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『 THIS IS US/ディス・イズ・アス 』の物語考察【#2】

『 THIS IS US/ディス・イズ・アス 』の考察がスタートしました。1回目の前回は、やすのさんが、ケヴィンの人生に焦点を当てながら、関係性を通しての成熟プロセスを考察してくれています。ケヴィンの迷っていた心が、様々な出会いとその関係性によって統合へ向かうプロセスがとてもよく理解することができました。

今回は、物語の始まりとも言えるカップル、ジャックとレベッカに焦点を当て、人間性とは何かについて考察してゆけたらと思います。特にAIがものすごいスピードで一般社会に溶け込み、進化していっている現代において、この「人間性」がよりクローズアップしてゆくのではないかと感じています。人間とAI、それぞれの役割を考える上で、その関係性においてもヒントになると思っています。

ジャックとレベッカにみる、ゆらぎと人間性

ジャックとレベッカ

人の人生は千差万別で、人は一生を通して様々な出来事や人に出会い、その体験の積み重ねが、私たちを育ててくれます。そしていつの時代も人間は、光と闇という、良くも悪くも人生に起こる様々な出来事のグラデーションの狭間で、時には立ち止まり、動き出し、常に揺らいでいる存在ではないでしょうか。ジャックとレベッカの二人からも、様々なグラデーションの中で揺れている人間性を感じることができます。

二人の出会いという煌めき
ジャックとレベッカ、二人の出会いは、ジャックがベトナム戦争から帰還し、これからどうしようかと思っていた時期でした。またレベッカにとっては、歌手になる夢を叶えるために頑張りつつも、少しどこかで諦めを感じ始めた時期です。二人とも、人生の岐路とも言える地点、人生の次のステージへいくちょっと手前の段階で出会っています。

そして二人の出会いは、どちらにとっても人生の大きな分岐点でした。ジャックにとってレベッカは救世主だったかもしれません。ジャックがレベッカと出会ったのは、犯罪を犯すかどうかという、まさにその瞬間でした。レベッカの歌声に出会ったことで、彼の人生は、もう一つの道へと進んだのです。レベッカにとってジャックは、新たな人生へと引っ張ってゆく存在だったかもしれません。レベッカの歌手になる夢が破れたその瞬間に一緒にいたのがジャックでした。

ジャックの人生

ジャックの生まれ育った家庭は、決して経済的に豊かな家庭ではありませんでした。また父親がアルコール依存症で、家庭内では父親による母親に向けるDVやジャックと弟ニッキーへの虐待もありました。そのような環境で育ったジャックは、長男として母親や弟を守る役割として存在しています。

このような背景からジャックは、強い人間になることを常に意識しています。彼のその信念は、自分の父親のようにはなってはいけないという気持ちと、アルコール依存症を患っている父親の中に見える弱さへの嫌悪があったのではないかと思います。その弱さへの抵抗、嫌悪、反発が「強さ」への執着になります。「こうあるべき」という考えも強まったのだと思います。それはジャックの心の奥にある「劣等感」を覆い隠すようなものでした。そこに少しでも触れるような事があれば、頑張って感じないようにするとう、強い信念で乗り越えようとする姿がみえます。反対を押し切ってレベッカと結婚した後も、そして子供が生まれてからも、理想の夫や父親であろうと務めることで、さらに強まっていったようにも思います。

ジャックの仮面とその下にあるもの
ジャックの強い夫・父親という仮面の下に、成長過程で受けた虐待、そしてベトナム時で体験したこと、そこで生まれた弟との確執による様々な傷を抱えていました。一生懸命に仮面を被ることで、彼はある程度まで精神の均衡を保っていました。人は自己を偽ると、外と内の不一致の中により、どしても無理が生じます。その無理は、人生の中でいつも以上にストレスを感じている時期に歪みとなって表面化してゆきます。

レベッカの人生

レベッカは、幼い頃、家政婦が家にいるほどの裕福な家庭に生まれました。彼女は、特に父親に可愛がられている一人娘です。天真爛漫な女性であり、ジャックと結婚する前は、歌手としてバーで歌を歌っていました。一度は、歌手になるべくハリウッドまで行くのですが、才能がないことを突きつけられ、歌手の道は諦めることになります。初めての挫折。そこから彼女の人生は大きく変化するのですが、冒頭でも書いたように、その時にハリウッドまで一緒に行ってくれたのは知り合ったばかりのジャック。その後彼との関係性は、急激に縮まってゆきます。

親の反対を押し切ってジャックと結婚したレベッカは、子どもが生まれたばかりの頃までは、親に頼ろうとする姿が見えます。ただ元々、口うるさい母親には居心地の悪さをどこかで感じていました。ジャックと結婚し、子供が生まれてから、レベッカに向けられるダメ出しや、我が子に向ける決めつけ、ネガティブな言動、そしてランドルへの差別的発言に疲れ、実家には近寄らなくなります。

