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歌はすべてのすべて

なーんか昨日に続いて
物騒な話で申し訳ないんですけど
恐怖って、その場で感じた時に
放っておかないと
身体に残る、という話をしたいです。


超ーーーー精神がマズイ事になっていた頃…
ある事が起こりました。

その事についてをググってみたら
2016年、だそうです。

7年前…か。

わたしはストレスのせいか
記憶というか時系列が
曖昧になっていることが多くて
何がいつ起きたことが
よく把握できていないんですよね…。


とにかく、この頃はマズイ事になりすぎていて
夜、眠りにつくときには天に向かって
「今すぐこの命を取ってください」と
祈ってから眠ったりしていた。

うなされて、叫びながら目覚めたり、
寝ていても泣いていたらしくて
目がダバダバになって起きたり…

そんな頃、
寝てもすぐ目が覚めちゃって
スマホを見ていた。

すると、なんだったかな
Yahooニュースかなんか。

海外で日本人女性が事件にあった、とのこと。
いや、実際のニュースの文字面は
もっと凄惨で目を背けたいものだった。

その女性の名前は
以前、音楽活動でしばしば
ご一緒させていただいたことのある
女の子のものだった。

自分達のレコーディングの関連や、
ライブを一緒にやったり

サポートメンバーとして参加してくれて
新宿のサザンテラスで
イベントをやったこともあった。

都庁の近くで、LOVEのモニュメントがある場所。
あそこ。

彼女といったら天真爛漫、無邪気。
常に音楽に満たされてて、リズムを取ってた。

鼻歌、ご機嫌。
本当に可愛い子だった。

いつも海外に行っていて
音楽留学というか修行、というか

とにかく楽しんでいることが
いつもいつも彼女の発信から
見て取れていた。

わたしはとても
音楽活動をできるような状態ではなく

あまりにも自分とは
違う彼女のキラキラした世界を
全く違う異次元のおとぎ話のように
遠くから無様に
眺めるくらいしかできなかった。

そんな彼女の名前を
思いもよらぬ形で 
スマホの画面から目にして

あの一瞬にして固まりになる
自分の身体の感覚って
本当に強烈だった。

どうしてあんなに
未来が輝いてしかいない彼女が…

今すぐにでも消えてしまいたいと
願っていたわたしではなくて

彼女が、どうして、、と。

どうしようもない
やり場のない怒り、苦しさ

あとわかんない、底のない穴。
ずっと突き落とされっぱなし感。

だけど、それは真夜中のことで
寝室にはパートナーが眠っている。

起こしてこのネガティブを
ぶつけてしまうようなことは気が引ける

きっと、言葉に出して
この思いを感情のままに
伝えてしまったら

自分は錯乱してとんでもない状態に
なってしまうのでは、という
取り扱いようのない恐れ

どうしようもなく
わたしは身動きひとつ取れず
呼吸も危うくなるくらいに
ショックで気が遠のいていた。

あの時
「嫌だ!!!!!!!!!!!」
「なんで!!!!!!!!!!」
「あーーーーーーーー!!!!」

何より、彼女の名前を叫びたかった。

叫べなかった想いが
ずっと自分の中で漂って
重く、重く、わたしを引きずり回すようだった
それからの日々。

ネットで彼女の続報ばかり検索していたら
事件現場の画像を目にしてしまった。

乱暴されて、とにかく酷い目に遭って
草むらに横たわる、彼女の足の画像。
ちいさな、可愛い足が。

海外メディアのそれは
日本では考えられない配慮の無さで
探せばもっと生々しい画像もあるようだった。

見られなかった、わたしは。

ネット上には
彼女のことを知る人達の
悲しみや嘆き、餞の言葉…

どれだけ愛されているのかも
とてもよく伝わるものばかりに溢れていた。

だけど、心無い言葉もあった。

単身で海外の治安が
悪いところに行くなんて…とか。

もっと酷い言葉もあった。

もう、それから続報を追うのはやめた。



少し話変わりますけど

記憶の奥、ってあると思うんです。
あります。絶対。

自分ではもう
記憶の奥の奥の奥の奥の奥にあるものって
自分ですら
何が何だかわからなくなっていると思うんです。

良く言うじゃないですか
潜在意識と顕在意識、というやつ、アレです。

もう、普段の生活では
必要のないものだから、と
記憶の奥に閉まっておいた記憶って
消えないようなんですよね、どうやら。

捨てたつもりでも、捨てられない。
終わるまで終わらない。

言語化をしていないだけで
エネルギーとしてずっと
身体や自分のエネルギー体の領域のような場所に
留まり続けている。

わかんないですよ、
こういう書物とかまだ読めていないので
持論ですけど、そう思うんです。

で、その記憶の奥にあるものって
言語化ができた時にやっと
引っ張り出せると思うんです。

で、引っ張りだしたら、
その記憶は要る、要らない、って選択ができる。

でも、言語化できないものは?

