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2023年 ベスト音楽総まとめ(VTuber / Vsinger部門)

 どうもです。

 2023年の総まとめ的な記事、第4弾。
最終的に「2023年 ベスト音楽総まとめ」記事に反映される「VTuber / Vsinger部門」です。VTuber、Vsingerとして活動している方のオリジナル楽曲アルバム・EPが対象。今年は豊作だったのもあり、10枚選出しました。
 ということで早速、完全主観で選び尽くした5枚を紹介していきます。


#1『Specter』/ 星街すいせい

 VTuberグループ「ホロライブ」所属の星街すいせい、1年半ぶりとなる2ndアルバム。本作は田淵智也&堀江晶太、キタニタツヤ、Ayase、ポリスピカデリー、ナナホシ管弦楽団、じんなど豪華クリエイター陣が楽曲を提供。
 つよつよ作曲陣すぎるのでクオリティはやはり申し分なく、バラエティ豊かで曲順も完璧、満足感しかない1枚でした。すいちゃんの歌の振り幅も1stより更に広くなって新鮮な一面も多かった印象。ポエトリーリーディングっぽい部分とか力強くてかなり好み。彼女がこれまで抱えてきた感情を歌ったモノも多く、インタビューでも「普段の配信はエンターテイナーでありたいからこそ、自分の中に間違いなくある負の感情は音楽にぶつけてみよう」と答えていました。Tr.6「放送室」や彼女自身が作詞を手掛けたTr.7「デビュタントボール」なんかは特にそれを感じますね。イチバン好きな曲はTr.10「ソワレ」でガチ名曲。ナナホシさん覚醒しすぎ、どうかしてる(褒め言葉)。転調お化けだし、音のハマり方の気持ち良さが異常です。Tr.11「Newtone」もアルバムを締めくくる曲として機能しており至極の爽快感でした。
 このアルバムリリースを記念した2ndソロライブも現地参加する事ができ、一生の想い出となりました。もっともっと大きな舞台に立ってくれ…。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.1「灼熱にて純情(wii-wii-woo)」, Tr.5「TRUE GIRL SHOW」, Tr.6「放送室」, Tr.10「ソワレ」, Tr.11「Newton」


#2『heart♡connect』/ さくらみこ

 VTuberグループ「ホロライブ」所属0期生のエリート巫女アイドル、さくらみこの初EP。昨年の「ベイビーダンス」や今年の「乙女のススメ♡!」「ハートオンライン」などを含む全6曲。
 アルバムリリースが濃厚だった今年、無事にEPではありますが叶って嬉しかったです。みこちの活動に対する姿勢だったり、ファンに対する優しさだったり、彼女の"人となり"すら汲み取れるステキな1枚だったと思います。特に歌詞が堪らなく好きで、Tr.3「乙女のススメ♡!」の"いっぱいぜったい しあわせを知れば大吉"から、運を待つよりも掴みに行く姿勢に励まされたり、Tr.4「ハートオンライン」の"着飾るよりも ありのままで"から彼女がずっと目指している配信者でもありアイドルでもありたいと云う等身大のVTuberアイドル像が詰まっていたり。5周年記念ライブにて初披露された「アワーツリー」はガチ名曲。Cメロでは同じくハムさん作詞作曲の「サクラカゼ」を踏襲した歌詞とメロディーも組み込まれ、落ちサビではコーラス参加もしている0期生との繋がりも表現。彼女の成長と変わらぬ優しさが詰まったエモーショナルソングに仕上がっているので必聴です。現地で聴いたら泣く。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.2「ベイビーダンス」, Tr.3「乙女のススメ♡!」, Tr.4「ハートオンライン」, Tr.6「アワーツリー」


