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キミは小さな恋人

ある夏の雷鳴轟く夕方。
ピカッ⚡️ゴロゴロゴロ…。
地響きと共に、稲妻が光る。
「うわ大変!おへそ隠さなきゃ!チョーちゃん、ベッドに隠れて!」
チョーちゃんは、慌ててベッドに入り、布団を頭から深々と被った。
今日、チョーちゃんはお昼寝をしていない。
「ママも早く!こっち来てー!」
チョーちゃんに呼ばれて、私も一緒にベッドの中へ。
ピカッ⚡️ゴロゴロゴロ…。
「おへそ隠れてる?」
チョーちゃんは、ちゃんと確認してから「うん、大丈夫!」
ピカッ⚡️ゴロゴロゴロ…。
「もっとママんとこに隠れとき!」
と言って、私はチョーちゃんをムギュって抱きしめる。
ピカッ⚡️ゴロゴロゴロ…。
ピカッ⚡️ゴロゴロゴロ…。
暑い・・・。夏の夕立ち。激しい雨音。
さすがに薄い肌掛け布団とはいえ、2人で潜っていると汗だくになって来た。見ると、チョーちゃんのお顔が真っ赤!
あら大変!少し調子に乗り過ぎた・・・。
布団をずらし、チョーちゃんの汗を拭き、団扇で扇いであげる。麦茶を飲ませてから、
「もう少しベッドで寝とき」と、私は夕飯の準備に取りかかった。
ゴロゴロゴロ…。
「ママー!まだ鳴ってるよ!」
「もうだいぶ雷さん遠くに行かはったから大丈夫!」
チョーちゃんは、安心したのか疲れたのか…。そのまま大人しく寝てしまったよ。
今日は、少しママの悪ふざけが過ぎたね・・・。


ある日の週末。
今日は家族でお買い物。
ママは平日お仕事をしているので、土日に家族での買い出しは恒例。
今日はいつもより荷物が多い…。
パパが「チョーちゃん、ママの荷物持ったげて!」と言うと、「はーい」と良いお返事をして私の持っていた荷物を1つ、取り上げた。
「ボクがママ助けたげる!」
牛乳6本と玉ねぎ3つが入った袋。
チョーちゃんは「うーんとこしょ…うーんとこしょ…」と、袋を地面に引きずらない様に、必死に持ち上げる。
車からお家の玄関までの数メートル。
見ると、チョーちゃんのお顔が真っ赤っか!
「チョーちゃん、力持ちさんだねー!」
私は、ギュッとチョーちゃんを抱きしめる。
チョーちゃんは、ニコッて笑顔を見せて、私のほっぺにキスをした。


あの日のチョーちゃん。
キミは、私の小さな頼もしい恋人。
キミはどんな大人になるのかな?
たとえこの時が長く続かなくとも、
私はキミをずっと見守ってるよ
青い空から、キミの幸せを願って…。


いつも最後まで読んで下さり、ありがとうございます。


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#雷鳴
#夢・希望_未来へ前進
#幸せになろう

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