レベッカの不安
そんなレベッカは3人の子供(双子と養子)の子育てて忙しく、疲れていながらも、なんとか日々頑張っていました。またレベッカの母親は、先ほどにも書いた通り、レベッカの至らない点をよく指摘する母親でもあったため、レベッカはどこかで自分に自信がなかったのではないかと思います。

そんなレベッカは、ランドルの実の父親と会ったことや、彼の所在を知っている事全てを、家族の誰にも言いませんでした。ランドルの父親に対しては冷たくあしらってしまったこともありました。そんなレベッカの心の中には、ランドルが取られてしまうのではないかという不安と後ろめたさがあります。その後ろめたさも相まって、ランドルの親としての自信のなさもあり、親として失格だと烙印を押さるような恐れを抱いていたのかもしれません。そんなレベッカの複雑な気持ちを無意識に察してか、興味深いことにランドルは、兄弟の中で一番母親を思いやる子どもだったのです。そのようなランドルとの関係性の中でレベッカは、むしろ親としての自信の均衡を保っていたのかもしれません。このようにジャック同様、レベッカも自分の弱さや劣等感を抑圧していました。また、そんな自信のなさに加え、レベッカは自分の夢を諦めたことも、心のどこかに残っていました。

均衡が崩れるとき

カップルは、二人の時期(個と個)、そして子供ができ家族になる移行期、そして家族としてそれぞれの役割と関係性が安定してくる時期(家族の力動の均衡が保たれた状態)と、子供が成長する過程で徐々にまた二人(個と個)に戻ってゆく移行期があります。

その中でも、子供ができて家族に移行する時期と、子供の成長によってまた二人に戻ってゆく移行期は、それまでに保たれていた関係性の均衡が大きく崩れることから始まるため、その家族、個人が試される時期でもあります。また子供の手が離れ始める時期が、ちょうど中年期に差し掛かることも多く、中年の危機という、人生をもう一度見直す時期と重なる事もよくあります。そのため、この時期には、抑圧していた問題が噴出することもあり、とてもストレスな時期にもなるのです。

子どもが生まれてから家族になる移行期
最初に問題が出た時期は、レベッカが子育て奮闘中の、まだまだ子供たちが小さい頃です。二人だけだった時期とは違う日々。レベッカもジャックも母親として父親としての役割の中でいっぱいいっぱいになってゆきます。ジャックは仕事に忙しく、また家庭に帰っても気が休まらず、気づけばお酒の量が増え、家に戻る時間もどんどん遅くなり始めます。そうなるとレベッカの不満がさらに募り、二人の間も険悪になるという悪循環。ここで初めてジャックのアルコール問題が表に出ます。この時の問題解決法としては、レベッカにはお酒をやめることを誓い、強い信念で乗り越えました。しかしこの時の問題解決法は、表面的なものでしかなかったのです。アルコール問題の根本にあるジャックの課題は解決には至らず、アルコール摂取の代わりにボクシングへとすり替えただけでした。根本的な問題は、また二人(個と個)に戻ってゆく移行期に再度現れることになります。

子供たちが成長し、二人(個と個)に戻る移行期
子供たちが大きくなったレベッカは、諦めてしまった夢である歌うことを再開させます。そんなレベッカは、最初の頃、子離れの不安を感じ、子どもたちを心配します。子どもたちやジャックは、レベッカを励まし、歌うことを応援します。しかし、そのバンドにレベッカを引き入れた人物が彼女の元彼氏だと知ると、ジャックは一変します。

この時期の二人の問題は、今まで以上に深刻でした。ジャックは、レベッカが元カレと楽しくやっているのではないかという疑念に苛まれ、その不安からイライラが日に日に増してゆきます。ジャックの嫉妬心からくる疑念は強まり、バントがツアーに出ることがキッカケで、二人の間には、今まで以上の亀裂が生じます。信じてもらえていないと感じたレベッカは、怒りを感じます。またバンドのツアー中に不快なことも同時に起こり、自分の才能が認められていたわけではない事に直面します。そんな時に居合わせた泥酔したジャックが、バンドのリーダーを殴るという事件を起こすのです。それによって、レベッカは自分の才能が認められないという事よりも、ジャックの泥酔した姿に気持ちが向かいます。

レベッカの心の中に、かつて自分の才能を認められなかった哀しみがずっとあったのかもしれません。しかし当時、ジャックとの結婚へシフトすることでその諦めという哀しみには向き合いませんでした。そしてこの時も、ジャックが居合わせ、その哀しみには向き合うことができませんでした。泥酔したジャックの姿をみて、レベッカの哀しみは、ジャックとの結婚によって自分の人生が壊されたかのような大きな怒りにすり替わります。二人の中は険悪になり、この一件で、ジャックのアルコールの問題が酷くなってゆきます。