#3『狂想』/ 花譜

 クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」所属のバーチャルシンガー花譜の3rdアルバム。2nd『魔法』からは約2年ぶり。今作も全15曲の作詞・作編曲はカンザキイオリが担当し、彼がKAMITSUBAKI STUDIOを卒業した事により、長きに渡った2人の共作は"一旦"これが最後になりました。
 これまで彼女のライブで何度も披露されていた楽曲達が遂にリリースされた喜びと、ライブのセトリの様な構成でやはり年間ベスト級の名盤でした。まず彼女の代表曲である「過去を喰らう」3部作であるTr.2「海に化ける」、Tr.3「人を気取る」。歌詞からは花譜ちゃんの成長と、心情の変化を感じることができ、力強いメロディも最高。また、こちらも代表曲「不可解」3部作であるTr.5「未観測」、Tr.13「狂感覚」では、メッセージ性の強いエモーショナルな楽曲で胸が締め付けられます。花譜ちゃんの高校卒業を記念して書き下ろされたTr.12「裏表ガール」では彼女から観測者(ファンの呼称)への想いが込められていて有難うのお気持ち。インスト前ラストを飾るTr.14「邂逅」は今年のベストソング。カンザキイオリさんの想いが溢れ出しており、花譜ちゃんの感情が乗りまくった歌声が響き、気づいたら涙でした。
 3月の「神椿フェス」では、花譜ちゃんが「邂逅」を歌ってくれたり、カンザキさんと「あの夏が飽和する」「狂感覚」をデュエットしたりと、泣き散らかした想い出。一生忘れません、本当にありがとう。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.2「海に化ける」, Tr.3「人を気取る」, Tr.5「未観測」, Tr.11「青春の温度」, Tr.13「狂感覚」, Tr.14「邂逅」


#4『未完星』/ MaiR

 「ALIVE MUSIX」所属のVsinger "MaiR"のメジャー初となるアルバムをVictor Entertainmentよりリリース。昨年10月からの6ヶ月連続リリース楽曲に加え、アルバム書き下ろしの6曲を含めた全12曲を収録。
 ロックシンガーとして、激しくカッコよく、楽しく盛り上がり、笑いに泣きに、ロックは何でも表現できるんだと云う気概すら感じる、覚悟と魂の込もった1枚でした。彼女自身が作詞を手掛けている楽曲も多いので、歌の表現力と共に自然と様々な想いの形を感じられるのも大変有難い…。ライブをセトリを意識している様な曲順も彼女らしく、単体でもライブで盛り上がるナンバーが多かった印象です。実際に今年5月27日に開催された「MaiR 3rdワンマンライブ ASTRO ROCK」では、Tr.2「Survivor」やTr.7「ヒカリへ」で全力で声出ししたり、Tr.3「ギミギミ」で一緒に踊ったり、Tr.10「エコー」でエモーショナル泣きしたり。そして、本編終盤で披露されたTr.1「未完成アンチテーゼ」は、想像以上に大化けした曲で気付いたら涙してた想い出。いつも力強い全力パフォーマンスを魅せてくれるMaiRちゃん、彼女は本物のライブアーティストなので、是非現地に足を運んで欲しいです。 

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.1「未完成アンチテーゼ」, Tr.3「ギミギミ」, Tr.5「餞」, Tr.7「ヒカリへ」, Tr.10「エコー」


#5『Close to heart』/ HACHI

 Vsingerプロダクション「ライブユニオン」所属の"はちたや"こと、HACHIの2ndアルバム。タイトルにも込められている“⁠心に寄り添う曲”をコンセプトにした本アルバムの楽曲は、ササノマリイ/春野/tee teaなどの豪華なアーティスト・クリエイター陣を迎えて制作されました。
 彼女の活動コンセプトである「夜に寄り添う」を拡張させた、色んな形での"心に寄り添う"が表現された1枚でした。その時々のシチュエーションや心境に応じて刺さる音楽が変わるはず。1stと異なるのは、お洒落なチルアウト系のエッセンスがかなり新鮮で、Tr.1「Deep Sleep Sheep」やTr.6「Level off」など程よくダンサブルなナンバーも歌いこなしています。シンガーとしてまた一段とレベルアップした姿を示してくれて素直に感動しましたね…。特にお気に入りはお馴染みHACHI×海野水玉で贈るTr.3「ビー玉」、眩しい程の輝きと透明感を与えるサウンドスケープで、そこに溶け込んだ想いがエモーショナルすぎて泣ける。Tr.7「空が待ってる」はアルバム屈指の壮大な1曲でしたが、どれだけ壮大な世界観を演出しても彼女の存在を傍に感じる事も出来て、この辺りはVTuber/Vsingerとして普段の配信活動があるからこそだなとも思います。”この空を2人で見よう”はズルい。しかもアルバムを締めくくったのはBEES(ファンの名称)に向けて制作された1曲「HONEY BEES」ですからね。完璧です。
 今作を記念して開催された2ndワンマンライブ「Close to heart」でも、幻想的な演出と共に圧巻の歌唱力を響かせてくれた素晴らしいライブでした。彼女は近い将来必ず武道館の舞台に立つでしょう。本当に楽しみです。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.2「まなざし」, Tr.3「ビー玉」, Tr.7「空が待ってる」, Tr.8「HONEY BEES」


