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2020年2月の記事一覧
残酷なシティーポップ
管楽器を奏でる天使は
その翼で未来に向かう
穢れなき空に描いた
21色の虹を編み込んで
異常な博士は愛を込めた
この世界にミルクシェイクを
撒き散らして微笑んでいる
静かに傾く視界すら楽しみ
悪魔が歌うシティーポップは
全てを灰に帰して途切れた
窓の右に覗く赤い月を
義足の傭兵は
戦場でジャズを聴く
これが最後だと
何度も口遊む
故郷の部屋で
窓の向こうから
覗いた月の下
彼は争い続ける
ジャズのテープが
途切れるまで
エンジンチェーンソー
曖昧な午後に紅茶を
弱者の罪には罰を
何でも切り裂くチェーンソー
良ければ俺の憂鬱も
噛み砕いてくれないか
狂ってしまいそうな
この日々を忘れる為に
骨すら残らないとしても
其処に貴方がいなくても
そんなに好きじゃなかった
貴方の事をすぐに忘れて
知らない人と幸せに為るの
そう言いながらあの人は
泣いたりしなかった
本当に強い人ならば
涙を見せ付けたりしないと
修羅であった父が言ってた
今ならその意味が分かる
そんなに好きじゃなかったと
自分を慰めたりしなければ
何処かですれ違っても貴方を
思い出したりはしないから