っていますね。
人生の幸福度を高められる仕事だなというのは、1社目の新卒採用を行っている時から感じられていた部分ですか?
そうですね。当時はパーソルっていう会社が実現しようとしているミッションやビジョンがあって、それが達成できている状態が「人が働くことが幸せに思えている」状態だと思っていて。
それを実現するための人を採用するということ自体が、間接的にも幸福度を生み出すことに繋がっていると思っていました。
あとはもちろん採用するということが大目的ではあるものの、向き合う学生さんがキャリアを選ぶタイミングで将来のことや自分自身の中長期のキャリアを考えてファーストキャリアを選ぶ手伝いができていることもやりがいに感じて仕事をしていましたね。
その後リーディングマークさんに転職されたことで、採用の軸だけではなく「今働いている人たち」のサーベイや満足度アップに貢献できていることは、谷さんにとってより楽しみを感じながら仕事ができている部分なんでしょうか?
そうですね!担当しているお客様からサービスを導入したことで会社全体として良くなったというような声をいただくことがあったり、社員がこういう風に変わったんですなど具体的な話を聞くと自分が貢献できている実感は湧いてきますね。
【3】仕事で難しさを感じるポイント
社員の満足度を上げる支援って難易度が高そうと感じる部分も多々あるのですが、現在の業務で谷さんが難しいなと感じられている点ってどんなところでしょうか?
エンゲージメントやウェルビーイングの領域って正解があるわけではないので、同じ課題でもそこへの提案内容は何通りもあるところは面白さでもあり難しさであると感じます。お客さんの現在の課題や状況を聞いた上で、こういった手段がありますという仮説やヒントになる情報をどう届けるかというのはすごく難しいなと思っています。
あとはHRのサービスとして人事側にとっても候補者側にとってもお互いがWin-Winになる情報を届けないといけないと思っているので、そういう難しさはやはりある部分だと思います。
そうなんですね。現在のカスタマーサクセスの立ち位置は、システムの使い方を顧客にレクチャーする一方で、会社運営にとってのコンサルティング要素に近いところまで関わることも多いと思うのですが、どこまで支援するのかというのは決まった型を作って対応されているんですか?
正直、今はそこまで明確に分けているわけではないですね。
時間的な軸だとCS1人あたりが対応する顧客数が多いので、打ち合わせの回数の最低目安は大体このくらいですという部分は一応設計はしています。でもその回数以上に打ち合わせをしてはいけません、というほど厳格な管理はしていません。
内容的な軸についても、そこまで定義しておらず、もちろん限度はあるものの、お客さんの要望に対してはこれまで対応したことない内容でも社内の色んな人の力を借りて何とかお答えできるように向き合っているという状況です。
谷さん自身がプレーヤーとしてサービス提供するという部分もあると思いますし、現在のマネージャーとしての立場から考えると、メンバーがどの程度までお客さんにサービス提供していいのかどうか等判断を求められるシーンもあるだろうなと想像できるのですが、マネージャーとして工夫されている点や苦労されている点ってありますか?
今の段階ではメンバーにお客さんから求められても対応を断ってくれというコミュニケーションを取っているというより、どうすればその期待に答えられるかということを考えてもらったりとか、相談を貰うことの方が多いなと感じていますね。
現在のサービスは適性検査のプロダクトとしては業界の中で後発なので、あまり非営業的なことはできないかなと思う部分もあって。
なので、そこで制限をかけるというよりどうすればお客さんの期待を得られるかという観点でコミュニケーションをすることの方が多いですね。
お客様に寄り添って対応されるシーンが多いんですね。一方でマネージャーとして事業運営であったり予算達成などの観点でCS業務を見ることも多いと思うのですが、そのカットではどういう点を意識して取り組まれているんでしょうか?
そうですね。対応法人によってはCSで優先的に改善していくことで拡大余地があるなと感じる時もあるので、そういった時にはある程度対応に優先順位を付けて、一定コミットしようと決めて進めています。
なるほど。谷さんの現在のお仕事としてはそういったCSのマネジメント業務がメインなんでしょうか?
現状はそうですね。マネージャーとして来期やそれ以降の目標を設定したり、どう活動するかを考えて戦略を練ったりプランニングをするというのが期末の2月・3月の時期は多いです。期中は目標設定のための組織や人材のマネジメント業務をメインをやっていますね。
そうなんですね。今CSとして何名くらいのチームにいらっしゃるんですか?
現在は11名ですね。組織の中にもうひとり同じレイヤーでマネージャーがいるんですが、その方はPdMと兼務しているのでCSのマネージャーとしては自分がメインで動いています。
【4】過去の経験を活かした働き方
ちょうどPdMという言葉が出てきたのでお聞きしたいのですが、CSってセールスや開発との結節点があるなかで、今後谷さんはどんな分野を伸ばしていきたいなどの方向性って何か考えられていますか?
どういうプロダクトにしていくべきかだったり、どういう価値を提供するプロダクトにしていくべきかという部分や、その販売戦略や利益を立てるためのプランニングをしていくかみたいな部分が分野としてはやっていきたい部分かなと思います。
もともとプロダクトを良くしていくことをやりたいといって入社した背景もあって、プロダクト開発などでエンジニアとのコミュニケーションはずっとしていますね。
今でもCSの窓口としてBDMや開発の責任者に対してどういうプロダクトにしていくかだったり、どの機能がどういう優先順位で欲しいかみたいな部分も会話することもやっているので、それは自分のやりたいことに近しいなと思っています。
冒頭でパーソルキャリアさんに在籍している際にプログラミングなどを独学で学ばれたというお話があったとありましたが、そういった点は現在の業務に活きているなと思いますか?