わたしは、声だと思うんですよね、鍵が。
声。歌。

嫌だ、と泣き叫びたかったという想いの
歌とかあるじゃないですか。

相応しいものがなければ、
自分で作るんでもいいんですけど

とにかく、歌うんです。自分の声で。
想いで。エネルギーで。

そうしたら、顕在意識として
上ってこなかった
もっと深層部分の深い深い記憶の奥の
エネルギー、想いが昇華できると思うんです。

感情や感じ切らないと終わらない、って
よく耳にしますけれど
その場その場で、その都度
感情というものを感じきれるのならいいんですが

そうでなくて、
感じたいと思えずに避けちゃったり
しまっておいたり

そんなに気にすることでもないや、と
なおざりにしてしまったものって
自分の奥深くに溜め込んでいくはめになる。

だから、喜怒哀楽
愛してる、大嫌い、大好き
ぶっ壊してやる、慈しみやら
なんやらかんやら、全部の気持ち…

あらゆる感情を歌で表現することって
その記憶の奥のエネルギーを
表面まで上ってこさせる

呼び水というか、引っ張り上げることができて
昇華させてしまえると思うんです。

いきなり根深いものが
昇華する場合もあるけれど

顕在意識の部分や、顕在的な感情の
昇華は間違いなく歌うことでできるから

そのクリアになった状態だと
顕在意識よりも更に深い領域、
潜在意識とかそういった領域で
淀んでいたものを触りやすくなると思うんです。

だから、わたしはネガティブな歌が
めちゃくちゃ好き。
癒やされる。

ネガティブな歌を歌うと
気持ちが沈むから嫌だという人が
結構いるけれど、わたしはその逆。

そのネガティブな想念を
昇華させる、炎のようなものを
放っている感覚がして
救いのないような暗い歌を歌うのが好き。

もちろん、ポジティブな歌も大好き。
美しい旋律も。

良し悪しはなくて。歌には。
自分の好み、センス、相性というものがあるだけで。

歌に限ったことではないけれど、
本来何事も良し悪しはない。

要するに、どんな歌も好き。
歌うことが好き。

酸いも甘いも。
全部味わいたい。

みんな、きっとそうだよ、って思っている。



許せねえええええええええええええ

とか

破壊ぃいいいいいいいいいいいいい


みたいな歌を歌うと
スッキリとして、徐々に
なぜか自然と天国の調べ、みたいな歌を
歌いたくなったりしていくんですよね。

自分の心がとっ散らかっていたら
そのとっ散らかりのまま歌う。

すると
そのとっ散らかりが昇華していき
次第に光が差し込んでくる、みたいな。

自分の部屋が散らかっていたら
美しい花を飾っても淀むじゃないですか。

まず、部屋を整える。
そして、その澄んだ空間に花を飾る。

全然違いますよね、散らかった部屋に
小細工するのとは。

心の働きって
そういうものなんじゃないかな、なんて
わたしは思っています。

まずは、出す。出しまくる。
そしたら、入ってくる。
そしてまた、出す。

その循環がスムーズだとトーラス状態になり
流れ入る、流れ出すが
同時に起こりだす。



歌う時に、まだまだ音楽をやりたかった
あの子が共にいる気がするんです。

ちゃんとそうやって彼女の事を想ったり
祈ったりしているわけではないけれど

自分の祖母や父や
亡くなった人に限らず
みんな、歌の中にいるんです。

歌の中、というか
歌の向かう場所にいる、というか。

歌、ってそういうものだと思っています。

可哀想な目にあった、
無念の死を遂げた子ではなく
無邪気にはしゃいで演奏しているあの子がいる。

わたしたちの歌を好いてくれて
「また一緒にやろー!」って
純真さの眩しい笑顔。あの子がいる。

思い切り身体じゅうをつかって
飛び跳ねて、音を奏でていたあの子が。

ニコニコして喜びが溢れ出て止まらない
演奏をしていた、あの子の喜びが

歌の中にいつでもある。いる。

父が、いる。

いつも私の見ていた、
疲れ切っていた父ではなくて
本当の父の姿がある。

お調子者の一面があったり
握手が大好きで
涙もろくて情に熱い
ギターを弾いて歌っていた父。

今思えば、そんな父と
そっくりになったわたし。

人と音を合わせたり語らうのが大好きな父。
そんな父がいる。歌の中に。

ばあちゃんがいる。

目を細めて
わたしがラムネかなんかが入った
おもちゃのマイクで歌うのを見て

手拍子して、うまいうまいと
褒めてくれたばあちゃん。

わたしの名前を
あったかい声で呼んでくれた
ばあちゃんが

いる。歌の中に。

みんな、いる。


正しいメロディに
正しい発声をして
滑舌良く、姿勢を正して
形式ばってやる歌もあるけれど

そうでないほうの歌を
たくさんの人に伝えていきたいなぁと。
思うんです。

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