カオス(混沌)と変容、暗闇の中の光

険悪な関係性に陥ったジャックとレベッカは、一時的に冷却期間を設け、離れて暮らすことになります。今まで保っていた無理や我慢が全て表面化したことで、今までのような均衡が保てない状況になったのです。この一件でレベッカはバンドを辞め、ジャックは酒浸りの日々に陥ります。レベッカとの関係性に大きなヒビが入ったことの危機感によって、酒浸りの日々から抜け出せないジャック。特にレベッカから、いつも人生の邪魔をすると言い放たれてから、もう今までのように強さで頑張ることができない状態となりました。しかし、そうなった時に初めてジャックは自分を見つめ始めるのです。実はこれが、変容への道へと繋がっていったのです。ここがカオスの中に光を見つけたモーメントです。カオスになったからこそ灯る光。闇に隠れた痛みを見ることで光が灯り、再度また動き出すのです。

ある日レベッカは、やり直そうと彼の滞在している友人の家へ訪れました。ジャックはレベッカに、本当の気持ち、自分の状態を真摯に正直に話します。そして、これは自分の問題で、自分でどうにかしないといけないことを伝えます。しかしレベッカは、もう一度ジャックと繋がることを選択します。この繋がりが、ジャックがもう一度、本当にアルコールの問題に向き合う力強いサポートとなりました。ジャックは自分自身を見つめ、またレベッカに言っていいなかった自分の弱い部分、恥ずかしいと思っていた行動についても打ち明けてます。このように今まで隠してきた自分の課題に向き合うこととなり、初めてそれを言葉にしてゆくのです。ジャックはレベッカだけではなく、子どもたちにも正直に話し、ようやくアルコール依存症のサポートミーティング(AAグループ)へ行く決意ができたのです。

静止状態から動きのある生へ
ジャックとレベッカの人生にも、幸せや喜びという時間もあれば、悲しみや辛い時期もありました。そしてその波風は、比較的穏やかな時期もあったのです。楽しい思い出も、幸せな時間も。ただその穏やかな時期というのが、真の安定か、何かを隠すことで維持している偽り安定かは分かりません。ただ偽りの安定だったとしても、楽しく幸せな記憶も人の心の中に刻まれてゆきます。それでも偽りの安定は、必ず向き合う時がくるということが、この二人の人生からよく見ることができます。

何かを隠すことで維持している、偽りの安定は、先ほどにも書いたように、人生のステージで変化に差し掛かった時、激しく、大きな荒波に変わることがよくあります。しかし、このような荒波を通り抜けた先には、心の成長を促し、またトラウマによる痛みがある場合には、トラウマの癒しと、トラウマ後の成長に繋がるチャンスにもなるのです。

ジャックとレベッカの物語

さて、ジャックがようやく自分の課題に向かうところで物語が終わっていたらこのドラマはハッピーエンドです。しかしこのドラマは、ここで終わりません。ジャックとレベッカ、二人が揃っていた時代が序章であり、ジャックに起こる悲劇的な出来事から本編のスタートという印象で、そこから始まる物語そのものが、このドラマに深みを与えています。物語はハッピーエンドという、人生の区切りこそあれ、実際はそこからも物語は続きます。そして人生の課題がある限り、そこに向き合うチャンスに出会うために、私たちの人生は続いてゆくのかもしれません。

このドラマでは、レベッカ一人が全ての時代に登場します。彼女の人生を見てゆけば、ジャックがようやく自分の課題に目を向けたその直後から、さらに色んな事が動いてゆくのです。そこからレベッカ自身が、目を向けなくてはいけない課題が、ゆっくりとはいえ、子どもたちを通して人生の中で巡ってくるのです。幼き頃は父親の庇護のもと、またジャックと結婚してからは彼の安心という傘の下で生きてきたレベッカが、その後の人生で出てくるチャレンジに一つ一つ向き合いながら中年期を乗り越え、そして老いてゆき、彼女の死でドラマが完結します。

人生という時間の中で

ジャックとレベッカ、二人の人生は、それぞれの体験、そして二人の関係性の摩擦の中で、ジャックはジャックという全体となり、レベッカはレベッカという全体になっていったようにも思います。この物語を見ると「死」とは人の一つの完成形、円が閉じられ、その人は全体になるような気がします。

人は様々な経験を通して、いろんな刺激や影響を受けます。それを自分の内側に取り込み、いつしかそれが自分の信念や行動へとつながって行きます。人の成長を促すには、その人の心地よい範囲から離れるというリスクを取り、新しい領域に進むことが必要だと心理学で言われています。そのような変容性内在化は、人が成長する上でとても大切なもので、アイデンティティ形成にも関係していると言われています。