活きていると思いますね!
工数を考えたうえで開発に時間がかかりそうであればどう進めるかなどの会話などは一定できるので、無理な方法で依頼を押し付けたりはしていないんだろうなとは思ってますし、エンジニアからはビジネスサイドの中でも開発の理解度が高いと信頼してもらえているのかなと思っています。
それは谷さん自身が、知識を活かしながら実現可能なプランをお客さんとのコミュニケーションの中でヒアリングできているという部分もありそうですね。
そうですね。お客さんの要望をそのまま叶えようとすると工数がかかりそうなものも、最低限なにを開発したいのか、例えばこういう機能であればどうか…などを壁打ちしたうえで持ち帰れるという部分はできているんじゃないかなと思います。
谷さん側で一定工数の目途をつけたうえで開発のコミュニケーションができるというのはエンジニアサイドとしても心強いですね。
一方で現在顧客として対応しているのは人事の方がメインになるかと思うのですが、ご自身も人事を経験していたことが活かせている観点はありますか?
人事経験はめちゃくちゃ活かせているなと思ってますね。
正直、ダイレクトに顧客である人事の気持ちがわかるので、心の底から共感しながら関係性の構築がしやすいなと思っています。
パーソルは採用手法や人事の取り組みがすごく進んでいて、目的達成のための手段として色々なことをやっていたなと今自分が外部にいてもあらためて思うので、色々な企業を支援するときにも前職での経験を話したり、プロダクトの活用だけに留まらない提案というのができたりするんですよね。
そういったことを会話するとお客様からの信頼も得やすいですし、プロダクトに関係のないことでもご相談をいただいたりするので、その点も過去の経験がプラスになっているかなと思ってます。
【5】マネジメントで意識しているポイント
技術的なプロダクト側の観点と人事経験と、谷さん自身が経験してきたからこそ活かせる部分が多いんですね。一方でこういった対応をマネージャーとしてメンバーに対応してもらったり知識をつけてもらう際に、工夫されている点ってありますか?
採用というドメイン知識をメンバーに身につけてもらうのは難しいなと思うことも多く悩ましい点ではありますが、今は1社ずつ案件確認をしていく際に自分からお客様の課題を聞くとこんなことが起こっていそうだという仮説をメンバーに伝えたりしていますね。
あとはメンバー自身が実際の人事業務のイメージがつかないと提案もしづらいと思うので、自社のサービスを通して面接やプロダクトの運用を実際に見てもらったうえで、お客様の課題に向き合った仮説立てができるようにしていく、というのも意識しているポイントです。
ご自身の人事の経験を型化したりメンバーにインプットすることで、より強い組織を作り上げるという部分を工夫されているということですね。
そうですね。型化をするにあたって、採用において重要視されるKPI、採用人数や目標をメンバーが自身が数値で理解することはすごく大切だなと思っています。
例えば顧客が採用の目標人数を達成するまでの逆算をすると、具体的にはこういった課題が出てくるなどのポイントを社内でセミナーや講義形式で説明して理解を深めていってもらうことは工夫している点かなと思います。
【6】今後目指したい姿
なるほど。ありがとうございます!最後の質問になるのですが、谷さんが今後目指すキャリアや、目指すイメージがあったら教えてください。
ひとつはCSをもっと型化していきたいなと思っています。
自社でも今後新規サービスが出てくると思うのですが、それに対してジャーニーを描いてどのように支援していくか、どういうタッチポイントが良いのかなどの立ち上げフェーズには興味がありますね。
そのうえで型化したCSを起点として、どのようにそのサービスの認知を拡大したり機会を作って売りを立てていくかなど全体を見られるような計画を立てられるようになりたいなと今は考えています。
そうなんですね。なりたい姿になるために今後補っていく部分や、今取り組まれていることって何かあったりしますか?
そうですね。KPIマネジメントの力をもっと伸ばしていかないといけないなと思っています。
今も計画を立てたり振り返ることをしてはいるんですが、計画に対して数値の最終目標を決めたり、その中間の数値目標をたてたうえで、ひとつひとつを達成するための道筋を描いたり振り返りをしながら現実的に動かしていくというのは、自分自身でもっと強化していきたいポイントだなと感じていますね。
【7】異職種へのキャリアチェンジについてアドバイス
最後に谷さんから読者の方にメッセージがあれば、ぜひ教えてください!
人事の業務っていわゆるビジネスサイドというよりは社内に向いていることが多いので、自分自身転職するときにフロントの現場が未経験な部分がネックになるんじゃないのかなと思っていました。
でも今思うと、人事は顧客が「人生を決めようとしている候補者」であるっていうだけで、実際に何をしたいのかであったり、目標に向けて今と未来のギャップはどこにあるのかみたいな部分を探り、解決に向けた提案をするということ自体は営業やCSなどのビジネス職と変わらず、相手が検討していることが「サービスの購入」なのか「人生の選択なのか」の違いだけだったなと感じています。
自分自身の経験を通して、人事からフロントへのキャリアチェンジはしやすいなと思っているので、もし今同じように悩まれているポジションの方がいらっしゃったらぜひ伝わると良いなと思っていますし、行動してみて欲しいなと思いますね。
人事という異職種からCS職種にチャレンジしたい方にも届いて欲しい内容ですね!谷さん、本日はありがとうございました。
ありがとうございました!
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