No.9 あるぷく2020 -「今の福島」を知ってもらう-
今回、福井凪桜さん、八巻叡美さん、下釜沙友さんの三人の女子大生を取材した。彼女たちは「あるぷく2020」を運営し、インスタグラムを軸に活動している。「あるぷく旅」という企画を中心に、自ら福島の各地を巡り、「今の福島」を発信している。
あるぷくの始まり
600人を超えるフォロワーのいる@arupuku2020_officalはなぜ始まったのだろうか。
学校で探求課題を課せれた福井さんは自分の見える福島について発信したいと考えた。
「福島は復興してきていると言う事実があるのに、ニュースがちゃんと行き届いていないかと思った。 」
そして、福井さんは同級生の八巻さんと下釜さんを誘った。
八巻さんには地域活性化に取り組んだ経験があったが、このプロジェクトに、他の活動にはなかった熱意を持っているようだった。
「もちろん大人に支援をいただくことはいっぱいあると思うんですけど、その中でも自分達でやることに意味がある。」
投稿のデザインは下釜さんが中心となり、お互い足りないことを補い合えるメンバーで活動をしている。
なぜインスタグラムを媒体として情報発信をしようと思ったか聞くと、「わかっていること」から始めたいと言っていた。「わかっていること」とは自分達もそうである学生のことであったため、学生をメインフォーカスとして活動を始めた。あるぷくのインスタグラムを使った活動はSNSの普及が地方活性化にどれほどの影響力があるか示すと同時に、3人のターゲットオーディエンスを意識していると感じさせることだ。
3人のあるぷく
一体どうして学校の課題として始まったプロジェクトを大学生になっても続けるのだろうか。八巻さんと下釜さんは福島の大学に通う中、福井さんは東京の大学に通っている。進学し、環境が一変していくことであるぷくが活動しなくなることもおかしなことではないだろう。
「意地でも続けたかった」
彼女たちをインタビューして、私はあるぷくの基盤には友情があるのではないかと思った。
あるぷくは高校生活の思い出だと3人は話していた。もちろん地元に対する思いもあるだろうが、それ以上に3人の信頼関係がよく伝わってきた。一人が話している時の他の二人の頷き方や互いについて話す姿印象的だった。あるぷく以前に3人の友達として熱意が感じられた。受験に伴う活動休止もありながら、あるぷくの活動を再開させる原動力となったもはのは友情ではないのだろうか。
活動休止で見えたもの
あるぷくは3人の受験を機に活動休止期間に入り、今年6月に活動を再開されたばかりだ。舞台裏では何が起こっていたのだろうか。
大学へ進学した彼女たちはそれぞれ他に取り組みたいことや興味が増えていた。そんな中、活動再開の話を持ち上げたのは福井さんだった。
「凪桜が熱心に声をかけてくれて、続けてやろうよといっぱい言ってくれた。」
しかし、3人ともあるぷくに対する思いはあったものの、各々異なるの大学生活や進路があり、活動再開となっては意見のすれ違いが生じた。それでも、議論を重ね、お互いの妥協点を見つけることができ、今に至っている。
「これからどう活動していこうか、それぞれやりたいことをやりつつ、新たな形で活動を続ける方法が見つかった。」
高校生活を共にした仲間だからこそ、オープンなコミュニケーションがとれたのでがないかと私は思った。
また、あるぷくの未来理想図について尋ねると、講演会や新聞記事の掲載、ラジオの出演、グッズの販売など様々なことが挙げられた。
将来へ向けて多くの計画があるため、人手を増やすことは考えているのかと尋ねると、運営員を募集することを考えたことさえもないような反応をした。
「同じ思いを持って、同じ目標に3人で向かうことに重きを置いている。」
負担を減らしたいと思う姿もなく、あるぷくへの熱意が強く伝わってきた。
このインタビューで最も受けた印象は福井さん、八巻さん、下釜さんの3人の波長が揃っているからこそあるぷくが活動を続けていられるということだ
これからのあるぷく
あるぷくはこれまで以上に勢いをつけ、活動を再発進させている。それぞれ大学で学んでいることをあるぷくの活動に結びつけることのできるようになり、高校生の時より時間の使い方が自由になっている。多くの人と繋がるようになったり、以前と比べて刺激が増えている。また、活動の幅も大きくなっている。始めた当初よりまったく異なった環境にいる3人は成長し、それとともにあるぷくは進化していくだろう。
現在、インスタグラムLiveを利用し、勉強会を開催している。ぜひ確認してみてください。
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この記事を書いた人・取材した人
江原 颯希(えはら さき)千葉県在住の高校生。転勤族で地元と呼べる地域もない中、地域活性化に興味を持ってクリネクションに参加。洋画好き。将来、林の中のこじんまりとした家に暮らしてみたい。
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