#6『運命』/ V.W.P

 クリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」所属のバーチャルシンガーである花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜が集結したバーチャルアーティストグループV.W.P、待望の1stアルバム。作詞・作曲はお馴染みカンザキイオリさんが手掛けてます。
 昨年のライブ先行披露を経て、数ヶ月後からシングルが先行リリースされる形で、遂に今世紀最高の名盤が完成して本当にありがとうのお気持ち。Tr.1「開幕」からTr.15「仮想」まで全15曲に渡って、電脳世界を生きる彼女達の世界観と物語、秘めた可能性を限界まで表現。ダイナミックなサウンドと見事に融合した圧倒的スケール感は凄まじく、それに負けない5人の個性的な歌声がどこまでも響き渡っていきます。ジャンル的にも疾走感溢れるロックナンバーから、楽しく盛り上がれるダンスナンバー、泣きを誘うラブバラードまで幅広く揃ってます。本当に全曲大好きですが、敢えて1曲選ぶならTr.14「魔女(真)」がやっぱり揺るがないです。V楽曲史に残すべき神曲。
 来年1月13、14日にはV.W.P 2ndワンマンと花譜4thワンマンライブに参加してきますので、ガチで楽しみです(生きる希望)。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.2「共鳴」, Tr.6「秘密」, Tr.7「言霊」, Tr.8「玩具」, Tr.9「宣戦」, Tr.10「定命」, Tr.14「魔女(真)」


#7『Launchvox』/ 長瀬有花

 音楽事務所RIOT MUSICのサブレーベル「汽元象レコード」所属、Vsinger長瀬有花の初の全国流通盤ミニアルバム。初タッグとなるパソコン音楽クラブをはじめ、mekakushe × 笹川真生との共作や、佐藤優介の提供曲が収録。今年1月よりスタートした6ヶ月連続リリース楽曲の中からも、いよわ、ウ山あまね、広村康平(ペペッターズ)と制作した楽曲を含む全7曲が収録。
 『Launchvox』は食材が豊かなお弁当のように、いろんな素材を組み合わせて作られた新しい音楽ジャンル「Bento Wave」が由来した言葉遊びとの事。Tr.2「プラネタリネア」を4月に聴いた時に衝撃を受けたんですが、カットアップやコラージュのように音やジャンルを切り貼りしたような情報量の多い音楽性が特徴ですね。どの曲を聴いても前衛的でカオスかと思えば、懐かしくストレートに感じる部分もあって。長瀬ちゃんの歌声にある独特のニュアンスも相まって謎の中毒性があります。mekakushe × 笹川真生によるTr.7「宇宙遊泳」はシューゲイザーとエレクトロニカを混ぜた幻想的なサウンドスケープが強烈なのに、メロディと歌詞はとても身近に感じる世界観が素敵でとても気に入っています。総じて「日常と非日常」「今と昔」「リアルとバーチャル」などの狭間にハシゴを掛けてくれる様な素晴らしいアルバムで、だららこそ初めての音楽体験ができる満足感しかない1枚でした。
 初の有観客ワンマンライブ "Eureka"でも、極上の長瀬ワールドをライブ体験する事ができて、そんな唯一無二の世界観・アーティスト性に更に惹かれる年となりました。来年もライブ行きますわよ。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.1「近くて、遠くて」, Tr.2「プラネタリネア」, Tr.6「ほんの感想」, Tr.7「宇宙遊泳」