育った環境も体験も全く違うジャックとレベッカが出会い結婚したこと自体、二人は慣れ親しんだことから離れて、人生のチャレンジに一緒に向かっていく道だったのかもしれません。

家族療法であり、遊戯療法家のリサ・ディオンは、自分の心地よさから少し出た不快のエッジに立ち、その時の自分が耐えうることができる恐れに立ち向かうことや、自分の耐性の限界に挑戦することが、人の成長を促すと言っています。これがトラウマ治療では、耐性の窓、すなわち私たちのストレスに対する許容範囲を広げること、レジリエンス(回復力や乗り越える力)の筋肉を鍛えてくれるのです。

そして人の成長を促すもう一つの大事な要素が、安心できる人との繋がりです。小さな子どもたちは、しっかりとした絆を持った親の元で、このストレスやフラストレーションを体験しながら成長し、自分の世界を広げてゆくのです。ジャックとレベッカも、荒波を二人で乗り越えて行き、また二人の子供であるケヴィン、ランドル、ケイトもそれぞれが、様々な繋がりの中でゆらぎながらも円を完成させるべく、世代に続くトラウマをも乗り越えてゆきます。

ジャックとレベッカも、二人で様々な困難を乗り越えながら、レジリエンスの筋肉も同時につけていったのかもしれません。だからこそ、大きな問題が表面化した時でも、二人はまた繋がる事ができ、乗り越えることを決意できたのだと思います。

人生の中でゆらぐ存在

陰と陽・・・
自然は常にそのはざまをゆらめいて 調和を保とうとする。
嵐も地震も 雨も風も雪も 自然が調和を保とうとするあらわれだ
だが自然は決して調和されることはない ゆらめきこそが自然だからだ
「水は流れて水となり」「風は吹いて風となる」
そしてまた「人はゆらいで人となる」

「イティハーサ」5巻  (P .165-166) 水樹和佳子著 ハヤカワ文庫JA 早川書房

ジャックとレベッカの一生をドラマを通してみると、二人は、様々な関係性や出来事の中で常にゆらぎながら、ジャックはジャックへ、レベッカはレベッカになっていきました。生まれた時から死ぬまで、常に幸福ばかりが人生でない、それが人の人生として自然の姿。誰の人生にも出会いがあれば、離別もあり、老いや死は避けることはできません。その体験の大きさや重さに個人差はあれど、誰しもが様々な人生体験を経て、人生の課題に向き合い人は人となってゆくのではないでしょうか。

相反するものの間でゆらぎ、時にその二つの摩擦の中で、私たちは様々なことを感じ、考え、自分に相手に問い、応答し、行動し、人生が彩られてゆく。その一連のプロセスを経て、その人は唯一無事の存在となる。そこがAIとは違う、私たちの人間性。

AIは情報によって作られています。膨大な情報をかき集めれば、あたかも人間のような応答も可能になるでしょう。ただ今の段階では、そこには生身の人間のように、生々しい体験によってゆらぐものは存在しません。実際にはとてもフラットで無機質なもなのです。人生の海を泳ぐ私たちが、世界にたった一人の「私」という存在と「あなた」という存在の触れ合いの中で生まれるダイナミクスが、AIにはない「人間性」を生み出しているとも思いました。

バトンタッチ

不完全な存在であることが完全なる人間性 
『 THIS IS US/ディス・イズ・アス 』は、一人の人生という長いスパンを追うことで見えてくる、それぞれの登場人物の成長、そしてその人全体としての人間的魅力を感じることができるドラマです。そこから見えることは、このドラマに出てくる登場人物たちが、決して完璧な存在ではないという事。ジャックとレベッカから次世代のケヴィン、ランドル、ケイトへと紡がれる物語は、均衡、破壊、静止、再生のなかで、常に揺れ動きながら進んでゆきます。彼らが、完全には調和しない不完全な存在だからこそ、そこに人間性の深みも感じることができるのです。そんな彼らの姿に、私たちの人生を重ね合わせながら観ることによって、きっと私たちの人生が、今よりも愛おしく感じるかもしれません。

人は不完全な存在です。そんな不完全さからくる不和や断絶は、どのように他者に影響し、また受け止められるのでしょうか。そしてそのような不完全さの中で何が癒しにつながってゆくのか。トラウマの癒しやトラウマ後の成長のヒントが隠されているかもしれません。次回は、その辺りをやすのさんから教えてもらいたいと思います!

参考:
「THIS IS US/ディス・イズ・アス 」シーズン1−6
<自己愛>と<依存>の精神分析 コフート心理学入門 和田秀樹 PH P新書(2002)
イティハーサ・5 水樹和佳子 ハヤカワ文庫(2000)

トップ写真 image by -Rita-👩‍🍳 und 📷 mit ❤ from Pixabay


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