夫婦。我が家の場合。~新婚は源平合戦~
「あなたたち、またケンカしたの?」
結婚前後、周りからよく言われていた。
本当に、いやになるほどケンカが絶えなかった。
新婚のころのケンカの原因は、どれも些細なこと。
たいてい少し時間が経つと、何が原因かわからなくなっていた。
「自分は正しくて、相手は間違っている」
お互いに正当性を主張したかったのだ。
(認めろ!認めるまで許さん!)
主張が強すぎて、引くこともなく、
いつもケンカは長引いた。
何日も無視して口をきいてもらえない。
私は、かつて母との間に流れていた重い空気を思い出して、
胸が苦しくなった。
会社で働きだすと気が紛れたけれど、
専業主婦をしていた3ヶ月間は苦しい時間だけが続いて、
体に異変が出てきた。
夫はケンカをしていない時は機嫌がよく、とても優しかったのだ。
とてもとても。。。
(そんなに優しくしなくていいから、無視したり、威圧的な態度はやめて欲しい。)
些細なことでケンカしても、本当に言いたいことは言えなかった。
やっとの思いで、
「子供はあと2,3年後にしたい」
と伝えると、激怒してこう言い放った。
「そんなことを言うなら、他の女性に産んでもらうからな」
一瞬、耳を疑った。
でも、言い返せない自分が情けなくて。
ずっと引っかかっていたこの言葉のことを夫に言えたのは10年くらい経ってから。
でも、夫は全く覚えていなかった。
10年がかりでやっと言えたのに、あんまり意味がなかったかも。
仕事が休みの時は、よく旅行に行った。
たいてい私がプランを立てて、手配もしていた。
ところが、やっぱり旅行先でもケンカが勃発。
些細なことで言い合いになり、途中で「もう帰る!」と捨て台詞を吐いたり。
今思い起こすと、本当に子供のようなケンカで恥ずかしい。
しかし、表の形は夫婦喧嘩でも、私の中では母との関係を無意識の中で繰り返していたのだ。
親子という逃げられない強弱の差がある関係。
そこから逃れたはずなのに、全く同じことを繰り返して自分では気づいていなかった。
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