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メリーメンタルクリスマス

仕事が忙しくて時間もめいいっぱいやって、疲れて果ててしまう日ってあるよね。

(補足:職場は主婦が多く働いて居るので家庭と仕事の両立を持続させるためにも、必ず週休2日、残業は基本的にはしない。どうしてもって時は上司に許可をとり20時くらいまでなら。残業代は全てつく。といった感じで、わたしも日頃忙しい忙しいぶってはいるけれど、飲食業のチーフにしてはそこまでハードではない)

その疲れた日でも、すっごく心までペシャンコになってしまう日と

疲れたけど失敗もしたけどがんばったなーって日がある。

今日は仕事で割とやることがいっぱいあって途中でもうだめかもしれない。。。ってなったけれど、良い感じに終わることできたな。って思える日だった。

実は、強迫性障害の子と一緒に働いて居て、その子の症状はお天気のように毎日変わる。調子の良いときは普通だが、調子の悪いときは家から出られない、車から降りれないとかなんかでで何時間も遅刻をする。カウンセリングにも10年以上通っていて「自分の病気は良い時と悪い時を繰り返し完治する事は期待できない」と一緒に働く前にも話してくれた。一緒に働く前からの知り合いではあったけれど、正直そこまで症状がひどいということも知らなかった。そして厨房に入る際に、病気のことをわたしから他のスタッフに説明することを承諾してもらった。その子はもともと腕の良い和菓子職人で、洋菓子の経験もあり、わたしはその子と一緒に働くのが好きだ。技術や知識の面では他のスタッフからも頼りにされている。

その子はここ一年かけてようやく社会復帰ができ、わたしたちも支えるチームワークが整ったので、彼女を中心としたクリスマスケーキのチームを作ってみた。

そしていよいよその作業に入るはずだった今日、初日。

その子は大遅刻をした。

9時出勤で調子良ければ10時前に来れる日も最近ではあったのだが、今日に限って3時にようやく姿をみせた。

「ごめんね」「すいません」このやりとりが一番時間の無駄。

なので「よくきたね。今日はなにがあった?」

と、わたしの方からいつもきくことにしている。

遅れてきた理由を話さないままだと彼女は仕事が手につかなくなるということについ最近気がついたからだ。

脅迫概念の強くなっているときは接する相手が自分に苛ついていないかをとても気にする。その点わたしは彼女にまったく苛つくことはないので、彼女はわたしと話すと直ぐに安定する。

わたしは彼女が安定するのを感じると、直ぐに仕事の段取りの話をする。

「こんなに遅刻したのだから、先ず今日中にやらないといけないこと確認しあって分業しよう。泣いている時間も謝っている時間もないよ。とりあえずとりかかろう」

「はい」

こうして彼女は作業にはいる。

彼女が遅刻してくる時は何も口にせずにふらふらになって出社してくることもわかっているので、わたしはカバンから好きなパン屋さんで買って大切に持っていたオレンジピールのスコーンを取り出して。食え。と渡した。温かいお茶も添えて。

あまりにもかっこいい事をしてしまって恥ずかしかったので、

「わたしって優しすぎるよね」

って言いながら他のスタッフにもお茶を配った。

精神疾患の子と働くことはとても難しい。

可哀想と同情するのは簡単だが、支えるのは簡単なことでは無い。自分の仕事にまで支障をきたすとイラッとくる。他のスタッフもはじめはものすごく我慢していた。なんで遅刻してくるのに許されているのか?手ばっかり1時間くらいずっと洗い続けているのに注意しないのか?3人でもギリギリの作業を遅刻すると2人でやらないといけないときもあるわけで、特別扱いをされている彼女にイラッとする。みんなが内心そう思っていたのも当然のことだ。それでも、わたしはそのたびに彼女の病気の事を説明し、調子良いときの彼女の作るお菓子をちゃんと評価して欲しいと伝えてきた。調子の良いときは仕事の手もものすごく早いので、そこは誰も文句が言えなかった。

今日は本当にどうなるかってくらい焦ったけれど、なんとかなった。

何とかなれば別に彼女の遅刻なんてわたしは正直どうでもいい。

もともと人間は平等では無いのだし、色んな人がいた方が多様性があって楽しいし、飽きない。わたしは彼女のいる今のチームが好き。

疲れたけれど、とりあえず良かった。

明日は何時に来れるかな。

予約めっちゃ入ってるよー。

24のピークまで無事にやり遂げられるだろか。

乞うご期待ってとこだね。


くりえ。

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