#8『ADAM』/ Albemuth

 クリエイティブレーベル「SINSEKAI STUDIO」所属のVsinger"存流ある" と "明透あす"によるユニットAlbemuth。待望の1stアルバム『ADAM』と『eve』を同時2枚リリース。こちらの『ADAM』は"Albemuth黑"としてリリースされ全10曲を収録。主に作詞には祭日ハネダ、作曲にはHiFi-P、TeddyLoid &Giga、大沼パセリ、梅とら、鬱P、Neuronが参加。
 『eve』も名盤だったんですが、より好みだったのは『ADAM』でした。罪をコンセプトにした"黑"としてAlbemuthの新たな進化を示すには余りに強い曲しか揃ってなくて。全体的にメランコリックでダークな雰囲気を軸に、ヒップホップ、ハードコアテクノ、ダブステ、トラップ、メタルなどノリノリになれる攻撃性の高いジャンルによって構築されてます。Tr.2「Black Glow」くらいスタイリッシュで尖り散らかした爆裂爽快サウンドもあれば、Tr.7「tuberose」の様に妖艶で酔いしれるメロディもあって、10曲分アプローチに富んでるので満足感が高い。それぞれのクールな歌唱表現も幅広く、奥行きと力強さのあるハーモニー含めて、2人以外にもシンガーがいると錯覚してしまう程です。
 今年は「神椿フェス」で初めて現地でのライブを観れたし、来年4月には初のワンマンライブも決定。チケット無事に握れたので楽しみですね、ライブで盛り上がる曲が多いので。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.2「Black Glow」, Tr.3「HALF」, Tr.4「Do You Wanna Die?」, Tr.7「tuberose」, Tr.10「cage」


#9『うさぎ the MEGAMI!!』/ 兎田ぺこら

 VTuberグループ「ホロライブ」所属の3期生、兎田ぺこらの1stアルバム。これまでにリリースしてきた『ぺこらんだむぶれいん!』や『いいわけバニー』などに加え、picco、Medansy、板垣祐介など豪華な作家陣が制作した新曲が4曲収録。
 ぺこらの様々な魅力が引き出されつつ、初のワンマンライブをかなり意識してるであろう素晴らしい1枚でした。Tr.1「兎座ストーリー」はpicco流のフロアライクでエモーショナルなメロディをスケール感のある仕上がりに。サビに合わせた声出しパートがあるのも良き。続く、Tr.2「最強女神†ウーサペコラ」は最強ライブソング爆誕って感じで、"ぺこちゃーん!"って叫ばずにはいられない。Tr.3~Tr.6は既存曲ですが、これらもライブ映えする楽しい曲だったので非常に楽しみです。なんてったって、ナナホシ管弦楽団、ナユタン星人ですからね。Tr.7「昇天直前Love it LIVE」はMedansy節全開でオタク心を掴むライブで大盛り上がり間違いなしなアイドルソングに。そして、ラストTr.8「キミと見たい景色」は想いのこもった歌詞が沁みるエモーショナルなバラードナンバーでエンディングに相応しい1曲でした。
 初のワンマンライブは笑顔あり涙あり声出しありで、現地らしい素晴らしいライブ空間が完成されていたと思います。ガチで楽しかったです。

★特にオススメするTrack
 ⇒Tr.1「兎座ストーリー」, Tr.2「最強女神†ウーサペコラ」, Tr.4「いいわけバニー」, Tr.5「ララララビット!!」


#10『The Pages』/ 町田ちま

 「にじさんじ」所属バーチャルライバー、町田ちまの待望の1stミニアルバム。戌亥とことNornisとしても活動している彼女ですが、今回はソロとして先行リリースされた「名前のない感情」や「背後に注意」に新規曲も加えた全5曲を収録。
 温もり、怒り、希望、絶望…と“君”のことを想い芽生えた感情から生まれた5つの物語から成るミニアルバムとの事で、確かに世界観ゴリ押しの圧倒される1枚でした。間違いなく超名盤。物語調の美しい歌詞とサウンド、メロディーに満たされており、映像的な音楽で五感を刺激してくる。ちまちゃんも世界観にきっちりフィットさせており、可憐さに加えて儚さや怖さが共存した様な歌唱が素晴らしかったです。新規曲でMVも公開されたTr.3「苛性瑠璃色真夜中」とか圧倒的かつ神秘的な歌声が鳥肌級。一方で、ドラマティックでエモーショナルな展開が光るTr.4「つぎはぎどうし」、Tr.5「ひとひらの未来」が特に気に入っています。ガチで泣きメロすぎる。いつか、オーケストラも引き連れて生バンド現地ライブやって欲しいですね…。
 「にじさんじフェス2023 前夜祭」にてNornisがライブあったので、ちまちゃんの声も生で聴くことができました。ひたすら可愛い小柄な身体から出てるとは思えない芯のある歌声とても綺麗でした…。来年ワンマンあるかな。

★特にオススメするTrack
 ⇒全部!!!


ーーー以上、VTuber / Vsinger部門の10選でした。アルバム・EPになるとやっぱ企業勢が揃ってしまいますね。にしても、今年は豊作だったし、リリースを記念したライブも参加できて本当に嬉しかったです。
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