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入学前から楽しみで仕方がない【高校野球奮闘記Vol.2】

前回の記事【高校野球奮闘記Vol.1】はコチラ👇


春季大会を見学して

入学する高校が決まると、4月から始まる高校生活に希望と不安を抱いて入学式を迎えるのが一般的であろう。

私の場合は、小学生時代から『高校野球』と『甲子園』の二つに憧れ続けていた。

とりあえず、高校野球がやっとできるという嬉しさでいっぱいだった。

進学校なので、入学前からいろいろと学業の課題を出されていたとは思うが、気持ちは早く入学して野球部に入りたい一心であった。

そしてこの時期には、いろんな情報が届いてくるのだ。

・1学年上(新2年生)には、父の知り合いの息子さんが野球部にいる。

中学最後の大会の2回戦で対戦した市内屈指の好投手が同校に入学するらしい。

野球部の監督はめちゃくちゃ厳しい。しかし、3月で退任するらしい。

このような事前情報が入ってきた。

入学を直前に控えた3月下旬、春季大会が地方球場で開催されるので見学に行くことにした。

自分が入学する高校がどれくらいのレベルの野球をするのか知りたかった。

スタンドから見た選手たちの第一印象は、思った以上に身体がデカイ。

進学校の野球部と思って、正直少しナメていたところがあったのは否めない。

初回の攻撃が始まった。

ツーアウトランナーなしから、3番の左打者。バッターボックスの構えを見ていて雰囲気がある。好打者なのだろうか…

アウトコースのボールをバットの先で拾うように当て、ショートの後ろレフトの前へ片手一本で技ありのヒット。

スタンドの観衆から思わず「うまい!」と声が漏れるほどの打球だった。

このバッティングは入学前の私には衝撃的だった。

こんなバッティングができる人が先輩にいるのだと感動し、中学校まで自分たちがしてきた野球とは少し次元が違うと感じさせられた。

その先輩は、次の4番打者の打席で初球から盗塁成功。

まさしく、センスの塊のように感じた。

そして、この先輩は次の打席でもライトオーバーのフェンスを直撃する、あわやホームランの長打を放った。

もう、ビビッてしまった。

この先輩は、私学の強豪でもレギュラーで活躍できる選手じゃないかと。

ピッチャーは控えの新2年生が先発。

好投していたものの、途中から崩れ、ベンチ前で監督から叱責される声がスタンドに響く。

コワい監督だ。

この監督は私学強豪校の監督みたいなオーラがある。

『甲子園に行くのなら、こんな監督の指導の下でなければ絶対にいけないのだろうな』と思った。

でも残念ながら、この監督はこの試合で退任であった。

試合の結果までは覚えていないが、3番の左打者の野球センスと監督の厳しさが記憶に残った見学だった。

いよいよ野球部に

入学式の日にそのまま野球部に入部届を提出したいほど、気持ちは高まっていた。

しかし、学校としては学業優先である。

部活動のことは、後回し。そんな雰囲気すら感じた。

実際、部活動の入部受付は入学してから一週間後くらいから始まった。

気が早い私は、初日のクラスでの自己紹介で「中学では野球をしていました」発言をしていた二人に声を掛けた。

そのうちの一人は「ラグビー部に入ろうかなと思っている」とあえなく野球部への入部は断られた。

もう一人は「うん、野球部に入るつもりやで…」と。

ややテンションは低め。

私は、一日も早く練習に参加したいのになあ…

そして、いよいよ野球部の練習しているグラウンドへ。

新入生まとめて受け付けるような方法ではなく、入部したい者はグラウンドに直接来てお願いをしたように記憶している。

だから、バラバラと入部してくるような感じだった。

やはり、進学校は部活動に力が入っていないのか…

入学前に見たあの監督の姿からは想像もしていなかったバラバラ入部。

それもそのはず、あの監督は退任してしまったのである。

そして、4月から新しく就任する新監督が未定だと判明。

えっ、どうなってしまうの…

せめて『3年生のキャプテンが、新入部員を取りまとめてくれるなどしてくれないのかな』と不安がよぎった。

3年生と2年生は練習に集中しており、新入部員の1年生のことなど構っていられない。そのように感じた。

つづく…


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